2016年09月27日

【 O様の御注文:JK&TR 】



 こんにちは。
週明けより、やっと太陽を感じた気がしますね。


本日は定休日、
その休みを利用し、今日は年に一回の健康診断です。

身体が資本ではあるとはいえ、やはり苦手です、、、、。


















 さて、今週は O様の御注文を紹介させて頂きます。

O様におかれましては随分と HOUSE STYLE ORDER を御愛用して頂いており、
以前 このBLOGにも ご協力、ご登場頂きました。
日頃より大変御贔屓にして頂きまして、心より感謝致しております。


そんなO様ですが、実は今回より BESPOKE での御注文を頂く事になりました。



 O様の個性や好み、そして美意識などを感じさせるご注文を頂いて参りましたが
弊店では初となるBESPOKEでの御注文は如何でしょうか。

















 リクエストはジャケットスタイル、そして生地は質の良いものを!
ライトグレーを考えているので、良いのがあればお勧めして欲しいとの事。


良いもの、良い生地、
この『良い』とは皆様の価値観により本当に様々です。
O様にご納得頂ける為の良い生地、、、、、









こちらでお決め頂きました。

es1.jpg


Raid & Taylor

PURE ESCORIAL




 洋服好きな方であれば ご存知の方も多い事と思います。
希少価値性がかなり高く、お安くはありませんが とても柔軟性に富んだそのナチュラルなストレッチ性、そしてカシミアの様にも感じられるシットリとした肌触りは格別なものです。

http://dittos.seesaa.net/article/227695099.html
( ↑ 以前にエスコリアルについて詳しく触れたページです。)






 このエスコリアルのジャケット地は4-PLYの糸で織られ、原毛細きエスコリアルの良くも悪くも繊細さをカバーしております。

ウエイトは 340g、合い物としてがベストではありますが
着こなしにより真冬でも、そして 寒さ残る春先まで御着用頂けます。





エスコリアル
一般的なメリノ種などのウールと、エスコリアルウールとのスーツを 同じ型紙により仕立てた上で着比べた場合、圧倒的にエスコリアルの方が 動きやすい洋服となるそうです。
これは、縮れ毛が特徴であるエスコリアルの原毛がもたらすストレッチ性によるものです。
(私自身は残念ながら未体験ゾーンです、、、。)




 幾つか貴重な出物がありますので、ご興味のある方は是非この機会に如何でしょうか。

es2.jpg


















さて、前置きが長くなりましたが
O様のご注文された洋服をご覧頂きましょう。








es3.jpg


・・・・・かなり明るめのライトグレー地はヘリンボーン柄となります。
ピークドラペルのパドックカット、生地の雰囲気やラペルの印象により
とてもエレガントで品のあるジャケットとなっております。

上下とのコントラストも凄く素敵です。














es4.jpg


・・・・・シルエットも大変綺麗に出ておりますが、、、
写真を見て 気付かれた方はおりますでしょうか。

この仮縫いは2回目、既に大枠は決まり、微調整を確認する中縫いの仮縫いです。
何と腰ポケットがありませんね!!


「使わないし、いらない!!」

潔すぎます!(笑)  これも誂えならではと言えますね。

クライアント様の為だけに型紙を引き、お仕立てするのです。
価値観と共に、使用勝手まで全て寄り添います。ですが、腰ポケット排除は初めてです!



 実は この腰ポケットとうのは実用的なディテールながら、大切な役割も担っております。
弊店の様にエレガントな強きシェイプを 2面:2ダーツ での裁断で表現しようとした場合、
ウエストの括れから腰回り(ダーツ止り)でのボリュームを ポケットによりKEEPさせているという側面があるのです。

故に、その支えを安易に排除してしまうと 支え無き 単なるドレープの効いたカーディガンの様になり 紳士服たるエレガントなシルエット構成が出来無くなってしまいます。

(上記は、殆どシェイプ無き既製服や こういったシルエットを求めないCUTであれば、そこまで影響はありません。 )





 さぁ、どうなるでしょうか!!












es5.jpg


・・・・・まだ個性的なリクエストがあります。

結構ピッタリ目のサイジングを好まれたO様、確りと立体的に身体に寄り添った綺麗な背中ですが、実はワンピースバック(もとより左右分離されていない後身頃)をご希望です。
(通常は左右の後身頃が、背中心縫い目で結合されています。)

 本来ワンピースバックはボクシーなシルエットに向きます。
リクエストのサイジングやシルエットを構成する上では、純粋なワンピースバックでは許容しきれません。

そこで、背中心に部分的なダーツを入れる事だけお許し頂き、ここまで自然で綺麗なフォルムを生み出す事が出来ているのです。















es6.jpg


・・・・・さて、いよいよお仕立て上がりです。
個人様の洋服ですから、トルソーでの見栄えと、御本人様着用の見栄えでは随分値違う事が分かりますね。


それにしても上品なジャケットです、、、。













es7.jpg


・・・・・ご覧になれますでしょうか。
胸部には通常見られる『胸ダーツ』がありますが、それは大抵腰ポケットが止まりとなります。

 O様は胸も厚く、腰ポケット排除という事もあり 『通し癖』と呼ばれるダーツを採用致しました。

胸ダーツが腰ポケット位置では止まらず、裾までずっと繋がっております。

イタリアの南部で仕立てられる上着には多く採用されている裁断法です。
英国でもかなり古くから伝わる裁断手法の一つでもあります。


 これらディテール(裁断手法)は、求めるシルエットであったり、お客様の体形考慮であったりと
『何をしたいのか、何が一番適するか』と考えた時にチョイスするテクニックの一つでもある訳です。



また、腰骨をホールドしつつ そのボリュームを立体的にKEEPする術は
全て見えない裏側にて適切な処理が施されています。

裁断と縫製、双方での考慮があるからこそ、、、ここまでメリハリの効いたエレガントなシルエットを生み出す事が出来ているのですね。 全てが技術です。



 腰ポケットが無い分、さっぱりとして 余計に生地の個性が引き立ちますが
袖口にはアクセントとして ターンバックカフをお付けに成りました!













es8.jpg


・・・・・見るからに柔らかそうで、肌触りの良さまでも写真で伝わるようです。
クセ取りの施された背中、Wラインから下に生まれるドレープは全てHへのボリュームに繋がり、立体的に包み込む事になります。

NO-VENTですから余計ですね。



es9.jpg


上衿の下、背中心に縫い目が無いのが分かりますでしょうか。
中心の背ダーツは、肩甲骨の高さからヒップの位置まで摘まんでいます。

 腕を前に動かす運動において、肩甲骨を軸にして背中に横方向へと引っ張られる力が加わります。
それを補うのが適正なユトリであり、肩のイセ込みも一端を担います。

その肩甲骨線上に本来あるべき背中心縫目が無いのです。
という事は、このエスコリアルたるストレッチ性を縫い目に阻まれる事無く その性能を背幅分 最大限に有効活用出来るとも言える訳ですね。

 理にかなったデザインへと昇華させる事もやはり技術です。












es10.jpg


・・・・・とても上品で素敵なジャケットと成りました。
O様にもお喜び頂き、私自身も本当に嬉しいです。


es11.jpg



es12.jpg
















es13.jpg


・・・・・背中の中心部に小さな隆起が二つ見えます。

これ、実はブレイシーズの歪みなのです。

トラウザースはハイバックにされています。
通常バランスのブレイシーズでは、背中の支点位置が高くなり過ぎ Y字の左右広がる許容角度を超えると この様に歪が皺となり、表にも影響致します。


 この時はFITTING用にと、お店にあるブレイシーズを使用して頂きましたので、、、、
やはりハイバックのトラウザースには、それに伴うバランスで調整されたブレイシーズを使う事が理想と言いますか、必要となります。
 何事にも適正なバランス、サイジングがあるという事ですね。













es14.jpg


・・・・・O様らしい、、、
裏地は淡い表地に合わせ、薄めなライラック色、そのイメージのままに 袖裏は白×ピンクのロンドンストライプを選ばれました。




O様のアイディアやリクエスト、それを可能とする工夫と技術、
遣り甲斐もあり、とても楽しく考えながらお仕立てしたご注文で御座いました。















・・・・・では下物は?
このエスコリアルに合せるトラウザース地には、
私が一押しの VINTAGE:BEDFORD CORD です!

http://dittos.seesaa.net/article/440402569.html



今は無きミルである TAYLOR & LITTLEWOOD製 
カントリーやワーク系で使われていた大変丈夫なベッドフォードコードを
もう少し使いやすくタウン用として料理し直された生地です。

ハード過ぎる事も無く、皺にも比較的に強く 正にトラウザース地としては抜群に良いです。
勿論スーツにしても 素敵なタウンスーツとなる事は間違いなしです!


es15.jpg




写真を拡大して頂ければ、その独特な畝織りの表情が見えます!

ベージュとグレーの交織、この色目で この素材、
様々な上着にも合わせて御利用頂ける かなり万能な秋冬用ODD TROUSERSになる事でしょう。















es16.jpg


・・・・・お手持ちのODD WAISTCOATやニットベスト、
また 新しく誂え足しても良いでしょう。

3Pでの御着用も考え、ハイバックスタイルでのお仕立てです。
サイドには釦のアジャスターをお付けしております。













es17.jpg


・・・・・赤味のある素敵なブラウンの革、
BESPOKEのサイドエラスティック、これはFITTINGの時にも楽ですよね!















・・・・・如何でしたでしょうか。

本当に様々なお客様がおります。

価値観や個性も様々であり、リクエストの方向性も多岐に渡ります。

 私達技術者の知識やテクニックなどの技術の棚は多ければ多い程よく、それらは全てお客様方のリクエストを最善の形にて具現化する術である訳です。


何をBESPOKEに求めるかは人それぞれです。
しかし、それを最高の着心地と共に、期待値を少しでも超える御満足度を頂けるよう これからも精進して参りますので 何卒宜しくお願い致します。






 O様、素敵な御注文を頂戴致しまして誠に有難う御座いました。
次の三つ揃いも激レアなVINTAGEですね!  是非ご期待下さいませ。














では、今週もお付き合い頂きまして誠に有難う御座いました。

10月はもう目の前、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。






posted by 水落 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | クライアント様の洋服 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月20日

【 H.S ORDER N様の御注文 】



 こんにちは。
昨日は敬老の日という事もあり、3連休だった方も居られる事でしょう。

地元の地区では週末に町内会のお祭りがありました。
盆踊りや模擬店、そして御神輿や山車も出まして
多くのチビッ子達がとても楽しく参加し、大変大盛況だったようです。

 ただ、近隣の他地区では 昨年から、そして今年からと近隣住民による苦情により
こういったお祭りや夏のラジオ体操などが出来なくなってしまった所が出てきています。

子供は次世代の宝であり、どんな方でも子供の頃があった筈です。
私自身も小さい頃は勿論参加していましたし、自分の子供が小さかった頃は参加させて頂きました。 懐かしい思い出です。

こういった行事は支えて下さる方々のご苦労合っての事、やはり残していきたいと願うばかりです。















n1.jpg


・・・・・右側 ダークスーツの紳士、
シングルブレストの上着にダブルブレストの衿付きウエストコートによる三つ揃いです。

ダブルのウエストコートは、シングルの様に裾剣先が無く、ズバッとウエストラインを上下で分断致します。
 その分、トラウザースとの連動性は大変重要でもある訳ですが
ハイライズ(深い股上)に合されたそのバランスは、随分とスタイル良く 足が長く見える効果があると言えます。

何よりもエレガントで大好きな組み合わせの三つ揃いスタイルです。
















 さて、今週は HOUSE STYLE ORDER より
N様の御注文を紹介させて頂きたいと思います。


 素敵にお年を召されたN様は人生の大先輩でもあり、とても魅力的な御方です。
洋服もお好きで大変お洒落な方でもあり、姿勢や体形バランスなどは素晴らしく整われており とても実年齢を信じられるものでは成りません。


滲み出る様な貫禄と威厳、、、
大きな組織を束ねられる代表者でもあり、存在感と説得力もパンパではありません。




 お立場も踏まえ、そんなN様だからこそ
クラシックで仕立て良きスーツは必須アイテムでもある訳です。












n2.jpg


・・・・・流石の着こなし、鏡慣れ、、、全てが御経験であり、蓄積されてこられた賜物です。

お選び頂きました生地は、
TAYLOR & LODGE へ弊店が別注を掛けた オリジナルのGOLDEN BALE シリーズより
グレーのストライプ柄を御選択されました。

http://dittos.seesaa.net/article/434128466.html

n0.jpg





 正にクラシック、間違い無き 最高の三つ揃えです。
着用期間も3シーズンウエイトですので、夏以外は存分にご活用頂けます。

この度は シャツも弊店にてお試し頂きました。
初回からラウンドカラーを御選択される方はそうそう居りません。


上着はハンド仕立てによるオプションも付けられ、HS ORDERでの最高スペックにてお仕立て頂いております。

 胸部のボリュームも綺麗に出ておりますが、その上 肩が確りと『前肩ショルダー』として成形されているのがご覧頂ける事と思います。
 この辺りもハンド仕立てOPの効果が出る箇所でもあります。













n3.jpg


・・・・・N様は小柄な御方ではありますが、ご覧頂いても分かる様に 写真では全然感じられないと思います。

N様の威厳や風格と共に、洋服自体のバランス構成がお身体にとても合っている事は大いなる前提となります。













n4.jpg


・・・・・人生を語る男らしい背中です。
ノーベントを御選択されました。 本当に素晴らしい姿勢です。
私がN様と同じ年になった頃、N様の様に凛としていられるか自信がありません、、、。















n5.jpg


・・・・・ウエストコートはダブルブレストの衿付きスタイルにて。
ゆったりとしたエレガントなトラウザースのシルエットとの相性は抜群で御座います。















n6.jpg


・・・・・バックスタイルも綺麗に整っております。
背中のベルトは排除されてスッキリと!

トラウザースはハイバックスタイルを御選択頂き、尻ポケットは蓋無しで両側にお付けされています。

















・・・・・こんなに綺麗に身体に合ったクラシックスーツです。
その上に御着用されるオーバーコートは正統的なチェスターフィールドコートにて!


n7.jpg



コートはダブルブレストでお仕立てされました。
クッキリと認識出来るウエストのシエィプ無くしてチェスターフィールドコートとは言えません。

今では随分と無視されて 何でもかんでもチェスターコートと言われていますが、本来では チェスターフィールドコートたる重要な定義の一つでもあります。



肩幅から傾斜、アームホールの形状や位置など含め それぞれの左右非対称具合、身体の厚みや前後差、双方ウエストライン(シェイプの位置)の合致性、袖の太さや振り具合、、、、挙げればキリがありませんが、
 全てがインナーの上着より導きだして裁断(設計)されます。

これこそが誂えのオーバーコートであり、TAILORで仕立てる基準となります。

また、今回のコートもハンド仕立てのオプションをお付け頂いておりますが
インナーの上着がそのレベルであれば、やはりアウターのレベルも合されるのが理想です。
 立体感の合致性が違ってくるからです。



 生地は CASHMERE 100% のネイビーソリッド、
膝丈で仕立てられた本当に正統的なチェスターフィールドコートであり、
正にエレガントな紳士たるN様で御座います。













n8.jpg


・・・・・暖かくて最高の肌触り、ずっと、ずっとN様のお共に、、、、。













n9.jpg


・・・・・上衿のベルベットカラーがとても良く映えます。
とにかく正統的で本当にエレガントなコートです!


寒くなるのが待ち遠しいですね。














・・・・・如何でしたでしょうか。

『 仕立て良き クラシックな洋服を身に纏う 』

その意味を、その効果を、そして必要性を、、、
そして 上記に伴う満足感と安心感も含め、少しでも多くの方々にお伝えする事が出来ましたら幸いで御座います。



 いよいよスーツが気持ち良く着る事が出来ます。
タイを外されておられた方々も そろそろ締める事が出来るのではないでしょうか。

クラシックで当たり前な TAILORED CLOTHING を 是非皆様と共に楽しんでいければと思いますので どうか宜しくお願い致します。




 N様、この度も素敵な御注文を誠に有難う御座いました。












 では、また大きな台風が来ており 早くも被害が出始めています。
皆様 どうか十分にご注意下さいませ。




今週も誠に有難う御座いました。





posted by 水落 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | クライアント様の洋服 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月13日

【 SOLARO SUITS 】





 こんにちは。
9月も半ばに入りました。 関東地方は秋雨前線の影響により天候が優れませんが、
その分気温の上昇は抑えられ 湿度は高いものの 随分楽に感じます。















 さて、今年の3月には
英国 SMITH WOOLLENS による 【 ORIGINAL SOLARO 】 の御紹介をさせて頂きました。
http://dittos.seesaa.net/article/434408674.html


so1.jpg





 洋服好きの方であればご存知の事であろう この生地ですが、
イタリア生まれのイタリアらしい生地種であると思われていた方が多いのではないでしょうか。


しかし、実は20世紀初頭に英国のスミスウーレンズによって開発された英国生まれ、
英国発祥の生地なので御座います。

 その生地は、亜熱帯の植民地で働く英国人の為に 英国人が開発した生地となります。
表側はグリーン味のあるベージュ系であり、太陽熱を和らげる効果があるとされ、
裏側にレッド系を用いる事によって光や熱を反射させる効果があると言われております。


時が経ち、イタリアでは SOLARO の交織という部分だけがクローズアップされ、裏が赤ではない様々なバリエーションも織られていますが、本来ではそもそもの趣旨を外れてしまっているとも言えます。


 本来、この SOLARO という生地種は
ファッションという観点では無く、あくまでも実用性を念頭に作り出された 英国の服飾史にも足跡を残す とても重要な生地でもあるのです。






ただし、、、、、この強い日差しを念頭に入れた生地を 正に日本の夏において着用を考えた場合、実用性は高くとも そのウエイトは 355g もありますので、快適に着用出来るレベルでは無いのが現実です。




 スーチングとして 3シーズン用の生地が 300g として基準にすると、
春夏用は やはり200g台ですし、秋冬用となれば 350g以上などは普通でもあります。




355g
折角の素晴らしいこの生地を楽しむには、春
そして敢えて秋冬にも御着用頂くべきだと 皆様にお勧めさせて頂きます。


正に日本ではこれから!
涼しくなってからこそ ご堪能頂くべき生地(ウエイト)でもあり
快適に気持ち良く ORIGINAL SOLARO を味わって頂きたいと思います。















so2.jpg


・・・・・赤い裏側が特徴である同生地、ヘリンボーン柄を確りと合わせながら
いざ裁断です。













so3.jpg


・・・・・英国地らしく、確りと打ち込まれたコシのある大変素晴らし生地です。
こういう生地はとても仕立て映え致します。


裁断が終わり、先ずは身体のフォルムに合わせ 確りとクセ取りを行います。
縫い合わせて行く前に、先ずは平面であった生地を立体へと地の目を動かします。

このパーツは後身頃であり、肩甲骨の隆起している辺りから縦半分に畳んでいる状態です。
手前がネック側、奥が裾側と成ります。

手前から
肩甲骨のボリューム、腰の括れ、ヒップのボリュームへと立体的に成形(クセ取り)して参ります。

生地種や織りなどにもよりますが、ウールは柔軟性に富み 復元力をも併せ持っています。
クセ取りは多少抜けてきますので、予め強めに確りと成形させておきます。













so4.jpg


・・・・・ラペルのロールを一針一針メモリーさせつつ、生地と芯を結合させるのが ラペルのハ刺しです。場合によっては増芯も使います。

地味な作業にも、それぞれに意図があり、縫い糸や縫い方なども違って参ります。













so5.jpg


・・・・・ラペルの裏側です。
ハ刺しは、生地厚の半分位までをすくって縫います。
裏に糸が飛び出してはなりません! ポチポチと足跡の様にすくった跡が見えますね。
 確りと生地を拾っていなければ意味がありませんが、縫い糸が裏に出てしまってもダメです。

故に生地が薄くなる春夏生地程に難しいという事になります。












so6.jpg


・・・・・無事にラペルハ刺しも終わり、次は端打ちテープです。













so7.jpg


・・・・・前後の身頃を脇で縫い合わせ、確りとクセ取りを行い処理致します。
縫代もたっぷりと付いています!

しかし、たっぷりと付ければ付ける程に、
また ウエストのシェイプが強ければ強い程に それら縫代はツレてしまいます。

 これを補う技術も実は縫代のクセ取りなのです。

裁断時は直線であったヘリンボーン柄も
流れる渓流の様に蛇行しているのが見てとれますね。

裁断(型紙)には、その方なりの各所ボリューム分量が加味されて設計されています。
その分量を適切な個所へ促すという事になります。














so8.jpg


・・・・・釦ホールをかがります。
表立った顔に位置する釦ホール、結構気を使いながら丁寧にかがって参ります。

so9.jpg














so10.jpg


・・・・いよいよ仕立て上がりました! ここまで随分と長かった、、、。

正に玉虫色の様な この交織独特の色調、
光の角度や加減で醸し出される色の表情は独特であり、本当に魅力的だと感じます。
















so11.jpg


・・・・・私にとって、やはり前提とすべくは三つ揃いです。
355gの3P、真冬でも十分に御着用頂けます。

ソラーロは裏の赤味が浮き出ますから、暖色であるその赤味は逆に秋冬の雰囲気も十分に感じられるのではないでしょうか!















so12.jpg


・・・・・内部芯は敢えて柔らかくしつつも、
デザインは パドックカット、袖口にはターンバックカフを携え
あからさまに英国的なデザインでまとめてみました。


SOLARO、英国生まれの歴史ある生地ですから
あえて英国らしさを大事にしました。




so13.jpg


この角度は赤味が出ますね。

カフの柄合わせもバッチリです。
袖口をホールドするカフの外回り量は、多過ぎても 少な過ぎてもいけません!
生地の厚さによっても随分変わりますので、こんな所でも目に見えぬ技術が確りと内蔵されています。

 カフは 気が変われば外す事も可能ですし、残布があれば交換も出来ます。
このBLOGでも御紹介させて頂いてからは随分と御注文の増えたディテールです。













so14.jpg


・・・・・このスーツは、GQ様よりお声掛け頂きました撮影でも着用致しましたが、それはそれで企画がありますので 今回の着こなしはシンプルに SOLARO が引き立つ様 まとめてみました。



白いシャツに、ネイビーベースのプリント小紋柄タイ
チーフには3者混の新しいポケットスクエアを!
http://dittos.seesaa.net/article/440857510.html

これ、マットで 薄く、本当に良い感じです。




バス芯(馬の毛を利用した増芯)を敢えて入れていませんが、
胸部の立体感と共に、ウエストへのシェイプに繋がるフォルムは技術の賜物です。















so15.jpg


・・・・・肩は左右同じ様に、かつ自然に乗っていなければ成りません。
私は右肩下がりですが、お分りになりますでしょうか。

左右非対称に仕立てていても、度合いにもよりますが 着用してしまえば殆ど認識出来ない事でしょう。
反面、肩が非対称なのに 服が左右対称であれば、それこそどちらかに歪の皺が生まれる事になります。


上衿はシャツのカラーへ寄り添う様に、、、
身頃と上衿の柄合わせも完璧です。













so16.jpg


・・・・・ウエストコートはシングルの5釦全掛けという
少しOLDなデザインで!












so17.jpg


・・・・・今回の上着は総裏仕立てです。
背抜きにでもしなければ、特徴である生地裏の『赤』は見えませんね。

選択した裏地は、その裏赤さえも彷彿させる
赤×緑の交織ヘリンボーン柄を選択しました。

これは SOLARO にベストマッチングな裏地の一つだと思います!













so18.jpg


・・・・・ゆったりとしたシルエットの 2-PLEATS TROUSERS
後はハイバックスタイルで仕上げ、お尻のポケットは排除してしまい サッパリとさせております。













so19.jpg


・・・・・足元は福田さん製のフルブローグで!

交織の独特ないやらしい感じに、新しく作って頂いたリザードスリッポンなども凄く合いますが、今回はベーシックに。

ソックスについては、トラウザースか靴への合わせが基本とされていますが、
シャツやタイに合わせたり、その他生地のテイストなどに合せたりと チョイスを楽しみ、遊べる重要な小物でもあります。


 良い服に、良い靴、
ソックスは そんなに目立ちはしませんが、かなり重要なアイテムでもあります。
装う事を楽しまれる御方ほど、沢山お持ちの事でしょう!















 如何でしたでしょうか。


 イタリアのスタイルや生地の多くは、殆どの場合 イギリスから来ているとも言えますが、
オリジナルの説得力には敵いません。

勿論 好き・嫌いはありますので、個々の価値観が前提ではありますが、
歴史というストーリーある生地を纏う楽しみと喜びを是非お試しに成られてみては如何でしょうか。






季節柄、ずっと薄くて軽い服を着て参りました。
この打ち込み確りとした秋冬ウエイトの心地良さが新鮮でなりません。


早く寒くなって欲しいです!!




伊のソラーロ風
そして、英のオリジナルソラーロ

英国製の生地でも、スミスウーレンズ製でなければソラーロ風という事になり、サンクロスと呼び名が変わります。

 洋服好きな皆様には是非オリジナルをご堪能されてみて下さい。


so20.jpg



 装いの秋冬、もう目の前です!


皆様のお越しを 心よりお待ち申しあげております。

どうも有難う御座いました。















・・・・・先月には BESPOKE GLOVES の受注会を行わせて頂き、本当に沢山の方々にお越し頂きました。

私の予想を遥かに超える多くのご注文を頂く事が出来まして、本当に心より光栄に思っております。 誠に、誠に有難う御座いました。

 そして同時に、多くの皆様がグローブに対する既成サイズへのご不満が多い事も痛感致しております。
ですよね、、、それが既製サイズという事です。

 今は完全に私の手を離れました。

正真正銘の MADE IN ENGLAND です。
後は CHESTER JEFFERIES のカッターさん含め、職人さん方を信じて待つだけです!!



先日 無事に先方様へオーダー受け取りの確認が取れております。
御注文の9割以上は手縫い仕立てです。 故に少し時間が掛かるとの事でしたが
10月末迄には耳を揃えてご納品したいとの返答を頂いております。


10月末、、、、遅れれば 11月の頭に食い込むかもしれませんが、
この辺りを念頭に どうかお楽しみにお待ち下さいませ。



 何卒宜しくお願い申し上げます。




posted by 水落 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Style | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする