2013年11月19日
【 →BLACK SUITS→A 】
こんにちは。
もう雪が降った地方もありますし、本格的に寒い冬がやって参りましたね。
街に出れば、早くもクリスマスデコレーションが所々で始まっています。
夏は夏らしく、冬は冬らしくあって欲しいですし、そうでなければ経済も回りませんよね。
ただ、年々春と秋があまり感じられなくなってきた様に思います。
さて、今週は 先週の続編を書かせて頂きたいと思います。
ブラックスーツから、ディレクターズスーツの話をさせて頂きました。
様々なもので米・英でも呼称が違ったり、変に和製英語があったりと大変書き辛く、英国的に統一したとすると認識し辛き方もおりますでしょうし、誤解を招いたりもしますので書き方にとても悩みます。
例えばスーツの上着、日米ではジャケットですが、英ではコートになります。
コートと言えば、オーバーコートをイメージされる方も多い事と思います。
ディレクターズスーツ、日本では一番通じる言い方だと思いますが、米国では【 STROLLER : ストローラー 】とも呼ばれ、英国では【 BLACK LOUNGE :ブラックラウンジ 】が多い様ですが、英国でもストローラーと使う所もあるようです。
準礼服(昼間) = SEMI FORMAL DAY DRESS = ディレクターズスーツ
ここでは、語句も短く 多く使われているであろうストローラーと呼称させて頂きます。
(しかし、多分 一般的にストローラーとお使いに成られても、認識出来る方は少ない事と思います。今回は私の BLOG 内での範疇という事で!)
・・・中央のお二方、
左側は、ウッドロウ・ウィルソン元アメリカ大統領です。
ノッチドラペルのモーニングコートを着用されております。
そして右側、ネヴィル・チェンバレン元イギリス首相であり、大変エレガントな御方で御座います。
お手本たるストローラーであり、本当に素敵です!
国の代表者たる方々、本当にエレガントで素敵な分、一番左側の方が目立ちます。
ダブルですし、せめて釦くらいは、、、
・・・このBLOG内でもご紹介させて頂いた事のある、アンソニー・イーデン氏です。
氏の様に、渋く、エレガントに年を重ねたいです。
ダブルのウエストコートを合わせたストローラーが本当に素敵すぎます!!
ウエストコートの丈バランスを考えれば、相当トラウザースのライズが深いですね。
特にダブルのウエストコートは、シングルの様に裾に剣が無い分 上半身と下半身をウエスト位置でスパッと分断しますので、余計に胴短長足へとスタイルが良く見えます。
先の写真でもそうですが、これらのバランスは時代的な特徴でもあります。
トラウザースは、基本的に吊り様であり、あるべき姿とも言えます。
こういったスタイルを踏まえ、今がある訳ですね。
日常では、ウエストコートを省いた略式 2P-SUITS が主体と成っていますが、フォーマル的な装いであればある程 古き良きスタイルはまだまだ残っている部分も多いと言えます。
そもそも、ベルト用のタキシード(ディナースーツ)など有り得ませんよね。
身体に合ったウエストコートを着用するか、もしくはウエストコートを着用しなければ、カマーバンドを腰に巻きますので、ベルトなんか締めていたら、、、。
時計も、本来であれば腕時計ではなく、やはり懐中時計が似合いますし、諸々考えても良いという事に成ります。
(どんどんコスプレに成っちゃいますね(笑)。)
ここで、先人の方々には100倍見劣りしますし、お恥ずかしいですが、、、
先週の写真より 生地などにも触れてみたいと思います。
モーニングコート、そしてそれに付随するストローラーにおいて、基本的に生地種は同じです。
色は、ブラックかオックスフォードグレーとなります。
生地は基本的にウールな訳ですが、昔はチェビオットを使っていたそうです。
ツィードのイメージが強いですが、確りとしたその毛を使った生地です。
ボリュームと共に、コシのある重厚な生地であったのでしょう。当然皺にも強いです。
今ではなかなか作られておりません。(ツィードはまだまだ沢山織られています。)
織りに関しては、やはり昔から細かなミニ・ヘリンボーンが多いようです。
その他、今ではバラシアやドスキンなどは有名ですし、春夏用と成ればモヘア混紡生地も御座います。
私が着用したブラックの生地は、
H.Lesser製の OLD STOCK です。 15oz(420〜430g)位だと思います。
柔軟性豊かなウーステッドでありながら、打ち込みはとても確りとしております。
織りは『バラシアヘリンボーン』と呼ばれる独特の表情を持った生地です。
礼服地としては本当に適した、いやむしろ それ用と言ってもいいかも知れません。
今では廃盤の生地種でもあり、H.L. に限らず どのメーカーでも見た事がありません。
何故こんなに素敵で、フォーマルシーンには欠かせぬ様な生地種を廃盤にするのか大変疑問です。
(私にとっては大変貴重な生地でもあり、これをイメージして5周年生地のミッドナイトブルーを作って頂きました。)
お宝の様なこの生地は、もう少し在庫が御座います。
これも LESSLON 同様に無くなって欲しくない生地であり、正に弊店の虎の子です(笑)。
ただ、難点を挙げますと 秋冬用である事、、、
着用シーンが春先までなら良いですが、暑くなって来れば着用出来ません。
そうそう同じ様なポジションの服を季節に分けて誂えられるのは難しい様であれば、そういった意味では こちらに分があります。
弊店5周年記念生地のブラック、ミニヘリンボーンです。
これらのシリーズは、ミニヘリンボーンに限らず、糸、生地の質の高さは言うまでもありません。私の価値観からみた最高な生地の一つです。
http://dittos.seesaa.net/article/369975398.html
(↑ 弊店5周年記念生地、後半のミッドナイト&ブラックの御紹介ページです。)
こちらであれば、3シーズン着用出来ますので かなり着用頂ける期間が広がります。
この生地の秘めたる魅力は、御注文主様にしかご理解頂けません!
折角ブラックスーツやストローラーをお考えであれば、やはり正統的な生地の方が良いに決まっていますね。
これらお勧め2種であれば、説得力が断然違います!!
・・・正礼装での結婚式、奥にはストローラーの方も見受けられます。
上着の色も、黒にオックスフォードグレーとおられますね。
昼間のフォーマルな装いでは、ストライプドトラウザースは絶対に欠かせません。
ストライプの種類はかなり豊富です。生地のウエイトも同じく豊富です。
ただ、昔はこういったコードストライプだけではなく、小格子柄のトラウザースも合されたりしておりました。 それには、目の小さな千鳥格子なども含まれます。
そういった意味ではあえて『小格子柄』と狙われてみるもの良いですね。
奥のストローラーの方は、格子のトラウザースを履いています。
これは、弊店在庫分の生地 EDWIN WOODHOUSE 製であり、同社がまだ元気だった頃の物です。
比較的ダーク系でまとめられており、大変渋いです。 380g〜400gといった所でしょうか
この種のトラウザースを何本も持てるのであれば、色調でシーンを分ける事も出来ます。
私が履いていたトラウザースの生地は、上着同じく H.Lesser 製の OLD であり、廃盤種です。
(恐縮ながら既に御座いません。)
ご参考までに、H.Lesse rのバンチにて、フォーマルコレクションとして区分けされているシリーズがあります。
明るめ、暗め、線の太さや間隔など様々です。
複数本所有するのであれば、色味が比較的薄めな構成を祝儀事に、ダーク系は不祝儀事にと一応分ける事が出来ます。が、そこまで知る方は少ないと思います。
・・・次にウエストコートへ話を移しましょう。
色々と写真などで御紹介させて頂きましたが、正礼装・準礼装において 昔は上着と共地で作られていました。正統的とも言えます。
そういった意味でも間違いはなく、むしろ簡易にブラックスーツからストローラーへも変貌出来るわけです。
ただ、時代が進むにつれ お祝い事やお祭り事などのシーンでは、色付きのウエストコートが多く使われる様になっていきます。
上着とは対照的に淡い色目が用いられ、ライトグレー系や黄褐色は定番色です。
ドーヴ・グレーやパール・グレー等は良く聞かれると思います。
ブラックの三つ揃いに、ストライプトラウザースを誂え足して準礼服対応に。
そして色付のウエストコートを加えると、尚理想的でしょう。
この生地も弊店在庫としてストックがある生地ですが
H.Lesser製の OLD STOCK です。ギャバジンですね!!
また、これらウエストコートにはウールの他にリネンも合わせられます。
生成り、黄褐色、淡いブルー地まで幅広く使われるようになりました。
つい最近のロイヤルウエディングでは、参列者の方々にも多く見受けられました。
これは、SPENCE BRYSON製 アイリッシュリネンです。
身厚でコシもあるウエイトです。ヒョロヒョロなリネンでは貧弱になります。
勿論、SUITS や ODD JACKET にも良いですが、当然 ODD VEST にも一押しで御座います。
漂白された真っ白はシャツだけに、、、やはりこの色だと私は思います!
その他、弊店に在庫としては無いですが『 BUFF 』という色、
黄褐色と訳すと分かり易いと思いますが、この色も絶対に欠かせません。
先に同じく、H.Lesser のフォーマルコレクション・バンチでも、有色の ODD VEST 地が並びます。
リネンから、ウールまで御座いますね。
・・・これらは、着用される会合の内容や、お立場などによってもある意味気遣いが必要です。ブラックであれば間違いないとも言えるでしょう。
合わせられるタイにしても同じ事が言えます。
前提として、お祝い事であれば華やかな感じも加味されますが、逆のシーンであれば自ずと色を抑えなければ成りません。
・・・ミディアムグレーのクラシックなスーツに、白系のウエストコートを合わせていますね。
三つ揃いの中身たるウエストコートをチェンジするだけで、お手持ちのスーツは表情を変え、かなりエレガントな印象に成ります。
DAY FORMAL に限らず、それらの周辺アイテムを有効活用する事により 装いの幅と楽しみも広がりつつ、いつもの三つ揃いが『アップグレードした!?』感じとしても御着用頂けます。
・・・中央の方、同じく ODD VEST を合わせられていますね。
そして、右の方含め、DAY FORMAL では欠かせぬ周辺アイテムであったスパッツもされています。
(先週更新分をご参考にされて下さい。)
基本的に昼間の会合(ビジネス!?)において、エレガントにそういったアイテムを合わせて有効に自身を装っているのが見てとれます。
「昔の人はお洒落だった、、、。」
今でも街にはお洒落な方が沢山おりますが、昔とは少し質が違うのが分かりますよね!
・・・・・・・・・・如何でしたでしょうか。
普段着用されているビジネススーツ、そしてブラックスーツは、これだけの顔があり 沢山の時間をかけて現在に至ります。
紳士服が一番エレガントだったと言われる時代から学ぶ事は多々御座います。
今回は、少しだけ紳士服の歴史にも触れました。
普段何気なく袖を通すスーツに拘りを持たなければ勿体無いと私は思います。
自身を無理に着飾らせたり、目立たせたりする必要は全く無く、いやむしろそれは不必要です。
それよりも TPO を理解・尊重し、会うであろう方々やシーンに想いを馳せながら着る物を選ぶ。
これが一番重要なのではないでしょうか。だからこそ戦略にも成り得るのです。
定番的でありつつ、必要な物から誂える。
お手持ちの服に対し、周辺アイテムを増やしたりも含め、少しずつ誂え足していく。
これがクラシックというカテゴリーの紳士服でもあります。
少しでもご興味を持って頂けましたら、何よりの光栄で御座います。
皆様のお越しを、ご相談を心よりお待ち申し上げております。
今週も誠に有難う御座いました。
・・・・・・・・度々 誠に恐縮では御座いますが、
来週26日(火)の BLOG 更新はお休みとさせて下さい。
楽しみにして下さっておられる方々には、本当に申し訳なく思っております。
12月3日(火)には、改めて更新させて頂きますので 何卒宜しくお願い申し上げます。
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質問ですが、弔事でシングルピーク1つボタンのブラックスーツは違和感ないでしょうか?
華やかに感じられないかと若干心配しています。
このような悩みもある意味日本的なのかもしれませんが・・・。
Murata様
こんにちは。コメント頂きまして、誠に有難う御座いました。
仰っている事は大変良く分かります。二つ釦のスタイル等でも良いです。
剣衿に対し、ダブルは剣衿であり、それについては違和感は特に感じられないと思います。
モーニングコートもシングルの剣衿が主流という事を考えれば、自ずと受け入れやすいと思います。
そういったデザイン的な事もありますが、弔事であればタイを結ばれる時にディンプルを作らない事なども覚えておくと良いと思います。
大切なのは、Murata様の様に 先ずは考え気を使える方々が少しでも増えてくる事、これが一番重要だと私は思います。
コメント返信では限界がありますので、宜しければまた店頭ででもご相談頂けましたら幸いで御座います。
どうも有難う御座いました。