2013年10月29日
【 K様 TWEED 仮縫い 】
まず初めに、
昨日の 10月28日 をもちまして、弊店は丸4年を迎え お陰様で無事に5年目を迎える事が出来ました。
心よりの感謝を込め、お礼をさせて頂きます。
誠に、、、、誠に有難う御座います。
月日が経つのは本当に早いもので、これも日々充実しているからこそと思っております。
それには本当に多くの方々に御世話に成りながら、そして御贔屓にして頂いているからこそであります。
弊店を応援して下さる本当に沢山の方々に支えられているからだと心底実感しております。
これからも 皆様より頂戴するご期待に対し、誠心誠意 全力でお応え出来る様精進して参ります。
まだまだ至らぬ点ばかりで、お見苦しい点は多々ある事とは思いますが、
変わらぬご指導、ご鞭撻の程を頂戴出来ましたら幸いで御座います。
これからもどうか宜しくお願い申し上げます。
ツィードのスーツを着たエレガントな紳士。
なんて素敵で味わいがあるのでしょう、、、。
格子のシャツは必須ですよね!
不安定であった10月、やっと本来の季節感が戻り
装う事が楽しい季節となりました。
しかし、ご体調を崩されてしまった方も多かった事と思います。
さて、先週はツイードの話題でした。
ツィードであれば格子柄は欠かせませので、先週はそれらの補正や裁断について触れました。
今週もツィードです!! またっ!?(笑)
この度は、BESPOKE ORDER より K 様の御注文を紹介させて頂きます。
TWEED SUITS と言えば、私が先ずはお勧めさせて頂いております
POTER & HARDING HARTWIST 560g
http://dittos.seesaa.net/article/305065439.html
(上記ページでもHARTWISTの御紹介をしております。)
確りと密に打ち込まれたガチッとしたハードなツィードです。
三つ揃いにて、ガンクラブチェックにウインドーペーンの重ね格子柄をお選び頂きました。
無地の裁断より縞、
縞の裁断より格子と
一番気を使いつつ、時間のかかる裁断と成ります。
生地は、大抵の場合 巻いて保管されていますし、綾織地の特性もある事と思いますが
生地の『地の目』は結構斜行していたりと歪んでいます。
故に、『地のし』といい 裁断前に予め 高圧スチーム(水分)と熱により『地の目』を矯正しつつ、縮絨もかけつつ、、、安定させて落ち着かせます。
与えた生地への水分を良く飛ばし、熱が完全に冷めるまで 十分に寝かしておきます。
生地は撚った糸を、縦糸と横糸に交差させて織り上げます。
撚った糸は、熱などを加えると 一時的に撚りが強まります。
冷えてくると、また元に戻るのです。
『寝かし』はとても重要です。
いざ机に広げ、型紙を差し込み(レイアウトを決める)裁断!!
となる訳ですが、今回は格子です。
写真の様に、長い直定規で地の目を真っ直ぐに縦地を通しつつ、、、
角尺(直角定規)を更にあてて、更に横地も直角に合わせます。
これは、格子ほど正確にではないにしろ、無地でも縞でも横地は整えます。
いい加減では、見栄え的にも悪いですが、洋服になった時の安定的に欠けてしまいます。
前身頃と後身頃の横柄、背中の中心線を意識しながら合わせます。
勿論袖もそうですし、肩下がりがあれば尚の事 袖の裁断は慎重になります。
また、縦柄にウインドーペーンを構成する赤っぽい縞があります。
これも配慮します!
上前フロントに釦ホール、下前には釦、
ホールに釦を留めた時、右と左の前身頃は一面(前面)として連動しますので
釦を留めた時に左右赤っぽい線の間隔が整う様に配置致します。
横糸には山吹色の縞があります。
身頃を決め、その横柄位置に袖を合わせようとした場合、、、、
無地の生地であればロスが出ない様に型紙を敷き詰めて型紙をレイアウトしますが、柄合わせがある時は取りたい所で取れない事に成ります。
故に格子柄は無地や縞よりも要尺がかかる事になる訳です!
格子を構成する柄自体が大きければ大きい程 +α を見込まなければ成りません。
格子のシャツも同じで御座います。
高級な物ほど、至る所で柄合わせの配慮があり、ロスが出ようとも柄合わせ裁断を尊重します。
柄合わせ裁断をするという事は、柄合わせ縫製をする事にもなりますので
やはり格子は時間の面でも +α を有する事に成ります。
しかし、、、、お値段が安くなればなる程、その考慮は排除されていき
格子ながら、単なる無地のシャツの様に裁断し作られていきます。
・・・・説明が長くなってしまいました(汗)!!
その様な経過を得て、やっと中仮縫いまでこぎ着けて参りました。
立体感溢れる仕立て、ツィードはコテ(アイロン)操作が本当に良く効きます!
衿は、一応修正が発生した場合に備え、生地(上衿)を掛けてありません。
中に入る芯は、アイリッシュリネンを使用しています。
カタカナの『ハ』の字の様に衿芯と、裏にあたるカラークロスとを留めつけてあります。
部分的には伸び止め芯も必要ですが、全てフラシ芯(未接着芯)を使用し、最大限に生地の個性を尊重します。
この地衿の場合の『ハ刺し』は、カラークロス(裏衿)と芯を一体化させる事が目的であります。
やっとここで K様のご登場と成ります!!
ガッチリ体形の K様、今回は OLD の匂いをリクエスト頂きました。
ワイドなラペルは分かり易いですが、色々な所で考慮が入っております。
この日は9月末、お仕事帰りにお立ち寄り頂きましたので黒靴です!
裾は、折り返しを付けますが 仮縫いでは長さのみの確認と成ります。
袖口からシャツが見えませんが、この日は半袖シャツを御着用で御座います。
ウエストコートの見え方もバッチリ!!
丁度良いですね。
あっ、、、、フロントの縦赤縞が左右止め合わせる事により、当分間隔になっているのが分かりますね。
トラウザースは、後ろ側が盛り上がる『 HIGHTBACK STYLE 』にしてあります。
せり上がっているのが見てとれると思います。
古のディテールですが、三つ揃い前提のデザインと成ります。
(・・・来年は、H.S.ODER でもお選び頂けるように致します!!)
各フラップの柄合わせは勿論、外脇シームの横柄合わせも綺麗に合っています。
まぁ、当たり前です(笑)!!
・・・・・・・・・・・・・・・・K様、もう少しだけお待ち下さい。
来月中にはなんとかお渡し出来る様 頑張ります!!
今年も残す所 約二か月、風邪など引かれぬよう どうかご自愛下さいませ。
今週も誠に有難う御座いました。
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こちらは、なかなか顔も出せずに失礼しています。
N様
こんにちは。
コメント、並びにお祝いの言葉まで頂きまして誠に有難う御座いました。
私がこの様に好きな仕事に携わり、生活させて頂ける事は N様を始め、沢山の方々からお世話頂いていると共に、支えてくれる家族あっての事です。
少しでも長く続けられる様、そして家族を養う為にも精一杯頑張りますので どうかこれからも宜しくお願い致します。
N様、御多忙の事とは思いますが、是非お時間を作って頂きいらして下さい!!
N様とお会い出来る日を楽しみにしております。
どうも有難う御座いました。