2024年08月27日

【 王家の羊:T様のご注文@ 】







 皆様 こんにちは。
8月も後半に入りましたが、今年は酷暑に加えて台風も多く、ゲリラ雷雨など厳しい夏が続いております。

 そんな折では御座いますが、店頭の生地は秋冬地に入れ替えが済んでおります。
地厚なスーチングからコーティング、ツィードやカシミアなど温かそうな生地に囲まれております。






1te.jpg




10th ANNIVERSARY SUITING

= PINHEAD STRAIPE =


100% GOLDEN BALE WOOL

320g



Weaving by TAYLOR & LODGE








・・・・・最高の品質を誇る生地にて エレガントなシングルのピークドラペルで誂えられた三つ揃い。
夏以外での3シーズン用と着用期間も一番広いウエイトです。
 これ以外にも10周年記念生地は御座いますので、いつでもお気軽にお問い合わせくださいませ。

この記念生地を織ってもらってから早くも5年、初回(5周年)よりミニマムロットが増えていて沢山織って頂きました。
 記念生地ゆえ皆様へ感謝も込められた特別なお値付けながら、生地は年々上がりますので その分この記念生地自体が年々安くなっている⁉ とも見えてしまいます。

今となっては T&L製である事、そして同社の織り上げたG.BALEの生地はもう手に入りません。
大変貴重な生地にもなってしまいました、、、が、宜しければ無くなってしまう前に是非お勧めで御座います。


2te.jpg
























3te.jpg



・・・・・仲睦まじきお二人の素敵な写真です。
ウインザー公はお気に入りのパドックカットで裁断されたスポーツスーツ。
腰ポケットは傾斜のみならず三日月の様なカーブ線で仕立てられています。










4te.jpg



・・・・・このスポーツスーツも公が愛用していた一着であり、オークションにかけられました。
上記に同じく パドックカットにクレセントポケット。
こちらは胸までフラップ付きで仕立てられていますね。





 さて、今週は長きに渡り大変な御贔屓を頂戴しております T様のご注文を紹介させて頂きます。

T様はご遠方な事もあり、基本的にはお盆と年始の年に2回の御来店がマストです。
故に仮縫いや御納品についてはイレギュラーなご対応もさせて頂いております。
この度は 【 王家の羊 】で織られた ODD JACKETを2着、ODD TROUSERSを1着にてご注文頂きました。

 それぞれに個性も反映された素晴らしい上着を2回に分けてご紹介させて頂きたいと思います。

















5te.jpg




Joshue Ellis


PURE ESCORIAL

About 350g




【 ESCORIAL : JACKETING 】




・・・・・モノトーン構成のクラシックなバーリーコーン柄。
カシミアの様なしっとりとしたタッチとナチュラルなストレッチ性の高さが特徴であり、されどウール100%という独特な希少小型羊は、スペインのエスコリアル宮殿内で飼育されていた事からエスコリアルと名付けられており 王家の羊 と言われる由縁となります。














6te.jpg



・・・・・仮縫いが組み上がりました。
T様は背が高くてスリムな御方であり、服からもT様らしさが滲み出ています。
パドックカットにクレセントポケットはチェンジ付き、素敵ですね。
 バーリーコーン柄のサイズ感も程よく、大変魅力的な顔立ちをしております。


7te.jpg














8te.jpg



・・・・・正面から見れば至ってシンプルな趣ですが、実は背中をご覧下さい!
バックベルトを付けられました。
1930年代の辺りではスポーツスーツやジャケットなどにみられるバックベルト付きのピンチジャケットの類は有名ですが、大抵の場合ベルトは後身頃に縫い付けられ 固定式です。

今回はそのバックベルトを『 フラシ 』=(独立させた状態)の仕様に致しました。

お気付きになられた方もいらっしゃるかと思いますが、オーバーコートでは今でも見受けられる仕様ですね。
 カフも含めオーバーコートはジャケットより古な仕様が残っていると言えます。

ではジャケットでは、、、別に新しく生み出した仕様ではありません。
昔から大変お洒落な貴族や芸術家、資産家などの顧客層の様々な注文を支えてこられた職人の優れた先人達により 大抵のデザインや仕様は既に試されているのです。

誂えから大量生産へとシフトしていく時代の流れによる過程におき、手間のかかる仕様や個性的なディテールは無下に排除されて参りました。

 背中にユトリを加え、それを中胴のベルトで程好く絞り込み 脇で固定されます。
そのユトリは優雅で美しいドレープを生み、正面からでは分からぬ色気たっぷりなバックスタイルを演出してくれる仕様の一つです。

軽くソフトなエスコリアルを尊重すべく、ベルトも厚み最小限で縫代の段差さえ感じさせぬ仕様で作りました。


9te.jpg













10te.jpg



・・・・・こう見るとカーブで描かれたポケットが分かりやすいですね。
正面から見ると単純なスラントポケットにも見える訳です。














11te.jpg



・・・・・イラストの紳士の様にお気楽な着こなしも似合う魅力的な生地であり、何色でも許容してくれる懐深きグレーは落ち着きと上品さを併せ持ちます。

 今回 T様の仮縫いはイレギュラーにご自宅へお送りし、お自身で着用確認をして頂きました。
イレギュラーではありますが、もう既に何着もご納品実績があり型紙精度が高い事、時間的な側面により仮縫いを省かないまでも一応確認して頂きたい、、、、。
今年の年始は理由あって御上京出来なかった事もありましたので、T様のご要望と信頼関係があるからこそ成り立ちます。

T様には御自宅で着用され、ご意見と共に写真をたくさん送って頂きました。
2着注文の内 こちら側はインナーにハイゲージなニットなどを重ね着するとの事でしたので、ご意見を反映させ中胴回りの寸法を少しだけ増やしつつ 確りと仕上げに向かいます。



















12te.jpg



・・・・・いよいよお仕立て上がりです。
かなりお上品なオーラが漂い とても美しい、、、。

スポーツジャケットの見た目に反し、格別なエスコリアルの着心地を是非ご堪能頂きたいです。



13te.jpg



14te.jpg



15te.jpg



16te.jpg




















17te.jpg



・・・・・今年のお盆にはご来店頂く事が出来まして、誠に有難う御座いました。
では早速ご試着頂きましょう。

吊り用の ODD TROUSERS ですが、今は無きTaylor & Littlewood が織り上げた
VINTAGE:BEDFORD CORD です。

ウールの細畝コーデュロイといった雰囲気であり、かつ交織で織り上げられている逸品です。
昨年もお仕立てになり、大変お気に召して頂き この度は色違いのお代わりで御座います。


http://dittos.seesaa.net/article/440402569.html
【 VINTAGE BEDFORD CORD 】

こちらは同じ生地で色違いという事もあり、仮縫いを省き ストレートに仕上げるとの事で御座いました。











18te.jpg



・・・・・履き込まれたエプロンフロントダービーはスエードでしょうか。
味も出ていて素敵ですね!













19te.jpg



・・・・・酷暑極まりない最中、ご足労頂き本当に感謝しか御座いません。
T様、焼けていますね、、、、ご家族と海へ行かれたそうです!

袖口にはターンバックカフも付け、渋くてエレガントなジャケットとなりました。
とてもお似合いで御座います。


20te.jpg



21te.jpg

















22te.jpg




・・・・・ソフトでシットリしていて最高の肌触りですよね。
寒くなるまでデビューはお預けですが、今回ご紹介していない方のODD JKより先にお楽しみ下さい。

 このジャケットも着心地たるや 機能性含めじわじわとその魅力を感じる事が出来るでしょう。

近いうちに もう一着の上着も 是非ご紹介させて頂きます。
こちらもかなり格好良いですからね!

T様、この度も素敵なご注文を誠に有難う御座いました。




















・・・・・如何でしたでしょうか。
秋冬物、早く着たいですね!

買い付けていた生地も無事に完納です。
徐々にBLOGでもご紹介させて頂きたいと思います。

極上なスーチング、そしてジャケッティングと共に
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

 今週もお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。







posted by 水落 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | クライアント様の洋服 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月13日

【 LOVAT TWEED B 】






0ke.jpg


夏の花と言えば向日葵、そして花火も夏の夜空に咲く花。

愛らしい夜の向日葵を見ながら 残暑お見舞い申し上げます。




00ke.jpg


その美しき大輪は爆音と共に魂へ響き渡ります。

花火師のプライドと情熱を掛けた競技大会の一幕、

正に卓越した職人達の織りなす技に感動せずにはいられませんね。









今頃はお盆休みの方々も多い事と思います。
皆様ゆっくりとお過ごしになられおりますでしょうか。




当店シャツのご注文は静かに一時休止を迎えました。
告知からこの約一か月間で本当に驚くほど沢山のご注文を頂戴致しました。
ACORNとRINGHARTの英国シャツ地もお陰様により無事に全て完売で御座います。
本当に有難くて光栄ながらも、寂しく、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 これら沢山のご注文は、それだけ多くの方々が当店シャツを支持して下さっているという事に他なりません。
今後はリスタートがきれるよう全力で努力して参ります。

私も工場さんも嬉しい悲鳴で一杯であり、、、本当に有難う御座いました。
お仕立て上がりまで暫しお時間を頂戴致しますので 何卒宜しくお願い申し上げます。



















1ke.jpg


・・・・・先週は彩鮮やかなシェットランドツィードをご紹介させて頂きました。
右側の紳士は 鮮やかなマンゴーイエローのシェットランドセーター、靴下やチーフで確りと色を拾い大変お洒落なカントリースタイルですね。














2ke.jpg


・・・・・国王ジョージ5世、となりにヨーク公(後の国王ジョージ6世)。
お若いヨーク公の完璧なスポーツスーツの出で立ちは息を飲むほどに素敵です。

かなり大きな格子柄が映えるツィードはパドックカット、当時はエドワード8世も良く着ていたタブカラーのシャツもまた乙です。
なんてエレガントなのでしょう、、、、。













3ke.jpg


・・・・・後のエリザベス女王と共に。
これまたクラシックな三つ釦のウインドーペーン柄ツィードはジャケットスタイルでの着こなしです。
カントリーであっても品があり、本当に魅力的なスタイルを持たれた御方です。





 一日でも早くツィードを着られるくらいに寒くなってほしい(笑)。
先週のシェットランドツィードは基本上物用です。
ではスーツでの着用を前提とするなれば、、、。

今週は LOVAT TWEED より、この秋冬用へと仕込まれた素敵な生地をご覧いただきましょう。



















4ke.jpg


LOVAT MILL

SCOTLAND



1868年創業の老舗ミル、エステートツィードを復刻すべく立ち上げられたブランドがラヴァットです。
 もう当店のBLOG読者な方々であれば説明はいらぬ事でしょう。



詳しき同社の内容につきましては、是非下記リンクよりご覧頂けましたら幸いです。

http://dittos.seesaa.net/article/486092629.html
【 LOVAT TWEED@ 】

http://dittos.seesaa.net/article/486188253.html
【 LOVAT TWEEDA 】











5ke.jpg


KIRKTON



・・・・・チェビオットのウールで織られたツィードであり、人気も高きカークトンは、500gです。
確りと打ち込まれ、ハリコシ感じるこのタフさは正にツィードスーチング!
 重過ぎないそのウエイトは、カントリーサイドのみならず デイユースとしても広く愛用されています。









6ke.jpg


・・・・・ベースはクラシックな TWO AND TWO 、オレンジが効いたウインドーペーン柄を重ねてあります。

渋みの中に程好いアクセント、使いやすそうですね。













7ke.jpg


・・・・・I様より頂きましたご注文は スポーツジャケット。
BESPOKEでのご注文なので、現在 順番待ちで御座います。

この冬にはお納めさせて頂きますので、是非お楽しみにされていて下さいませ。














8ke.jpg


次は古より ガチ勢に多大な支持を受け続ける リアルガチなツィードです!














9ke.jpg


ETTRICK




・・・・・昔から熱心なフィールドスポーツ愛好家に愛用されてきたエトリック。
640gと迫力のあるタフネスな地は相応の環境下で求められるからこそであり、更に表面にはシャワープルーフのテフロン加工が施された全天候型のツィードとなります。

お洒落着的なカントリーファッションという前に 実はギアでもあるのです。

タウンユースでここまでのハイスペックが必要かどうかなんて愚問なのです。
その性能と耐久性たる高スペックでガチなギアに魅力を感じるかどうかです。
 例を出せば、正に野良着でもあり同じく高スペックなBarbourを挙ってタウンユースで、愛用される方々の多い事をみれば 男が本能で求めてしまう(擽られてしまう)何かがそれらには宿っているのでしょう。













10ke.jpg


ETTRICKより




・・・・・ヨーク公の着用されていた滅茶苦茶に格好良いプラスフォワーズのツィードスーツ、この生地はかなりイメージが近いので気になっています!
グレンプレイドベースへの更に重ね格子、氏の着るツィードほどではないですが 格子のサイズも大きめで迫力があります。

ブラウンとグリーンが掛け合わされた絶妙なアースカラーにマルーンの差し色が映え、お気に入りな一つ。













11ke.jpg


・・・・・これまたクラシックな派生ガンクラブチェックのエトリックは英国贔屓なA様よりのご注文です。
ガンクラブチェックはシンプルなシェファードチェック同士を2色使いで構成された柄であるとされています。

こちらは更にオレンジのオーバーペーンを重ねてあります。
カントリーな雰囲気がとても漂い、ツィードらしさも満点ですね。










12ke.jpg


・・・・・ここまで色味が多用されていると、合わせるアイテムは何でも合います。
A様より HOUSE STYLE ORDER にて ODD JACKET のご注文で御座います。













13ke.jpg


・・・・・地味にパープルの差し色がニクイ!
HOUSE STYLE ORDER ですからお仕立て上がりもご覧いただきましょう。


















14ke.jpg


・・・・・模範解答の様なディテール、正にカントリーなスポーツコート(ジャケット)です。
立体的なボリューム、ウエストのシェイプ、仕立て映えするに決まっている最高のツィードです。

ハンド仕立てによるオプションもお付け頂き、当店HOUSE STYLE ORDERの最高スペックでのお仕立てとなります。
検品も済ませ、私が更にコッテリとクセ取り2次プレスを施し、これで本当に完成です。

生地を間近で見ていると、多色使いもウリなツィードは一見『派手かな?』と見えがちでもあります。

しかし、この様に洋服となってみると それら色糸は格子柄と共に馴染み、格子の主張はあっても多色な派手さなど全く気にならないのです。
 バンチで選んでいると こんな所も難しさと言えますね。

故にバンチから選ぶ場合は、必ず離れて見てみる事も大事です!













15ke.jpg


・・・・・・HOUSE STYLE ORDERでのレギュラーカットは、細腹を切った 3面1ダーツのカットとなりますが、オプションにて 当店BESPOKEの様に 最早古な2面2ダーツ裁断を選択する事も出来ます。

細腹が無いので、腰ポケットのフラップは下方全ての柄が合いますので綺麗ですね。
シルエットの出方も微妙に変わります。

A様、ご着用は暫くお預けですが 冬の到来を楽しみに待ちましょう!
 素敵なご注文を誠に有難う御座いました。


















・・・・・如何でしたでしょうか。
一言に『 TWEED 』 と言っても実はかなり幅が広く、産地や羊で分けられたりしています。

スーツで仕立てておけば バラしての単品使いはコーデの幅を広げますが、そもそもスーツは着ずオッドジャケット(コート)として使いたいのか、、、
 皆様の価値観やご着用されるスタイルによりツィードもお勧めな種が変わります。


ツィードには独特な魅力があり、気分を頗る高揚させてくれる何かがあります!
皴にも汚れにも強く、小雨なら傘だって不要でもあります。
 そんなタフで気楽な付き合いを、長きに渡り深く信頼し、自身の相棒として人生を共にするのです。

今年の秋冬用に 是非皆様も素敵なツィードを探しにいらして下さいませ。
お待ちしておりますので 何卒宜しくお願い申し上げます。












・・・・・来週のBLOG更新はお盆休みとさせて頂きます。
お店自体は定休日以外 通常営業となりますので、いつでもご連絡くださいませ。

次の更新は、8月27日(火)を予定しておりますので
どうか引き続きよろしくお願い申し上げます。









posted by 水落 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 生地について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月06日

【 彩 シェットランド ツィード 】






 明日の8月7日には『立秋』を迎えます。
しかし、厳しい暑さは暫く続きそうですが、、、
この暑き最中 洋服業界は次第に秋冬へシフトして参ります。

暑い夏だからこそ、涼しい秋、そして寒い冬が恋しくなります。
寒い日々は必ずやって参ります!
 今週は買い付けていた生地が早々に届きましたので ご紹介させて頂きたいと思います。


皆様の頭の中を強引に秋冬へ‼







1am.jpg


2am.jpg


3am.jpg


4am.jpg



=立山黒部アルペンルート=







 正に錦秋、言葉を失うほど壮観な景色は自然の織り成す芸術です。
美しき色付いた山肌、透き通った空気、魂が洗われる様です。
標高も高いので 秋の季節では気温も10℃を切ります。

色鮮やかな山肌は正にツィードの様、
ツィードの生まれた背景が分かるというものです。

 どうでしょう、少しは気持ちが涼しくなったでしょうか(笑)。




















5am.jpg




= SHETLAND TWEED =





 今度は人間が生み出したカントリーサイドの彩をツィードで表現した美しい生地達です。

シェットランドツィードとは、スコットランド北端のシェットランド島に生息する羊毛で織られたツィードです。
ここの羊さんは海辺では海藻も食べるそうであり、とても柔らかい羊毛で糸に膨らみがあり、軽量ながらも保湿性が高く、古より親しまれてきました。
この羊毛はシェットランドセーターやフェアアイルセーターなどでも超有名ですね!

 それにしても、セーターの様に美しいカラーバリエーション、、、
軽くて軽快なシェットランドセーターを纏う様に このツィードを楽しんでみませんか⁉

こんなにも色とりどりな素晴らしいツィードたちを、生地の高騰やむなし昨今では有難い『出物』での仕入れです。
 改めて言っておきますが、かなりお得で嬉しいお値段となっております!


6am.jpg
















7am.jpg




BATLE & ROBINSON



1950年創業のメーカーであり、ノースヨークシャーに御座います。
始めて耳にしたメーカーですが、このネームでこれら生地が展開されています。












8am.jpg


Abraham Moon & Sons




1837年創業の老舗ミル、同社は英国の織元工場としては欠かせぬ存在です。
この年はビクトリア女王が英国王位を継承した年でもあるのです。

同社は原毛を仕入れ、糸に紡績して生地に織り上げ、仕上げに至るまで全て一貫して行える工場を持ちます

ミルは黒子的でもありましたが、昨今では洋品小物でもネーム含めて扱われていますから知っている方も多い事と思います。
長き歴史の中では軍服地も沢山供給してきましたので、同社のヘリテージコレクションは圧巻でありつつ 正にリアルでもあるのです。



 今回のシェットランドツィードは、信用高きこのムーン社が織り上げています。
では じっくりとご堪能下さいませ。















9am.jpg



FOREST GREEN



 平織地のホームスパン、フォレストグリーンは正に深き森のよう。
中にはカラーネップがツィードらしいアクセントに!
落ち着きと共に安心感さえあるアースカラーで是非如何でしょうか。


10am.jpg


11am.jpg


















12am.jpg



MOSS GREEN



 苔の様な緑色、ツィードでは様々な色糸で織られるので黄味が良い塩梅で出ていますね。
ド定番のヘリンボーン柄でモスグリーン、正に鉄板ツィードです。


13am.jpg


14am.jpg


















15am.jpg



GOLD



 これも美しい!
金色の麦畑が目の前に広がるようです。
複雑に絡む色味は深みを与え、イエロー系ながらも大人の落ち着きさえ感じさせてくれるのはツィードならではですね。

経糸にダークな色味、緯糸にゴールドでの交織なので クラシックなピンヘッド調な表情がまた素晴らしい。


16am.jpg


17am.jpg


18am.jpg



















19am.jpg



RUSSET



ラセット、赤褐色や朽葉色という意味であり、正に紅葉と共に英国カラーには欠かせぬ色味。
しかし、、、、これは特に写真での色出しが難しい!
写真では鮮やかさが見受けられますが、もう少し落ち着きと赤茶味が現物では感じられるでしょう。
 先のゴールドに兄弟の織地でピンヘッド調な顔立ちは とても表情豊かです。

紅葉にも欠かせぬ色ながら、レンガ色にも通じ とても魅力的な暖色です。
日本の紳士方にもこういった色をもっと楽しんで頂きたい!


20am.jpg


21am.jpg


22am.jpg




















23am.jpg



PURPLE



ツィードのパープル、魅惑的でハートを撃ち抜かれたようです。
まるでラベンダー畑に足を踏み入れたかの様ですね。
知的で高貴な紫のツィードをどんなコーデで楽しみましょうか!
 紫は赤と青で構成される色なので、その両色は相性が良いですが黄も頗る映えてくれます。


24am.jpg


25am.jpg


26am.jpg






















27am.jpg



DUCK BLUE



 これもなんて綺麗なダックブルーなのでしょう。
とても魅力的な中間色ですが、生地の色味としてはあまり見ませんよね!

MADE IN GREAT BRITAIN この生地だけ上記生地達とは出どころの違う生地ですが、同じくシェットランドツィードで御座います。
ダックブルーとは鴨の羽の色とされていますが緑の混じった明るめな青を指します。

クラシックなヘリンボーン柄ですが、この生地を見れば正に明るい青と緑で構成されているのが分かるでしょう。
 なんてシャレオツな‼


28am.jpg


29am.jpg


30am.jpg


31am.jpg















32am.jpg



・・・・・如何でしたでしょうか。
計6色の彩鮮やかなシェットランドツィードは まるでニットのカラーバリエーションを見ているようですね。

ソフトで軽く、カーディガンを羽織るかのように優しく纏うツィード、それがシェットランドツィードの特徴であり魅力です。
 皴にも強くこんなツィードを羽織って紅葉でも見に行きたいですね。













33am.jpg



・・・・・シルエットが細くないトラウザースであればスーツでも良いですが、メインは上物用が無難なところです。
 故に下物はフラノやキャバルリーツイル、ホイップコードなどもお勧めながら
ここはカラーバリエーション豊富でタフなコーデュロイで色を楽しむのも素敵です!

http://dittos.seesaa.net/article/502491190.html
【 2024 / brisbane moss 】














シャツの受注停止まであと僅か、皆様のお陰により目も回る忙しさですが、、、
落ち着いた頃に店頭の生地も入れ替えたいと思っております。

暑き最中では御座いますが、涼しい店内で秋冬へのご構想を膨らませましょう。
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。





posted by 水落 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 生地について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする