2016年01月19日

【 CASHMERE JACKET 】


 こんにちは。

寒いですね〜
暖冬を味わっていますから格別に感じます。

東京もいよいよ雪が積もるレベルまで降りました。

jp0.jpg


月曜日の朝、お店へ向かう時に撮った写真ですが、
通勤や通学の方々は直撃でしたから大変だった事と思います。



 まだまだ寒いでしょうから、存分に冬の装いをお楽しみ頂ければと思います。





















 さて、今回は CASHMERE ODD JACKET の御紹介をさせて頂きたいと思います。





jp1.jpg


・・・・・・カシミア(カシミア山羊)、

羊毛と比べ毛質は細く、密度は高いのに軽く柔らかい。
保温性と保湿性にも優れ、柔軟で独特のぬめりがある・・・・というのが大雑把な特徴と言えるでしょう。

( 下記ページでも詳しくご紹介させて頂きましたカシミアです。 )
http://dittos.seesaa.net/article/422289775.html

 このページでも御紹介させて頂きましたが、昨年は素晴らしいカシミアのジャケット地やコート地、そしてツィードなどの生地に恵まれました。
( 極一部はまだ御座います。大変お勧めです!)




しかし、カシミアをお勧めさせて頂いておりましたが
私自身は20代前半の頃に既製服を更にSALEで購入したジャケットを喜んで着用していたくらいでしかありません。

秋冬でのスポーティーな装いには、どうしても質実剛健なツィードに行ってしまいますし、何よりカシミアが高価であるという事も否めません。







 そんな折に、
『 もしカシミアJKを自分で着るなら コレが着たい! 』と純粋に思える生地との巡り合いがあり、40代半ばにして 改めてカシミアJKのデビューを果たす決心を致しました。
(出物で安く仕入れられたことも大きいですが、、、。)



 自身で体感してこそ、経験してこそ 説得力ある着用経験を皆様へ自信もってお伝えする事が出来ます。

自分には10年早い、、、等と思っていたら すぐお爺ちゃんになってしまいそうですので、良いタイミングだったのかも知れないと自分に言い聞かせております!


















・・・生地は、英国の とある有名な超高級老舗店の別注であり
織り元は スコットランド 
JOHNSTONS OF ELGIN
 です。
( PURE CASHMERE : 420g )

JOHNSTONS は 1797年創業の老舗であり、カシミアやビキューナ生地生産のパイオニアだそうです。
原毛から全ての工程を自社で行える 今や数少ないメーカーです。

 更には、ロイヤルワラントも保持しているとの事です。

カシミアと言えば、ここはある意味 筆頭とも言える程に素晴らしい所です。
生地だけでは無く、ニットやストールなども展開しておりますので 巷でも目にした事があるかも知れませんね。


jp2.jpg



山吹色とオリーブがかったグレー!?を 平織で料理されています。
織り糸もスーツ地などと比べれば それなりのボリュームがあるので、小格子やピンヘッドの様な雰囲気も感じさせます。

絶妙な色出しや表現、独特のヌメリ感やソフトで優しい感じは本当にたまりませんし、
「これがカシミアだ!」 と言わんばかりの説得力を感じます。















 ネタがこれだけ良いのです。
デザインは至ってクラシックでシンプルに!



jp3.jpg


シングルブレスト 3釦 本返りノッチドラペル
ODD JACKETですとパッチポケットは代表的ですが、思う節もあり あえて切ポケットにして蓋も付けませんでした。

ただし、本当にシンプルでサッパリしておりますので
アクセントにもと 今回は袖口を TURN BACK CUFF で仕立ててみました。














カフやフロント等はとてもウエルトステッチが良い感じで生きています。
遠目ではミシンでも掛かっているかのようですが、一針一針手縫いでステッチを掛けてあります。

jp4.jpg


ラペルや上衿の角はチョン丸に仕上げますが、今回はいつもより少しだけ大きめに丸を仕上げています。
柔らかさや優しさ等の演出に繋がる訳ですね。
自己満的であり、多くの方々は気付かれないかも知れませんが、、、、この様に結構細部に至るまで拘りながら皆様のBESPOKEもお仕立てさせて頂いております!

ただし、これらは仕立てる上では表層的な部分であり 本質ではありません。
力を注ぎ、集中すべくは目に見えない所や、お客様の分からない、気付かない所に御座います。














・・・・・・先ずは裁断、そして いざ仕立てます。
カシミアのジャケット地は、その素材感を生かすべくも 往々にして緩く甘めに織られています。
それが故にも上物用となる訳ですね。

 これら織り(生地)の特徴がある以上
悪く言えば伸びてしまいます。(大抵 縦は安定的であり、横方向へ伸びやすい傾向があります。)



形の成形含め、粘土細工をするかの様に 自在にどうとでもなってしまいます。
それらは ある意味難しさを表しており、安価な服や既製服などは 生地を安定させる為に 安易に生地へ接着芯を貼ってしまいます。

 これは生産効率を含めたお値段を考えれば仕方がない事かも知れませんし、大量生産前提では 貼らなければ まともな服にさえならないかも知れません。

しかし、本来では 接着してしまった時点で その生地は別物に生まれまわります。
それが接着芯を貼ると言う事です。

BESPOKEなど ハンドメイドの服作りでは基本的に接着芯は使いません。



生地の織りが緩い、
緩いからこそ安定性が低い、、、、ではどうすれば良いのか。

素材の持つ個性や特徴を把握し、それを最大限に生かすには!
そして制御すべき所は、生地の特徴を生かしつつ どの様に制御するべきなのか!
( 制御無ければサイズ自体が成り立ちませんよね。 )

融通性高き生地であれば、内側の裏地さえ与えるユトリ加減の操作も必要です。
一貫して それら個性を尊重して仕立てるのです。こういう要素が生地との対話という一部分でもあります。


 物作りはこれに尽きます。
これらが より生きる為には経験値も当然ながら直結する事でしょう。
技術者である以上は一生精進でもあります。













・・・・・・さて、ターンバックカフに触れてみましょう。

オーバーコートでは今でも良く見受けられるディテールです。
ですが、スーツやジャケットの袖口でも頻繁に携えられていた時代があります。

jp7.jpg


ウインザー公やC.ビートン卿なども この仕様で誂えた写真が多く残っており、とても愛用されていた事とお見受け致します。
 今よりかは ずっと一般的なディテールでもあった訳ですね。


 チャールズ皇太子の着用される上着にも!!

jp5.jpeg


jp6.png
















・・・・・・平面の写真では分かり辛いですが、ハンガーに掛けていても立体的に仕立てられている様が見てとれる事と思います。 とれないですかね、、、。

jp8.jpg


この上着の仕立てには もう一つ大きな特徴があります。


 BESPOKE ORDERのお客様方より、最近はソフトで軽い仕立てをリクエストされる声も出てきております。

弊店でのレギュラー仕立て自体も既に結構柔らかめではあると思いますが、私の主観でしかありません。




では、柔らかいといっても どの位!? どのレベルまで!? 芯は!? などなど、、、
やり方や作り方次第でどうにでもなりますので、具体的に(専門的に)言って頂ければ どのレンジでも仕立てる事は基本的に可能ではあります。

しかし、御注文下さるお客様方が
「芯は、、、、組み方は、、、レベルは」などと具体的に説明なんて出来ないものです。
それは当然ですね。



見本となる様なお手持ちの服やサンプルになる服などがあれば良いのですが、、、。


 そういった事もあり、皆様に見て、触って、試着さえ出来得るサンプルとしても
そういった仕立ての上着を自身の服で仕立てる事にしました。

いつだって自分の服は何かしらの実験体であり、サンプルでもある訳です。



ただし、昨今のアンコンJKに見られる様な仕立ては好きではありません。
言いたい事は沢山ありますが、それはさておき!

 見た目は普段と殆ど変わらず、タイを締めても様になる顔立ちである事。
でも着用して見れば なんて軽くてフニャフニャなんだ!! と思って頂けるのではないでしょうか。
( 勿論 弊店レギュラー仕立てを基準としてですが、これは言い過ぎでしょうか(笑)。 )

そうでありながらも、立体的に仕立てられている事!
TAILORED JACKETはカーディガンではありません。



芯の種類や組み方、裄綿や肩パッド含め その他付属類全てにおいても この意図に伴う選定の上、見合う様にまとめて仕立てあげております。

ですが、着心地までは写真では伝わりません。



 この様にサンプルがあれば、
このサンプルより もう少し確りと、もしくは もう一段ソフトに! 等と会話も進む事でしょう。
芯自体の種類も中肉から薄地、麻混やキャメル混など様々に揃えてあります。







カシミアの優しさ、ソフトさや雰囲気を私なりの価値観で最大限生かした仕立てです。

良い意味で、男臭いTWEEDとは対極を味わって頂ける事と思います。
















・・・・・・今回の料理法(仕立て方)ですが、
無から生み出すBESPOKEというカテゴリーでは、お好きなネタ(生地)を決め、その調理法(火の通し加減)さえ 幾らでもリクエストが出来、より個人的で御満足度の高い料理に仕上げる事が出来ると言う事に成ります。





 しかし、無理に変える必要もありません!
私個人では、お客様のご意向が無ければ 進んで今回の様な仕立てにする事は無かったでしょう。 必要性を感じてはいないからです。

されど、味わってみると これはこれの良さがとてもあります!
今はサビルローから移った名店 A&S でも昔からソフトな仕立ては ここのスタイルの1つでもあります。


御自身のスタイルを尊重して下さい。
ポジションがいつもと違うアイテムであれば、たまに味見も良いかも知れません。
 食べてみたら予想以上に上手い! という事だってある訳ですね。



お気軽に何でもご相談ください。
Be Spoken = BESPOKE です!!















・・・・・・今回はこの位にさせて頂きます。
次回は スタイルと共に、より具体的にご覧頂ければと思っております。

 今週もお付き合い頂きまして、誠に恐縮で御座いました。





来週は恐縮ながらお休みをさせて頂きます。
年が明けると確定申告が、、、、、


次回は2月2日(火)となります。


 何卒宜しくお願い致します。

 どうも有難う御座いました。







posted by 水落 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Style | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月12日

【 PADDOCK CUTC 】


明けましておめでとう御座います。

どうか本年も宜しくお願い致します。



hp1.jpg



 御挨拶が遅くなってしまいましたが、皆様はどんなお正月を迎えられましたでしょうか。
とても好天に恵まれたお正月、今年も明治神宮へ初詣に行って参りました。














hp2.jpg


【 PADDOCK CUT 】 シングルブレスト:ピークドラペルのBLACK SUITS

新年 畏まった装いで気を引き締めます。
このスーツも早いもので 気付けば今年で10年選手と成ります。


・・・・パドックカットについて ご不明の方が居られましたら 下記ページをご覧に成られてみて下さいませ。 詳しくご説明させて頂いております!!

http://dittos.seesaa.net/article/418036041.html
(↑ PADDOCK CUT@ )
http://dittos.seesaa.net/article/418783730.html
(↑ PADDOCK CUTA )
http://dittos.seesaa.net/article/423099786.html
(↑ PADDOCK CUTB )









 昨年には HOUSE STYLE ORDER でも新型として PADDOCK CUT が仲間入り致しました。
HSでもBESPOKEでも、お好きな方々よりの御注文を頂いておりまして 心より光栄に思っております。


 今週は、HS ORDERにて PADDOCK SUITS での御注文を下さった方々より、御三方の紹介をさせて頂きます。
















先ずは H様よりのご注文です。
とても英国贔屓で拘り強きH様、お若いながらとても詳しく勉強熱心なお方です。


hp3.jpg


お選び頂きました生地は、昨年のTWEED祭りより グレンストライプをお選び頂き
FLAT CAPを含めて 計4P-SUITS での御注文を頂戴致しました。

http://dittos.seesaa.net/article/426884860.html
( ↑ TWEED FESTIVAL@ )


スラッと背が高いながらもスリムな体形ゆえ、なかなかサイジングでは困る事が多かったようですが これからは御安心下さいませ!!

PADDOCK CUTらしさが滲み出たシャープで綺麗なバランスです。
スラントポケットがとても合いますね。








hp4.jpg


バックはサイドベンツをお切りされました。
拘りの4Pをそのまま御着用されるのも良し、またはTWEEDですから それぞれのアイテムをバラしてコーディネイトされても良し、幅広く着こなしを楽しむ事が出来るのは大きなメリットですね。









hp5.jpg


ウエストコートは衿付き、トラウザースは弊店では珍しい NO-PLEAT です。
細身でシャープなシルエットに仕上げておりますが、勿論確りと吊り用です!

1910〜20年代調のイメージを念頭にと御注文されました。

流石です! H様なりの楽しみ方を、誂えをご堪能頂いております。



hp6.jpg


暖色の裏地も大変似合っております。
今までは どんなにお好きでも、ここまで FIT したウエストコートを着用された事は無かったとも。
これが本来あるべきベーシックな FITTING です!




hp7.jpg


手入れの行き届いた靴、E.グリーンのブーツです。
顔立ちが端正で とてもらしさがありますね。

 因みにTWEEDの生地自体も、ここまで寄ると やっと生地の細かな表情が見てとれます。
赤や緑の重ね格子の入ったグレンストライプ、様々なアイテムと合わせながらドシドシ着てあげて下さいませ。
















次に御紹介するのは、やはり大変贔屓にして頂いておりますH様よりの御注文です。
H様も装いに拘りがあり、個性的な面を併せ持つ スタイルある御方です。




hp8.jpg


凄く綺麗です、、、、。
パドックの特徴が見事に映えたバランス、型紙の精度も高く 仕立ても素晴らしいですね。

PADDOCK CUTがスタートしたばかりの頃、デザイン変換する上では全ての型紙を私自身も個別確認した上で工場さんとやり取りしながら型紙作成をして参りました。

 こんなにも細かく密なお付き合いをして下さる素晴らしい工場さんより生み出されるHS ORDERです。 良いスーツが出来て当たり前です!

hp9.jpg



お選び頂きました生地は、DOUMEUILのVINTAGEです。
ホームスパンのスポーツスーツ地ですが、TWEEDほどハードでは無く 正にタウンユースには抜群の生地です。









hp10.jpg


ウエストコートは、あえてダブルの衿付きを御選択です!
ゆったりとしてクラシックな 2-PLEATS のトラウザースが大変マッチしておりますね。

hp11.jpg


とても綺麗なFITTINGです! ここまで寄ると、生地の表情が見えてくると思います。









hp12.jpg


H様、本当にお似合いで御座います!!
迫力も満点です!



















最後の御紹介と成ります。

笑顔が素敵なI様は新婚ホヤホヤのお客様、やはり英国贔屓でとても拘りがある方です。
ガッチリされた体形の持ち主で、怒り肩傾向も特徴と言えます。

hp13.jpg



秋冬のカントリースタイルでは欠かせぬコーデュロイにて 3P-SUITS をお仕立て頂きました。
I様の頭の中にはウインザー公のコーデュロイスーツが!




hp14.jpg


御納品当日、このスーツに合せたコーディネイトでお越し下さりました。
正にカントリースタイルとしては鉄板の合わせです。
 しかし、渋いですね〜!

 スポーティーなテイストには欠かせぬウエルトステッチ、これは敢えて本縫いミシンによるステッチを掛けています。
こんな細かい所、、、、好きであれば拘り所はキリが無いですよね。




hp15.jpg


サイドベンツの3パッチ、このスーツも色々とバラしてお楽しみ頂けます。









hp16.jpg


ウエストコートはシンプルに衿無し、腰ポケットはスポーティーにフラップ付です。
同じくステッチは本縫いミシンによるウエルトステッチが掛けられています。



 コーデュロイはコットンです。
着用すれば皺にも成ります。 着込めばどんどん柔らかく馴染んで参ります。

クタクタに成りかけてくる辺りが一番格好良いですよね。
それまで着込んで育ててあげて下さい!!

hp17.jpg


















・・・・・・・・・如何でしたでしょうか。
三者三様のパドックスタイルでした。


 余談ですが、冒頭のH様はヘビーローテーションで御着用下さっているとの事。
ある日 この上着を着て とある洋服屋さんに行かれた時、御親切に店員さんより
『 2釦スタイルは下の釦を外した方が良いですよ! 』 と アドバイスを頂いたそうです。

確かに弊店も既存2釦モデル含め、現行のクラシック2釦スタイルは 下の釦は飾りであり留める様に設計されていません。 故に留めるとフロントに歪が生じます。

しかし、PADDOCK CUTは全掛け前提での設計が特徴ですから 全留めが正しくもある訳ですが、このスタイル自体を洋服屋さんでも知る方は多くは無いでしょう。 そういう意味ではマニアックでもありますね!!




御三方それぞれ共通するのは、本当に紳士服がお好きで 誂えを大変楽しまれている事です。

装いの持つ力、もたらす力を良くご存じでおられる事です。

 H様、H様、I様 この度も素敵な御注文を誠に有難う御座いました。














・・・・・・・・・まだ年が明けたばかり、冬物の御注文もまだまだお受け致しております。
同時に今季買い付け分の春夏生地も入荷してきております。

長きを共に過ごせる良きパートナーを探しに 是非お気軽な気持ちでご来店頂ければと思います。



 では、最後と成りますが
今年も皆様におかれまして 幸多き一年に成ります様 心より願っております。

本年も変わらぬ御指導、御鞭撻の程 宜しくお願い申し上げます。


 どうも有難う御座いました。





posted by 水落 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | クライアント様の洋服 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする