2018年12月18日

【 X様の御注文:CHESTERFIELD COAT 】





 あと一週間でクリスマスを迎えます。


所々で素敵なクリスマスツリーが飾られ、やはり気分は盛り上がるものです。
皆様におかれましては 大切な方へのプレゼントは御用意されましたでしょうか。


xc1.jpg





 さて、暖冬といわれた この冬ですが
寒波の襲来と共に 急に本格的な寒さとなり、コートやストール、グローブ等が欠かせぬようになって参りました。
流石に冬は寒いですが この冬は晴れが本当に少ないですね。

当店BLOGも今週をもって年内の更新を最後とさせて頂きます。
お店の方は 12月28日(金)まで営業しておりますので、何卒宜しくお願い致します。
(年始は 1月4日より通常営業となります。)

















xc2.jpg



・・・・・上衿にベルベットカラーを携えた 正にクラシカルでエレガントなオーバーコートです。
このコートはディテールもかなりミニマムに抑えられている事も特徴です。










 今週は、BESPOKEにて
X様より御誂え頂きました CHESTERFIELD COAT を御紹介させて頂きます。










・・・・・今年の夏に初来店して頂きましたX様、この秋冬用にと HOUSE STYLE ORDER にて 2P-SUITS をご注文頂きました。

X様はとても装いに気を配られ、拘りのある素敵な御方です。
昨今の背景もあるかもしれませんが、お手持ちはイタリア系の洋服が多いとの事。
今回は別テイストにて御誂え頂くべく 光栄なる御縁を頂戴致しました。

 そのご注文頂きました1st-SUITSが仕立て上がる前にも関わらず、実はコートも追加にてご注文を下さるとの事であり、光栄なかぎりで御座います。

後日 改めてご来店頂き、先ずはスーツに同じく HOUSE STYLE ORDER にて
雨の日でも気兼ねなく着用出来るタフなCOVERT COATを。

http://dittos.seesaa.net/article/407464018.html
( COVERT COAT )



『 オーバーコートは、スーツの上着型紙から起こしますので インナーとアウターとの相性がベストマッチしたコートを御仕立て頂けます! どうかご期待下さいませ。』


そして もう一点!
「 カシミアで CHESTERFIELD COAT を! これは折角なので BESPOKE で。」


『 !!! 』 勿論 喜んで御注文をお受けさせて頂きます。
最高級のカシミアです! 一生お付き合いの出来る最高のコートをお仕立てさせて頂きます。

ですが、どうしましょう、、、、、。BESPOKEでは初注文となります。
X様のインナーたる上着の型紙は H.S ORDER用ならあります。
これを展開してBESPOKE用のオーバーコートを作るのは、本来あるべき当店BESPOKEの品質レベルに至りません、、、、。



H.S ORDERとBESPOKEでは 当然ながら全てにおいて物作りのステージが違います。
スポーツの世界でも、年齢や体重差などで区分けがあります。
それぞれが、それぞれのステージにて最高を目指している事は言うまでもありません。

ステージの違いを考えれば、型紙にしてもBESPOKEの方が圧倒的に精度も高く、そして高度であり 仕立ても難しく、とにかく最低でも双方のお値段差は 総合品質レベルが変わる事は当たり前です。

サイズ感はほぼ同じだとしても、設計や仕立て術が全然違うのです。
















・・・・・お選び頂きました 最高のカシミアは、




xc3.jpg



Joshua Ellis

100% CASHMERE

MIDNIGHT BLUE  500g





オーバーコートのフィッティング精度は、インナーの上着次第であり 連動致します。
故に本来では そのステージ(H.S or BES)でのインナーを先に仕立てる事をお勧めしております。

 折角の大切なご注文であり、BESPOKEにされたご期待値も高い事と思います。
今回は既にH.S ORDERでも御誂え頂いておりますし、BESPOKEでのステージにて、SUITSやODD JKを更にお勧めさせて頂くのは いささか恐縮でも御座います。

















・・・・・と いう事で、H.S ORDERの型紙を参考と共にベースにしつつ、それをBESPOKE用のレベルに変換し、レベルUPした上で インナーたるBESPOKE用のJACKET型紙を引く事にしました。

余っていた生地を使い、未注文であるX様のスーツ用上着を仮縫いで御用意させて頂いた次第で御座います。


xc4.jpg



X様はとても体型バランスが良く、肩下がりなども極微妙です。
なので、敢えてこの仮縫いは左右対称に作り、その誤差を改めて見極めます。

美しきシェイプと共に、とてもエレガントでクラシックな仮縫い上着が出来ました。
既にBESPOKEレベルでの型紙になっていますが、ここから更に微補正を加え よりフィッティング精度を高めます。

 改めて この架空上着の型紙を引き直し、X様のMASTER PATTERN が出来上がりました。
X様、これでいつでも スーツやジャケットのご注文が直ぐにお仕立て頂けます!
そして上記再補正の情報は、仮縫い無しで仕立てている H.S ORDER の型紙へも出来る事は当然還元もいたします。 次回のH.S ORDER は更に精度UPしてお仕立て頂けます。
(手間をかけた分、一石二鳥と共に今回のコートも筋が通りました。)

これで安心して このBESPOKE用JK型紙より展開して、今回のオーバーコート型紙を引いて参ります。
本来あるべきBESPOKEのレベルへ至る事になります。


 では、同じ方が着用される御本人様の型紙なのに、H.S ORDERとBESPOKEでは どんな違いがあるのでしょうか。
この説明を誤解無きよう分かり易く説明するだけで一話になりますので割愛しますが、ご興味のあるお方は是非店頭にてお尋ね頂ければと思います!
















xc5.jpg



・・・・・デザインや仕様、サイズ・ゆとり感、そしてコートにとって大変重要な着丈のバランスなどは、当店HOUSE STYLE ORDER用のサンプルを御着用頂き、ご注文時のカバートコートと共に密な打ち合わせ済みです。

いよいよコートの仮縫いが出来ました。

X様は沢山の洋服をお持ちの事でしょう。
しかし、この仮縫いの時は 今回お仕立て頂きました H.S ORDERのスーツを御着用して下さい。

勿論 インナーが他メーカーや既製服であったとしても当然御着用はして頂けます。
ただし、インナーとアウターの相性は H.S ORDERにしても、BESPOKEにしても 私の設計した服同士の方が良いに決まっております。
















xc6.jpg



・・・・・いよいよお仕立て上がりです。

写真ではかなり青く見えますが、、、ミッドナイト ブルーです。
上衿にはブラックのベルベットカラーをリクエスト頂きました。

オーバーコートの芯はとても柔らかく仕立てます。
インナーのスーツが支えとなり、芯と成り得るからです。

気品に満ちたエレガントなコートは、最高の生地と共に独特のオーラを放ちます。


 それにしても街では フロントが貫通釦止めのコートばかりで、比翼フロント仕立ては本当に少なくなりましたね。
きっと X様も同じ事をお考えであるからこそ、当店へお越し頂いたのかも知れません。

















xc7.jpg



・・・・・生地に施された波の様な美しき仕上げによる表情、、、
リップル フィニッシュと呼ばれています。 この写真だと分かりやすいですね。

袖口はベーシックに本開きの4釦、腰ポケットは両玉縁にてリクエストを頂いております。

















・・・・・そんな腰ポケットにつきまして、寒いからこそコートを着る訳ですね。
確かにグローブをされたりもしますが、、、、腰のポケットに素手で手を入れた時 「ヒヤッ」とするよりは暖かい方が当然良いですよね。

様々な袋地が考えられますが、当店では贅沢にコチラ!


xc8.jpg




ポルトガルに SOMELOS という素晴らしいシャツ生地メーカーがあります。
これは COTTON 100% による暖かなネルシャツ地です!

シャツ地としてみれば肉があります、されど そこはシャツ地です。
軽くてしなやかで、当然糸も良く肌触りも最高で凄く気持ちが良いのです!

チャコールグレーのツイル地、これを袋地に贅沢にも使用しております!
コートだけでは無く、リクエストがあればツィードやフラノの上着にも使用しておりますよ。(勿論シャツ地ですから、シャツ自体もお仕立て頂けます。)

随分とコスト高な袋地ですが、最高ステージたるBESPOKEですから
付属類も妥協は一切御座いません。














xc9.jpg



・・・・・X様にお越し頂きました。
先にH.S ORDERのスーツとカバートコートは御納品済みであり、大変お喜び頂けました。

BESPOKEのコートも 何とかこの12月中にお渡し出来て良かったです。

X様、如何でしょうか。
本当にJUST FITですが、この日もインナーには御納品させて頂いた H.S ORDERのスーツを御着用の上 お越し頂いております。

もうスーツを下に着ていないかの如く綺麗にお身体をホールドしております。















xc10.jpg



・・・・・正に教科書通りといった位に 見本の様なシングル型チェスターFコートですね。
本当にエレガントでクラシックです!















xc11.jpg



・・・・・X様、なかなか御自身では見る機会が無いであろう後姿です。
シルエットが本当に美しい、、、、。

男は背中で語って下さい。

こんなに綺麗にフィットした、最高の生地による最高の仕立てです。
誰がどう見ても誂えコートにしか見えません!


肩の幅や傾斜、身体の厚みや姿勢、各ポケットの位置やシェイプされるウエスト位置の設定、衿周りやアームホールの深さや幅など 至る所全てがインナーより導かれ、連動しております。

誂えの世界に足を踏み入れたなら、是非オーバーコートまでお仕立て頂きたいと思います。















xc12.jpg



・・・・・この写真だと 生地の色目や表情が良く出ていると思います。

衿や肩周りがとても綺麗に落ち着いていますが、誂えですので当然ですね。
この極上コートですが、理論上ではBESPOKEにて いつかお仕立て頂いたとするスーツやジャケットと最高の相性となる訳です。

例えばH.S ORDERの前肩成形の度合い、BESPOKEと比べれば当然差があります。
コートはBESPOKEレベルでのポテンシャルを持ち合わせておりますが、インナーがその次元まで達していない事になります。

物作りの品質差を理論で考えると こんな事も言える訳ですが、あくまでもBLOG上での御説明でありますので、、、そんなグダグダした薀蓄は気にせずさておき、新しい相棒を是非可愛がって頂けましたら何よりの幸いです。




この寒き冬を、カバートコートと共に
このチェスターFコートも是非ご堪能下さいませ。



 X様、素敵な御注文を誠に有難う御座いました。


















・・・・・この度の素晴らしいカシミア生地ですが、残念ながら既に完売してしまいました。

カシミアは常に探しています。
良い出物があれば必ずある時に手に入れてはおりますが、それぞれに量が限られておりますので 目の肥えられた御客様方のもとへ すぐに嫁いでいってしまいます。


 という事で、別の素晴らしいカシミアを入手しておりますので
最後に御紹介させて頂きます。

今回は BLACK です。


xc13.jpg



CERRUTI


100% CASHMERE

BLACK  480g




xc14.jpg




当店の扱う生地では珍しい イタリア製の生地です。
昔は『セルッティ』と呼ばれておりましたが、最近では『チェルッティ』と呼ばれるのが多いようですね。

 1881年 イタリアのビエラ地方に創業致した超老舗のミルであり、同国では2番目に古いそうです。
このメーカーは、糸から紡績も出来ますので一貫した品質管理と共に、オリジナリティーに溢れた生地も作れます。(英国:E.WOODHOUSEがそうでしたね。)
 また、特徴としては そのミルがアパレル部門も作り、ブランドを立ち上げました。
生地作りから洋服の生産まで 本当の意味で一貫して行うようになりました。

1990年に公開された【 プリティーウーマン 】で
リチャード・ギアが着用していたスーツは正にCERRUTIでした。
 老舗が故に逸話は色々とあり、かのG.アルマーニもバイヤー上がりの氏がデザイナーとして経験を積んだブランドでもあるようです。


 さて、取り扱い少なきイタリア製の生地ではありますが
この老舗高級ミルの織り上げる生地は 勿論最高に素晴らしい生地に決まっています! 決まっていますが、スーチングやジャケッティング、そして色柄物などであれば 好みや価値観が合わないので滅多に買い付ける事は無いでしょう。

 しかし、最高のカシミアで黒の無地、中肉のコーティングであるという括りで見れば、
同社の特徴たるは 最早その品質の良さしかない訳です。

カシミアの黒無地に、イギリスらしさ、イタリアらしさ、、、
そんなに『らしさ』を表現しようの無い生地だからこそ 質が頗る良く、お値段も優しければ買わぬ理由がありませんね。

 確かに素晴らしいカシミア地です。
このウエイト感も丁度良く、品質は折り紙付きです。

最高の生地を織りあげるでしょうが、お値段も伴ってしまいますので
今回は良い縁があったという事になります。

 まぎれも無く、心底お勧めさせて頂く BLACK CASHMERE で御座います。



xc15.jpg



カシミアでお仕立てを御検討されるのであれば、出物とは言え高級品に違いありません。
オーバーコートは本当に長持ちします。
だからこそ、一切の妥協する事無く吟味されて下さい。目利きが難しければ 私自身を信用して下さい。


私が自信を持ってお勧め出来ない様な生地は そもそも店頭に並びません!
この素晴らしきカシミアも、皆様との御縁を 心よりお待ちしております。
















・・・・・2018年 本年も当店BLOGをご覧頂きまして 心よりのお礼を申し上げます。

年内更新は本日が最後となりまして、年始は 1月15日(火)より
改めてスタート(更新)をしたいと思います。

どうか 来年も変わらずの御贔屓を賜れます様 何卒宜しくお願い申し上げます。


 また、来年は なんとお陰様で 10周年YEAR となります。
実は懲りずに 改めて極上の Dittos.オリジナル生地も仕込んでおり、いよいよ織り上がってきております。

早いうちにBLOGでも御紹介させて頂こうと思っておりますので、合わせてお願い申し上げます。

(ご来店下さった方々には、早々に御紹介させて頂きます。年内まだ営業しておりますので是非お時間が御座いましたらお越し下さいませ。)





 では、素敵なクリスマスを
そして良いお年をお迎え下さいませ。

本年も大変お世話になりまして 誠に有難う御座いました。








posted by 水落 at 09:00| Comment(0) | クライアント様の洋服 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月11日

【 HOUSE STYLE ORDER:W.Bill 】





 皆様 こんにちは。
今週も当店BLOGへご訪問頂きまして、誠に有難う御座います。

随分不安定で寒暖差激しき冬では御座いますが、いよいよ12月も中旬に差し掛かって参ります。
 ここで 年末・年始の営業日に付いて御連絡をさせて頂きます。


年内は 12月28日(金)が最終営業日となります。
年始は  1月4日(金)より通常営業とさせて頂きます。


 顧客様方を始め、皆様におかれましては 色々とご迷惑をお掛け致しますが
何卒宜しくお願い致します。

来年1月の暦では、4日を有給にされ 6日まで連休にされる御方もいらっしゃる事でしょう。 貴重なお休みでは御座いますが、お時間があるようでしたら是非お店にも気軽にお立ち寄り頂けましたら幸いです。


 今年も残り僅かとなって参りましたが、どうか最後まで宜しくお願い申し上げます。


















1wb.jpg



・・・・・グリーン系のカントリースーツに身を包んだ紳士。
ウインドーペーン柄の生地で仕立てられた本返りラペルの三つ釦にサイドベンツ、クラシックなその上着にはスラント(ハッキング)ポケットがあしらわれております。
衿元にはブートニエールが見えますね。

皆様、ツィードを楽しまれておりますでしょうか。




 さて、今週は この秋冬用にお仕立て頂きましたご注文より
当店BLOGでもお勧めの W.Bill をお選び下さった HOUSE STYLE ORDER のご注文を紹介させて頂きます。















2wb.jpg



William Bill


SUPERFLEECE

ALL WOOL

375g






・・・・・ツィードとしては軽量級となるウエイトが このシリーズの特徴です。
地も確りと密に打ち込まれ、色柄含め 正にカントリースーチングの世界を表現している素晴らしいシリーズです。

同社がHARRISONSの傘下に入り、残念ながらこのシリーズは廃盤が決まってしまいました。
とても残念でなりません。この軽量級なウエイトこそ、タウンユース含め ハイキングや紅葉狩りなどで 気軽に楽しめる一番使いやすきウエイトです。
 雪の積もる季節になればオーバーコートを御着用下さい。このツィードであればコートを着ても快適にお過ごし頂けます。

(このシリーズは追加でも再確保しておりますので、手に入るうちに是非お勧めで御座います。)

















・・・・・もう先に素敵なスタイルのあるお姿を御紹介致します!



3wb.jpg



今季初めてのご注文となります Y様は、背が高く シャープな御体型をされております。
昔から英国贔屓なY様におかれましては、随分と長きに渡りF&HでBESPOKEも嗜まれていたそうです。


 御縁もあってこの度 HOUSE STYLE ORDERをお試し頂く事になりました。

お選び頂きました生地は SUPERFLEECE より、ブラウンとグリーンをミックスしたベースに、ボルドー系のウインドーペーン柄が織り込まれています。

この正にカントリーなカラーは、写真でもグリーン系が強く出たり、逆にブラウンを感じたりと ツィードらしい奥行きの深い色出しが特徴です。



 シングルの本返り三つ釦にスラントポケット、そしてサイドベンツ、
衿付きのウエストコートを携えたクラシックな三つ揃いを御注文です。

BESPOKEに慣れ親しんだY様におかれましては、仮縫いの重要性、価値と意味を御理解されております。
BESPOKEでは当たり前に行われる仮縫いでは御座いますが、
当店HOUSE STYLE ORDER でも、オプションにはなりますが仮縫いをお付けする事が出来ます。
 私の補正指示により型紙を作成し裁断、そして工場さんが確りと仮縫いを組んで参ります。
1stオーダーから、より精度高き お好みや拘り踏まえたFITTINGにてお仕立て頂きます。
















4wb.jpg



・・・・・クラシックで典型的なブリティッシュスタイルと言えるでしょう。
Y様におかれましてもこれが標準であり、安心でもある事でしょう。

既に採寸された様々な寸法や情報のもと仮組みされている訳ですが
ここから更に微調整を加えて型紙を修正(補正)し、改めて裁断し直されます。















5wb.jpg



・・・・・ハッキングジャケットを意識されてか、やや長めの丈など Y様のお好みを再確認させて頂きます。

左右非対称で既に組まれた仮縫いですが、左肩をもう少し微調整させて頂きます。
私は技術的な側面を、Y様におかれましてはデザインバランスやサイズ感などを主に確認して頂きます。
また、お好み含めご希望があれば勿論ご相談の上で反映させて頂きます。

ツィードであれば、仕立て上がり後にどんな着方、着こなしをされたいかは必ず確認が必要です。















6wb.jpg



・・・・・先の写真より茶味を感じますね!
袖を外し、アームホール周りを確認です。 必要であれば衿も取り、肩も解き、
解答でもあるY様のお身体に添わせて参ります。


アームホールの部分に、糸印である切躾が 白、青と並んでいます。
これは袖付けに関する合印であり、非対称肩傾斜なので色を変え 左右での合印を明確にしています。
肩先の下がり具合だけでは無く、既にネック部でも高低差は有り得ます。
体型は個性ながら、それだけ人間の体形や姿勢などは本当に複雑です。

















7wb.jpg




・・・・・お待たせ致しました。
いよいよお仕立て上がりです。 とてもベーシックでそつ無きバランスです。
Y様らしさを感じるクラシックな三つ揃いとなりました。















8wb.jpg



・・・・・ご注文時に着用されておられたツィードの上着は随分とカマ深も深く、全体的にユトリも多かったのですが、インナーにニット着用を想定していたのでしょうか。

今回は確認の上でハイゲージの薄手ニット意外は想定しておりません。
キュッと御自身の腕に合ったアームホールは 袖自体のシャープなシルエットを生み、腕の上げやすさと共に機能性が全く変わって参ります。

Y様にも大いにご納得頂いたと共に 違いをご堪能されておりました。

















9wb.jpg



・・・・・衿付きのウエストコート、腰のポケットはスポーティーにフラップ付きです。
ユトリ加減は勿論お好みを反映致しますが、やはり身体のラインが出る位はフィットしていなければ成りません。
 当然ながらインナーでもある訳ですし、このインナーのフィット感は上着にも関係するのです。

インナーがガバガバで、アウターが妙にJUST FITなんて有り得ませんね。
それぞれのアイテム同士、サイズ感の調和が必要です。















10wb.jpg



・・・・・ご覧くださいませ。
私も大好きなマルーン(色)!
ツィードの格子色に合わせて 即決で御座いました。

実は、仮縫いでのご来店時に 今回のツィードに合わせて
コーデュロイのODD TROUSERSを追加で御注文頂いておりました。


11wb.jpg



勿論 今回3P-SUITSの仮縫いにより、修正後の精度高き型紙で即裁断です!
暖かく、気楽に履けて水洗も出来る事は大変嬉しきメリットです。
故に 生地は湯通しして予め縮めておりますので、していない製品と比べれば雲泥の差は御座います。
 しかし、一度の湯通しでは縮みを完全に止める事は厳しいとも言えます。
あえて股下はスーツ組下より若干長めの設定です!













・・・・・この度のスーツは即デビューして下さったとの事、Y様におかれましては大変お喜び頂き 本当に良かったです。
今頃もきっと この度のツィードに袖を通してくれている事と思います!

素敵な御注文を誠に有難う御座いました。


















では、次の御紹介で御座います。







12wb.jpg



William Bill

LAMLANA

75% Lambswool

23% Angora

2% Cashemere


320g









 これも本当に素晴らしいジャケット地です。
素晴らしいのですが、、、、HARRISONSのMOONBEAMというシリーズにかなり被っております。
コチラの方がカシミアをブレンドしている分 肌触りも更に良く、若干高級でもありますが、、、SUPERFLEECEに続き このLAMLANAも廃盤が決まってしまいました。

320gのウエイトは、秋口から着用でき
肌寒さ残る春先まで十分に御着用頂けます。
 残念ながら この銘品も在庫限りとなってしまいました。

クラシックなバーリーコーン柄は、渋き鉄板のブラウンにて。
















13wb.jpg



・・・・・大変御贔屓頂いております S様より、今期はダークスーツと、ジャケットのスタイルで光栄なるご注文を頂戴致しました。

上着は LAMLANA の ODD JACKET と、下物はグレーの WHIPCODE と理想的なセレクトで上下を御仕立てで御座います。


スーツの上着と、この様な ODD JK とでサイズを区別される方、または同じサイジングで誂える方と双方おられます。
 これは『JACKET』というアイテムをどう捉えるか、皆様の価値観で変わります。

 S様におかれましては、スーツの時よりも若干ユトリを増やし
リラックスした印象と着心地をご希望頂きました。


もう使いやすく、何にでもあうジャケットですね。
本当に素敵であり 羨ましい限りです。














14wb.jpg



・・・・・この度の御紹介は HOUSE STYLE ORDERですが、仮にBESPOKEであれば 無から生み出す故に 芯地の種類や作り方さえ何でもご要望に合わせて作る事が可能です。
(私の設定するレギュラーというポジションは御座います。)

ですが、HOUSE STYLE ORDER でも芯の種類を増やしておりますので
今回の上着には よりソフトな芯を使ってお仕立て頂きました。

 生地の柔軟性、優しさを仕立て方と共に存分にご堪能頂ける事と思います。
良い意味で肩の力が抜けたリラックスした着心地は また格別な事でしょう。

















15wb.jpg



・・・・・S様、追加で頂きました キャバルリーツイルのODD TROUSERSも抜群に素敵ですが、このACORN DENIM:INDIGOのシャツも心底お勧めです!
 アタリや色落ちを楽しみながらエイジングをお楽しみ下さい。

このデニム地は自身愛用中のカチョッポリ社:デニム地より薄地です。
余計に良いです! 年中通して使え、タイ等も時には締められてお楽しみ頂ければと思います。
(シャツ下の生地は、今回に同じく W.Bill:LAMLANA より、色柄違いの生地となります。)
















・・・・・S様、この度も素敵な御注文を誠に有難う御座いました。
春までじっくりとご堪能頂けましたら幸いです。




16wb.jpg




 では、今週も最後までお付き合い頂きまして誠に有難う御座いました。
HOUSE STYLE ORDER であれば、お仕立て上がりは年明けとは成りますが
まだまだ冬の装いを コート含めて御誂え頂けます。十分に間に合います。

今季冬だけでは無く、来年も、再来年もずっと着るのです。
誂えは思い立った時が誂え時です!

皆様のお越しを 心よりお待ち申し上げております。






posted by 水落 at 09:00| Comment(0) | クライアント様の洋服 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月27日

【 TUSTING : BANK TOTE 】




 寒くなりましたね。
既に足が冷えます、、、、。




1ts.jpg



調布にある深大寺と、神代植物公園にのんびりと行って参りました。
紅葉はしているものの、全体的にはあと一歩という感じでしたが とても癒されました。
 大変美味しいお蕎麦屋さんもあり、お気に入りスポットの一つです。

神宮外苑のイチョウ祭りは 12月2日まで。
ご来店下さる顧客様が立ち寄られてきたそうですが、凄く綺麗で見頃らしいですよ!






















 さて、今週は 素敵な鞄を御紹介させて頂きます。





TUSTING




 1875年 英国靴の聖地として知られる ノーザンプトン で生まれたタスティング社は、革をなめすタンナーとして創業致しました。

その最上級な革は、J.ロブ、E.グリーン、チャーチ、C.ジョーンズ等の名立たるシューメーカーへ供給されて参りました。

1990年には自社ブランドも立ち上げ、オリジナルで革製品の物作りを始めます。
長きに渡る皮革への豊富な知識や経験、卓越した技術は、そのまま自社への製品作りにも注ぎ込まれております。
この『製品作り』だけでみれば歴史は浅いかも知れません。 しかし、その高品質な物作りは直ぐに業界へ広まり、やはり名立たるメーカーからのOEMも請け負って参りました。


2ts.jpg



今ではイギリスを代表するレザーブランドにまで成長された TUSTINGですが、
そのTASTING製の鞄は チャールズ皇太子も御愛用されているそうです。
品質の高さを窺える大いなる証明とも成りましょう。



















・・・・・では、早速ご覧頂きましょう。


3ts.jpg



如何でしょうか、一見 ベーシックな そのレザートートバッグには
様々な拘りの詰まった歴史深きデザインでもあるのです。

 そのディテールに目を向けて参りましょう。

( コットン製のバッグカバー付きとなります。 )

















4ts.jpg



・・・・・バッグの口部にはフラップが付けられております。

この写真は背面ですが、なにやらベルトが見えますね!














5ts.jpg




・・・・・背面からまわるベルトは、口部のフラップを止め付け、ぐるりと一周まわります。














6ts.jpg



・・・・・逆側の背面がゴールですが、そのベルトの調節により 口部の開閉度合いを調節出来る様になっています。















7ts.jpg



・・・・・実は こんな形状になっているのです!

鞄口部をホールドするそのフラップには、縦長にホールが4か所空いております。
ボディーにはベルトループとなる金属製のループがあり、そのループ金具にフラップのホールを貫通させ、背面からくるベルトを通す事によってフラップを完全にロックさせるという構造です。



歴史を大いに遡ると、通称 【 BANK TOTE(BAG)】 と呼ばれる形態の鞄がありました。

その名の如く、バンカー(銀行家)を主に 多くのビジネスマンに愛用されていた鞄でもあるのです。
バンカーの鞄ですよ、中身は現金含め、貴重な物が収納されております。
 簡単に開けられては困りますね!

鞄口にフラップで蓋をし、更にベルトで止め付けて万全のセキュリティーをとっていた訳です。

大変特徴的な このデザイン、かの有名なエルメスのバーキン等で見られるそのベルトデザインも 実はこのBANK TOTEから摸されているそうです。
これも大変歴史を感じる逸話です、、、。



フロントには、J.R.T と刻印があります。
これは、『 John Robert Tusting 』氏のイニシャルとなります。
同社の基礎を作り上げた人物だそうです。

 昔は鞄やトランク等にイニシャルを入れられていた事に因みます。















8ts.jpg




・・・・・しかし、このベルト、、、日常使いでは億劫で仕方ありませんね、当然の事と思います。

なので、普段はフラップにベルトを通さなくて結構です!

ベルトはフラップを無視してループ金具に通しておきます。
フラップは写真の様に中へ仕舞っても良いですし、蓋をするだけとして被せておいても良いのです。 まぁ、ちょっとこの特徴であるベルトを見せたいですよね!
必要な時のみガッチリホールドを御利用頂ければと思います。

凄く格好良いデザイン的なアクセントだと思いませんか!?














9ts.jpg



・・・・・サイズですが
横:約42p  縦:約29p、そして幅は 約14p となります。

ビジネスで必要な物はもう何でも入りますし、一泊位なら御出張や御旅行でもいけそうです。














10ts.jpg



・・・・・底には確りと芯材が入り、四隅に鋲が打ってあります。
安心です。 勿論 自立立ちもします。













11ts.jpg




・・・・・中を見てみましょう。

織り密度高きタフなネイビー地のコットンドリルがライニングです。
向う側には大き目な内ポケットがあります。














12ts.jpg



・・・・・手前側には少し小振りな内ポケット、こちらはファスナーが付いておりますので大事な小物類はこれで分別もでき、安心感もあります。













13ts.jpg



・・・・・ショルダー用ベルトが付きます!
これは嬉しいですね。

大切な鞄です、これで置き引きや引ったくりからの予防にもなりますし、両手が使える事にもなりますね。
(ご覧の様に 取り外し自在です。)















14ts.jpg



・・・・・古き バンク・トート より、今回はTUSTINGがデザインしたこのバッグには
ミルトンという名が付けられております。

革はグレインレザーです、キズや汚れに強く、目立ちぬくい革でもあります。
気兼ねなく使えますので理想的な選択であり、ここも嬉しいお勧めポイントの一つです。




















・・・・・では、実際のサイズ感をみて頂きましょう。

私の身長は 170p です。
バンカー・トートに バンカー・スーツですよ。 これがやりたかった(笑)!


15ts.jpg



ご覧の様に、大き過ぎず、小さ過ぎず、本当に使い勝手の良いサイズ感だと思います。
ライニングはコットン地ですし、見た目より凄く軽いと私は感じております。

ダークスーツに堂々と合わせられるトートバック、ダークスーツにこれ以上の相性高きトートは無いでしょう。 されどトートバッグです、普段使いにもお気楽にお使い頂けますね。


16ts.jpg















17ts.jpg



・・・・・ショルダーバッグとして。

ベルトも長すぎる事無く、丁度鞄底に手が添えられるという位のポジションです。
エイジングがとても楽しみでもあり、スーツや靴と共に育てていきたい素敵な逸品です。















18ts.jpg



・・・・・この度のバンク・トートですが、実は2色の御用意があります。
同じくグレインレザーでの Cob Brown という色になります。


19ts.jpg



ブラウンも欠かせぬ色であり、自分用はどちらの色が良いかと発注した半年前から悩んでいました!
ブラウンの場合は色も自分で好みに寄せる事が出来ますね。




しかし、、、、、先方の事情により ブラウンのみ生産がかなり遅れてしまっております。
入荷予定は来年の2月頃を予定しておりますが、大いに前後があり得るとお考え頂けましたら幸いです。


















・・・・・最後に気になるお値段で御座います。
この丁寧な作り、革の良さは何といっても歴史が語っていますね。間違いありません。

お幾らに見えるでしょうか!?


なんと、52,000円+TAX となります。

個人的には激安だと思っています!
これも同社はもとタンナーですから、良質な皮革自体を低コストで入手出来る事は大きな強みです。 とても良心的です。


















・・・・・如何でしたでしょうか。
この鞄は私が欲しくて仕入れた様なものです(笑)。

歴史や薀蓄がまた男のオタク心をくすぐり、トートなのに堂々とダークスーツにも合わせられる鞄です。 何といっても BANK TOTE ですから。
そしてこのお値段!


お気に召して頂けましたら どうかお気軽にお問い合せ、ご連絡頂ければと思います。




皆様よりのご連絡を心よりお待ち申し上げております。
















・・・・・今週も当店BLOGをご覧頂きまして、誠に有難う御座います。

度々申し訳御座いません、来週のBLOG更新はお休みとさせて頂きます。
次回は 12月11日(火) を予定しております。




 では、本格的に冬に入って参りました。
もう普通に寒いです! どうか暖かくお過ごしくださいませ。




posted by 水落 at 09:00| Comment(0) | おススメ情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする