2024年05月28日

【 H様のご注文:H.Lesser&Sons 】






 皆様 こんにちは。
今年の春も 『 至高のシャツ地フェア 』 に沢山の方々より光栄なるご注文を頂戴致しまして誠に有難う御座いました。

至高な着心地を楽しみに、お仕立て上がりまで暫しお待ち下さいませ!


では、この流れでご連絡を二つ お伝えさせて頂きます。








【 新作:Dittos.TIE 】



現在 仕込み中であるクラシックな当店オリジナルタイの新作ですが、最終的な仕立て工程で少し遅れが出ております。
 来月の6月中旬までには仕立てあがる予定ですので、改めて当BLOGでもご紹介させて頂きたいと思います。

今回もご期待ください、かなり自信が御座います!
仕込んでいる私自身が一番楽しみになっておりますが、、、(汗)。






【 東洋経済 ONLINE 】



博識で多彩な才能を持ち、服飾研究家の肩書を持たれる 飯野 高広さん。
靴やスーツの本も出されマルチにご活躍されておられますが、今回は東洋経済さんでお仕事をされました。
 大変光栄にもお声掛け頂き、微力ながらもご協力させて頂きましたが 当店の事もご紹介して下さりました‼ 
飯野さん、どうも有難う御座いました。

是非皆様もお手隙な折にでも覗かれてみて下さいませ!
写真も豊富ですよ。

≪こだわり叶える「オーダースーツ」失敗しないコツ≫


東洋経済 ONLINE




















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・・・・・非の打ちどころなきエレガントなG.クーパー氏。
三つ揃いのダークスーツはノッチドラペルの本返り3釦。
氏の恵まれた体型の良さはさておき、完成されたクラシックなカットは正に黄金比率で構成されたスタイルです。
 全てにおき目立つところなく、強いて言えばこの写真は40年代ですが タイなども含め、その時代『らしさ』という特徴は見受けられます。

ゴージラインは襟ぐり線であり、高すぎず、低すぎず、ラペル幅も広すぎず、狭すぎず、、、、
釦位置やポケットの位置含め全てが美しく調和しています。

その優雅なシルエットと佇まいには とても品があり本当にエレガントですね。













 さて、今週は M様よりご注文頂きました 3シーズン用のクラシックなスーツをご紹介させて頂きたいと思います。

スーツがお好きな事もあると思いますが、お仕事を通じ いつもクラシックでエレガントな装いを嗜み、同時に清潔感や品の良さまで感じさせる着こなしや笑顔が素敵な顧客様です。
 しかし、その柔らかい笑顔とお人柄とは裏腹に、お身体は男らしくて逞しいご体型をされています。
お若い頃より長きに渡り武道に勤しみ、骨太で如何にもパワーがありそうなM様で御座います。

今回はどんな生地を選ばれたでしょうか!













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H.LESSER & SONS


LIGHTWEIGHT

FINE WORSTED SUITTINGS

11/12oz




名門の名に恥じぬ格調高き最高のコレクションを静かに展開し続けています。
 当店BLOGをお読みくださる方々であれば、もうご説明はいりませんね。

http://dittos.seesaa.net/article/499684657.html
【 FOR THE DISCERNING MAN 】


ウエイトは大体 350g であり、やや秋冬寄りな3シーズンスーチングです。
品質の良さは言うまでもなく、私が一番信頼しているマーチャントでもあります。

英国では、同社では350gレベルでも軽量級の扱いですが、
日本で考えれば着用期間が一番長く楽しめるシリーズであるとも言えます。

 これまたクラシックなバーズアイに ブルーのウインドーペーンが重ねられています。













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・・・・・M様はこのスーツが 当店BESPOKE としては4着目となりますね。
House Style Orderよりステージアップされ、既に一通りお持ちですから 今ではじっくりと吟味を重ね、BESPOKEでの最高ステージを最高の生地で味わっておられます。










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・・・・・今回のウエストコートは襟付き、そして腰ポケットのみフラップ付きをご選択されました。
格子柄が重ねてあるので、そんなところも加味して軽く『外し』を入れられているのかも知れません!

しかし逞しい、、、胸の厚さが違います!










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・・・・・チケットポケットを携えた3釦の本返り ノッチドラペル。
デザインや仕様などで遊ぶ必要は全くありません。
この極上な生地が活き、ディテールもアピールする事なく G.クーパー氏のスーツの様に着る方自体を引き立てるスーツでなければクラシックではありません。

この度も本当に素敵ですね、お似合いで御座います。













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・・・・・広くて逞しい背中、イセ込みもたっぷりと内蔵しています。
立体的な肩甲骨を包み込むと同時に、背中のユトリは機能性にも直結します。
適度な遊びは必ず必要であり、人間の優れ過ぎている関節や筋肉、皮膚などに生地自体が対応・追従しきれないからです。
スーチングはスポールウエア地の様にストレッチ性が基本的にはありません。
 最近は意図的に持たせた生地も少なからずありますが、、、
個人的にはクラシック範疇には入れたくないですが時代の流れもありましょう。


ではM様、微調整を加えてFINISHへと進行させて頂きます。













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・・・・・さて、お仕立て上がりです。
クレリックシャツがとてもエレガント、ブルー地がウインドーペーンと馴染みますね。
小紋のグリーンが効いていますが、実はブレイシーズとも!


深き股上、最近はファスナーフロントがお気に入り。
前中心は縫われているかのように、前端が巻き込まれているかのように内巻に仕立てられています。
 これは縫製工場さん製では無理な技術であり、手作りだからこそのクオリティーでもあります。

やはりファスナーフロントは圧倒的に楽ですよね!













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・・・・・黒のパンチドキャップ、Best of the Bestな一足です。
紳士たるもの先ずは黒靴、頼りになる黒のオックスフォードはマストです。
皆様のマストは如何でしょうか。

因みに、見えるでしょうか、、、、。
トラウザースの前後にはクリーズライン(折り目)が付けられます。
 裁断時、そのラインに格子の縦縞を拾うのは一番安易であり、仕立ても楽ですが美しくありません!

格子柄の縞自体を拾うのではなく、格子柄(マス)のセンターに通すのが美しいのです。
これにも理由があるのですが、普段気にされたことなど無かったであろう格子柄の裁断レイアウト、、、
これも上着など含め どこで、どの様に裁断されているのかで その服のレベルやカッターの美意識が垣間見る事が出来るかも知れませんね。












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・・・・・ご当日 着用されてこられたブレイシーズを拝借させて頂いております。
股上は以前と同じ寸法ですから そのままBESTでお好みな吊り具合になります。
が、ほんのちょい吊りすぎ⁉ なのでもう少しブレイシーズで調整しましょう!
少しだけ、、、M様は結構上げられる傾向にありますよね。

バックはポケットもアジャスターも排除され、既製服では有り得ないディテールを削ぎ落されたバックスタイルでしょう。













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・・・・・素敵です!
シャツのカラーはラウンドをお選びでしたね。

このスーツの裏地はシルバー、私も大好きな配色です。


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・・・・・この度も凄く素敵です!
本当にスーツがお似合いであり、それだけスーツがお好きで着用されて来られたキャリアが着こなしにも出るというものです。

本当にエレガントですね、M様 改めて素敵です。



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・・・・・すみません、、、、またオートフォーカスなのにピンボケ、、、。










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・・・・・素敵な笑顔を頂戴致しました。
H.Lesserの生地は絶対に裏切る事はありませんし、クラシックで当たり前な生地こそ H.Lesserであれば間違いありません。

 M様、この度も素敵なご注文を誠に有難う御座いました。













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・・・・・実はこの時のご注文も2着同時進行で御座いました。
もう一着のスーツは王家の羊、、、、、またのご機会に!!


















・・・・・如何でしたでしょうか。
M様は夏でも常に三つ揃いをご着用されます。

お仕立てで少しでもお役に立てるよう ウエストコートはバックレスもご愛用されています。

そんなスーツがお好きな方に御贔屓にして頂けるという事は本当に光栄な事です。
スーツたちも更に寄り添い、掛け替えなき相棒となって参ります。

スーツに限らず是非 TAILORED CLOTHING をお楽しみ頂けましたら幸いです。
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。













・・・・・誠に恐縮ながら、来週のBLOG更新はお休みとさせて頂きます。
次回は 6月11日(火) を予定しておりますので、どうか引き続きよろしくお願い申し上げます。







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2024年05月21日

【 K.モヘア混 / S様のご注文 】






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 皆様 こんにちは。
まだ5月だというのに 好天になれば夏の様に気温が高くなり、日中はTシャツ姿の方もお見受け致します。

暑すぎず 寒くなき 清々しい春をもう少し楽しみたいですよね。
春夏用にとご注文頂いております仮縫いは 早くフィニッシュしなければ!














 さて、今週は長きに渡り御贔屓を頂戴しております S様よりご注文頂きました
春夏用のスーツをご紹介させて頂きたいと思います。

S様はとてもお控えめな御方で洋服は大変ベーシックな色柄を好まれます。
洋服は私にお任せ下さり、靴は福田さんの所で誂えられ いつも羨ましいコレクションを拝見させて頂いております。


この度は どんなスーツを、生地をお選びになりましたでしょうか。
















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BOWER ROEBUCK


70% S'100 WOOL

30% KID MOHAIR


ABOUT 260g




英国製 老舗のミルが織った平織のトロピカルスーチング。
そこに春夏地らしく キッドモヘアをブレンドしていますが、混率はやや控えめで珍しい混率です。
 多くは6割くらいで主体がキッドモヘアとなりますが、こちらはウールが主体でモヘアのハリ・コシや清涼感が加味されているといった感じです。

春夏用といえど 色は薄すぎないミディアムグレー、S様の一番落ち着くところですね!
















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・・・・・長きに渡りお付き合いさせて頂いておりますが、大きな体型変化もなく素晴らしい事ですし、羨ましくもあります。

この度は三つ揃いのスーツであり、トラウザースはいつも 1-PLEAT でシャープなシルエットを好まれております。

アダムレイの小紋タイ、、、御愛用下さり どうも有難う御座います!















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・・・・・黒のスェード、ヌバック!? ビロードの様に見える程 品質の高さが窺えますね。
サイドエラス、、、いつかは履きたい靴でもあり、スリッポンだからこそご自身の足に合ったFITTINGが要ですね。
 しかし黒でこの革をご選択というあたりが渋くてS様の靴好きが感じられるようです。


トラウザースの裾は仕上げ時に確りと折り返し付きにさせて頂きます。












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・・・・・衿なしの 6釦5掛け、一番ベーシックなスタイルです。
トラウザースとの連動も綺麗ですが、ややタイト気味⁉

ほんの少しだけ お身体が大きくなられたとの事でしたが、確りと調整しますのでご安心くださいませ。

S様は肩がとてもガシっと確りされておられ、逆三角形なご体型が逞しいですね。
















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・・・・・上着は S.B ノッチドラペルの3釦、ラペルはいつも段返りをリクエスト頂いております。
チケットポケットを携え、誇張されるディテールも皆無に大変ベーシックでエレガントです。

これくらいのウエイトとなれば やはり着てても軽いですよね!
では微調整を加え仕上げて参りますので 是非ご期待くださいませ。



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・・・・・突然のフランネル、急にPOSTBOY型のODD WASITCOAT!
実は追加で誂え足しのご注文も頂戴致しまして、この度は同時進行させて頂きました。

以前に このフランネルでクラシックな三つ揃いをお仕立て頂いております。
同じミル製のフランネルですが厳密には違う生地ではあります。

しかし、色味と良い、起毛具合と良い、縮絨加減と良い、かなり似ていて遜色ないとの事で敢えてPOSTBOYスタイルでのウエストコートを加えられ、都合4P-SUITSにされました。



















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・・・・・いよいよお仕立て上がりです。
S様、ヴァンナーズのタイ、、、重ね重ね御愛用頂き 誠に有難う御座います。

偶然かも知れませんが、この日のエレガントな鉄板コーデにミッドグレーのスーツが本当に良く映えます。
 皆様もご存じの様に、ネイビーとグレーは本当に仲良しです。



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・・・・・なんとお洒落な、、、、外羽根のフルブローグは絶妙なカラーで!
何色と言い難く、魅力的な陰影も利いたコチラ、実はブラックのカーフを色抜きしてこの表情を出されているそうです。

アンティーク感も漂いますね!
スーツに同じく、新しい靴の仕立て上がりも もう直ぐとの事、楽しみですね。
















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・・・・・タイト感は無くなりましたね!
いつも通り とても素敵で御座います。

アルバートチェーンホールも空けられ、使わずとも良いアクセントとなります。
テーラード好きな御方であれば直ぐに気付くでしょう。















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・・・・・モヘアの混率も低めなので、独特な光沢感も控えられ 凄く落ち着いた雰囲気ですね。

いつも通り、S様らしさが滲むエレガントさであり本当にお似合いで御座います。
ラペルも段返りな分 ウエストコートの顔見せ具合も変わります。

あるべきクラシックなバランスで その方の三つ揃いの型紙を引けば、ウエストコートの顔出し具合というのはお身体のサイズに関係なく同じようにまとまって参ります。
 3釦本返りだと WCの釦は 1〜1.5個くらい見えるのがクラシックで美しいバランスとされています。
 であれば、段返りであればもう少し見えますし、2釦であれば更にもう少しWCが顔を出します。

あるべき美しいクラシックなバランスとは長きに渡り 既に黄金比率の様な感じで完成されています。
そのクラシックなバランスを崩したり、再構築したりするのがファッション(モード)と言えます。
国内だけではなく、今では本当に様々な世界中のスーツが気軽に見る事が出来るので比べてみると面白いと思います。



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・・・・・フランネルのウエストコートもお仕立て上がりです。
都合4P-SUITS ですから、釦も裏地も全て三つ揃いに準じます。


グレーフランネル、、、、やはりパワーと魅力に溢れていますね。
POST BOY STYLE 見惚れる格好良さですよ!
着丈も長い分、脇のスリットも長めに設定されています。


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・・・・・以前に仕立てられたフランネルの三つ揃い、当時に撮らせて頂いた写真です。
この時も3釦段返り、袖口にはカフもお付けになられましたね。














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・・・・・御愛用下さっているであろうフラノのスーツも、今期AWより 新しい着こなしも楽しめ、このスーツ自体も旨味が更に増しましたね!
寒くなったら是非デビューされて下さいませ。


















・・・・・如何でしたでしょうか。
顧客様より頂戴しております数々の洋服たち、どれもこれも想いや願い、狙いの詰まった掛け替えなき ONLY ONE の服達です。
 どのご注文も羨ましくて、、、丹精込めてお仕立てした服達は顧客様方のもとで活躍されている事でしょう。

S様の様に 服も靴もBESPOKEを嗜まれる方は多くは御座いません。
経済的な問題もあるでしょうが、手作りでなければ到達できぬ水準が、満足が そこにはあります。

BESPOKEの文化が皆様の様な方々に支えられ、末永く残りますように、、、、
職人側も精進を怠らず日々プライドをかけ1点1点の仕事と向き合って参ります。


どうか引き続き 宜しくお願い申し上げます。







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2024年05月14日

【 2024春夏 / お勧めファブリック 】






至高のシャツ地フェア


〜5月23日(木) まで




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・・・・・昨年2023年のフェア受注分 極一部のお仕立て上がりをご覧頂きました。
(一部 今年の在庫には無い生地も御座います。)
ご注文下さった顧客様方はどんなコーデで楽しまれておりますでしょうか。


フェア期間も後半となって参りました。
世界最高峰の生地で仕立てられたシャツ、日々頑張っておられる皆様ご自身への至福なご褒美としても如何でしょうか。

 年に一度のお祭りで御座います、是非ご参加いただけましたら幸いです。




















 さて、G.Wも終わり いつもの日常が戻って参りました。
5月も半ばで夏日を記録する日もあれば、好天は長続きせず雨で急に冷え込んだりと不安定で春らしくもありますね。


今週は春夏シーズンにおき、期中追加での買い付けた素晴らしい生地が入荷しておりますので 是非ご紹介させて頂きたいと思います。














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・・・・・御仁方それぞれに とてもエレガントで魅力的なスタイルです。
ダブルブレストのスーツはクラシックなストライプにも関わらずパッチポケットというのも珍しい。

左から 2番目、ドネガルらしきホームスパン(ネップ)調な生地ですね。










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・・・・・おっと、一番右側の紳士も同じく ドネガルライクなスーチングがスポーティーで素敵!













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・・・・・秋冬のカントリースタイルには欠かせぬツィード、その種は多岐に渡ります。
IRISH TWEEDの括りで見れば 頭に浮かぶのは DONEGAL TWEED ですよね。

http://dittos.seesaa.net/article/441063577.html
【 DONEGAL TWEED 】


ツィードらしく野趣に富んだ紡毛、全てではありませんが その多くはカラーネップが散りばめられているのも『らしさ』溢れる魅力の一つです。

 その大好きなカントリースタイルはどうしても秋冬の装いがメインであり、春になって暖かく成れば 存分に楽しんだツィード類はお休みに入ります。
 これがまた どことなく寂しかったりしませんでしょうか、、、。

そんな方々にこそお勧めでもあり、春夏でもカントリーライクでスポーティーな装いを楽しまれたいですよね。
それが私個人でもあります(笑)。

 正に『ドキッ!』 と一目惚れしました。


















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・・・・・なんて涼しげで爽やかなのでしょう、、、。
まるで ラムネ入りでソーダ味のアイスキャンディーみたい!

白い砂浜、アイスブルーの海、スカイブルーの青空に白い雲、、、
これもアースカラーであり、ナチュラルカラーですね。


= SUMMER DONEGAL =


春夏でもサマーツィードの類は細々と存在するのです。
色味と良い、この涼し気なネップ具合と良い、スラブ糸が雰囲気満載です。

 平織地で通気性も良く、この生地の主体は COTTON なのです!










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STANDEVEN




 1885年 英国は西ヨークシャー ブラッドフォードにて創業した老舗のミルです。
今では大きな母体であるラグジュアリーファブリックスというグループに属しています。
その大きな母体では名立たるミルが名を連ね、梳毛系は W.ハルステッドやJ.フォスター、C.クレイトン、R&テイラーなどが属し
紡毛系ではカイノックやJ.エリスまでもが属しておりまして ほぼ大抵の生地種は同グループ内で網羅し展開する事が可能です。

エスコリアルは今でも生産を続けられていますが、昔から多くを扱ってきた歴史あるR&テイラーの固有名は見なくなりました。
 同グループ内より展開されていますが、それぞれが名を刻んだ固有ミル名はだんだん見られなくなってきています。

この素晴らしきサマーツィードもカイノックかJ.エリス製でしょうか⁉
生地ネームは S.イーヴンが代表して、、、といった感じかも知れませんね。


まぁ とにかくご覧下さい、
見た目は冷たそうで美味しそう(笑) 引き込まれますよ!



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SUMMER DONEGAL


48% COTTON

25% SILK

10% LINEN

10% WOOL

7% NYLON


270g〜300g




・・・・・なんと 5者混なサマーツィード、欲張りすぎで混ぜすぎな5者5葉
まるでイタリア製かのようなブレンドしまくりですが、ご安心ください 確りと英国製です。


肌触り優しく、素朴で柔らかくて誰もが安心・大好きなコットンを約半分と主体に
シルクが1/4 シルクはお肌に近いアミノ酸を含んだタンパク質繊維で出来ているので やはりお肌にも優しく、通気性がありつつ保湿性も兼ね備えます。
 冬は温かく、夏は涼しい素材でもあり 往年のシルクシャンタンを彷彿させてくれます。
贅沢ですよね!

更には放熱効果が高く、清涼感溢れるリネン、やはり春夏には欠かせません。
そして柔軟性や復元力さえも持ち合わせるウール、そしてラストには個性溢れる役者達をまとめ上げ、安定性と耐久性をも兼ね備えさせる為にナイロンが使われているという事になります。
 ナイロンは正に陰の立役者、目立たず控えめに仕事をしています。



写真では伝わりませんが、見た目よりかなり軽く、春夏用のザックリ系生地と同じくらいのウエイトしかありません。
改めて見た目より薄く通気性も良い、織密度はさほど高くはないので よりソフトな着心地を楽しめます。
 主に上物主体とも言えますが、ナイロン君も参加していますし あまり細いシルエットにしなければ下物もOKですからスポーツスーツとしてもお勧め出来ます。

お好きな方は これで春夏用プラスフォワーズなんて最高です!














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・・・・・立体感、存在感が素晴らしく、色味は最高に涼し気で正にサマーツィード。
SUMMER DONEGAL な逸品であり、かつ出物ですからお財布にも優しく なんて優等生な子なのでしょう、、、。

私が一番最初に一目惚れしたので 恐縮ながら完売前に自身分をKEEPしようかと目論見中!












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・・・・・この紳士もサマードネガル?
アウターが薄い色味だからこそ、インナーな濃いトーンで!
 正にセオリー、皆様も是非如何でしょうか。

これは間違いないです、ある内に手に入れておいてください‼





















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・・・・・季節を問わずスーツは必須であり、前提であり、掛け替えなきスタイルですが
春夏では上下バラバラにODD STYLEが増える方々も多い事と思います。

そんな方々へお勧めなジャケッティングを2種 ご紹介させて頂きます。

これらも凄く良くて かなり優秀な子で確りと魅力のある個性を感じさせてくれます!











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HOLLAND & SHERRY




高級で幅広きその展開は正に一番のマーチャントと言えるでしょう。

VINTAGEと呼ぶには そこまで古くはないOLD STOCKな逸品です。
ちょい古なネームからも時代が分かりますね。











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HOLLAND & SHERRY


NEW FRESCO

SUPER 100‘s WORSTED


About 220g




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・・・・・所謂 フレスコ織りなクラシック生地です。

アイボリー(写真はかなり白っぽく見えています。)とブラックでの小格子をフィールドに
黄と橙で重ねたウインドーペーンは意図的なタッターソールチェック調でもあります。

この色味に目は引かれますので、遠目にはややベージュよりな色味に感じられます。
各写真では、ベースのアイボリーがかなり白く見えており、実物はもう少しくすんだライトベージュの様な感じとなります。











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・・・・・一見 なんかオジサン⁉ くさくて あか抜けない感じ、、、
それが一番の魅力なのです‼
トレンチコートで有名な英国の老舗アパレルメーカーが80年代前後に陳列されていたODD JACKETにありそう‼  それが逆に新鮮でクラシックでもあり激渋で本当に格好良い。

 これをおやじ臭く見えたら 一般的な感性の方々ですかね(笑)。
逆にこれが新鮮に見え、むしろ連れて歩きたい衝動に駆られてしまう貴殿はコチラ側の方かも知れません(笑)。

渋い、、、冴えない、、、地味なのか派手なのか、、、
おっさん臭い⁉ 上等です、これを最高に格好良く着こなしてみたくなりませんか。
フレスコですから通気性良く、皴にも強く、かなり軽めなライト級ですから涼しくて快適で御座います。

この往年の貫禄を感じさせてくれつつも、仕立ては昨今のアンコン仕立て、、、、
こんな料理法も乙だと思います!













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・・・・・格子の黄 を拾い、敢えてイタリアンなレモンイエローのコットントラウザースで!
おっさんが若い子を連れているような、、、
それも良しです(笑)。

http://dittos.seesaa.net/article/499036397.html
【 パステルなコットンツイル 】























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DORMEUIL



70% WOOL

30% SILK


About 230g





・・・・・クラシックなグレナカートチェックの派生バージョンですね。
ジャケッティングらしくスポーティーに色味も添えられ、豊かさが増されています。

シルクの特性はサマードネガルでお読み頂きました。
私がまだ修業時代な頃、ご年配の紳士方は春になればシルクのODD JKを仕立てられていました。

シルクが100%の場合はデリケートな側面も持ち合わせますし、とにかく薄く、キュッキュと絹鳴りが聞こえてきそう、、、大変贅沢な生地です。

仕立てもかなり難しい生地ではありますが、こちらはシルクが30%で『らしさ』をブレンドした生地と成りますから大変扱いやすくもあり、着心地も最高に良いでしょう。
 ブレンド生地の大いなるメリットです!


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・・・・・このボルドーがグレー地に映え、強過ぎず 弱過ぎない塩梅がお上品です。
ベースはグレーですから下物もインナーも なんでも許容してくれるのでコーデのし甲斐がありますね。
 シルクの艶、ドレープをお楽しみ下さい!



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・・・・・夏場でも 三つ揃いを愛用される方々におかれまして、オッド・スタイルであれば インナーのウエストコートも楽しめるというものです。

そんなアイテムにお勧めな生地、これは私のお気に入りであり 心底お勧めです。



BATEMAN OGDEN

50% WOOL
25% COTTON
25% LINEN
280g〜300g



 平織地で通気性も良く、動物性繊維と植物性繊維が半々でブレンドされ 双方の良さが楽しめます。
薄くて何よりもカラーバリエーションが豊富である事、流石はマーチャントですね。

格子の色を拾うのも良いですし、様々に色をお楽しみ下さい。
(バンチの下、左にドーメル/右にH&S)








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・・・・・ブルー系の色味はやはり涼し気ですね。
真ん中のライトブルー、これでODD WCを仕立てると、、、こんな感じに!
このお勧め生地で仕立てられています。



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・・・・・トラウザースとしまして、先ずはグレーでのウール系はマストです。
色味も、織りも、ウエイトも 様々にご用意がありますので是非吟味されてみて下さい。

上下でもバランスを加味し 上着がそれなりにライトトーンであれば
下物はミディアムからダークなどと 上下でのコントラストを意識されると美しいバランスで成り立つでしょう。

上下での生地のパワーバランスや、皴への考慮、耐久性など
下物には下物への価値観が必要です。


こんな感じで是非とも ≪ ODD 3P ≫ をお楽しみに成られてみては如何でしょうか。
既にお手持ちのワードローブも きっとお役に立つ事と思います。




















・・・・・如何でしたでしょうか。
今回のお勧め生地は 個人的にかなりのお気に入りで御座います!

是非 現物の生地へ会いに来て頂き、その個性や魅力を直に味わって頂きたいです。
 皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。










posted by 水落 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 生地について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする