2014年03月25日

【 5th-ANNI   BIRDS EYE 】


 こんにちは。
3月も後半に差し掛かっております。

まだまだ風が冷たい日もありますが、いよいよ春を感じさせる日が増えて参りました。
東京は桜もそろそろ・・・・。



 さて、今週は誠に恐縮では御座いますが
自前のスーツを御紹介させて頂きたいと思います。












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 洋服を仕立てる TAILOR という道を志し、
いつかは作りたいと思っていた『 自身企画による別注生地 』。

皆様の多大なるご厚意のお蔭によりまして、光栄ながらも5周年を迎える事が出来ました。
それに因んで 5th-ANNIVERSARY SUITING を作る事が出来き、本当に感謝しております。

5周年に掛け、5種に渡りクラシックなスーチングを贅沢に全て GOLDEN BALE で織り上げて頂いた品々です。
http://dittos.seesaa.net/article/369343341.html
http://dittos.seesaa.net/article/369975398.html


 いち作り手であるTAILORが生地を作るのなら、何を尊重するのか、、、。
様々な思い入れと共に、拘り満載の本当に素晴らしい生地を TAYLOR&LODGE社へ織り上げて頂きました。



この生地の企画・進行の最中より、どれで仕立てようか常に悩み続けておりました!

どれもこれも普遍的でベーシックな物ばかり、だからこそ良いのですが ベーシック過ぎて殆どの種を既に所有していたので尚更迷いました。
 そんなに何着も作れませんし、、、、、



迷った挙句、私が選んだのは BIRDS EYE です。

クラシックなスーチングには欠かせない生地でもありますし、バーズアイは個人的な思い入れがとても強い生地でもあります。

5種の中で、一番畏まってないポジションがまた良い。
バーズアイは、大人の良い意味で力が入り過ぎず、落ち着きと余裕さえ醸し出されるスーツではないかと勝手ながらに思っております。

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無地に分類されるでしょうが、独特の鳥目の様な織り柄は とても表情と味わいある顔をしています。
(各全ての写真は、クリックして頂くと拡大されてご覧頂けます。)

 ウエイトは約330g、夏以外は御着用頂ける 3シーズンファブリックです。



光栄にも沢山の方々にご注文を頂戴しております5周年記念生地。
皆様のご注文を頂く度に、そして仕立て上がっていく度に もう本当に羨ましくて仕方がありませんでした。



良いのは分かっています、、、、(笑)
それを早く体感したかったのですが、やっとその日が来ました。
シーズン的にもそろそろベストシーズンを迎えます。




 私自身の服は、もはや仮縫いなどしません。
ですが、常に新しい試みが含まれており、それらがどう作用するのかも楽しみな所であります。
(外観も多少変わってはいますが、中身含めあまり気付かれない事と思います。)




生地がシンプルであればある程 生地の、糸のグレードは品のある光沢感やドレープ感、勿論肌触りも含め 違いが直ぐにお分り頂ける筈です。





 私にとってバーズアイと言えば、やはりグレーです!
この表情をご覧下さい!!




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 シャツは、CERRUTI社 200/2×200/2 ROYAL OXFORD

僅かに青みの付いたアイスブルーを、タブカラーで仕立てています。
200/2のシャツは、上手く言えませんが あまり着心地を感じません。それだけNOストレスなのです。 そう何枚も必要ないですが、一度はこの感じを体感されてみて下さい。
 きっと驚かれる事と思います。
気持ちが良いのは言うまでもありませんよね!



 タイは、1stで作りましたネイビーのピンドット。
タブカラーに合わせていますからプレーンノットでキュッと小さくノットを絞り込みます。


 チーフは、シャツ地で扱っている リネン混のコットン地、アイスブルーの生地で手作りしたものです。



 シルエット、バランス、立体感、、、、私の根底にあるものです。個人的好みが大きく反映されているのが私自身の服でもあります。

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この5周年記念生地は、地のしをしていても、裁断で鋏を入れても、縫っても、コテを当てても、、、生地達の静かなる主張を感じずにはいられません。
 勿論 我が子可愛さは多分にありますが、打ち込みが良いので本当にクセ取りが良く効き、定着率も高いのが特徴です。

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作り手が尊重すべき生地への価値観とは、やはり『 仕立て映え 』する生地であり、それらを尊重して作られたのが5周年記念生地と言えます。








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肩周り、袖周り、
バーズアイは織り柄により、縦横の生地目がとても良く見えます。
その生地目の流れや落ち着き方を見れば、裁断(設計)や縫製がどれだけリンクし素直に具現化されて立体になっているのかが分かります。












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 ウエストコートは、ダブル ブレストです。
これをベースにHSの新型を設計させて頂いております。

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バーズアイの表情は独特ですよね。



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肩が綺麗に身体へ添いつつ、
シャツの衿(首元)に寄り添う様に上りつつ、、、、
確りと首元をホールドしているのが見てとれる事と思います。

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 一応、トルソーの為の既製服ではないので
お恥ずかしいのですが、着用写真をパチリ!!

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トラウザースは、ハイバックにしています。
腰の部分が山型にせり上がっているのが見受けられると思います。

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せり上がる度合いや、仕立て方も色々御座いますが、これらは基本的に三つ揃いありきのディテールとも言えます。

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ウエストコートを着用すれば、全く隠れてしまいますが
見える・見えないで判断する事では御座いません。

ベルトを使うようになった以前は基本吊って履かれていたトラウザース、ハイバックの歴史は結構古くからあります。
こういったスーツ類だけでは無く、軍服やワークウエア等にも広く使われていました。
当時ではむしろ一般的なデザインですね。


このディテールも、リクエストによりHSでご注文頂けるよう準備を進めておりますので、
お好きな方は是非リクエストされてみて下さい。

 今回はお尻のポケットや、上着のチケットポケットも排除し、いたってシンプルに致しました。


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この角度だと、後ろがせり上がっているのが分かり易いですね。
同時に、多用されたコテにより、尻回り・モモ周り・ふくらはぎ周りに至るまで、立体的なフォルムに基づく様に仕立てられているのが見てとれる事と思います。

 流れるように落ちる様は吊り用トラウザースの真骨頂でもあります。









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・・・こちらは、K様のお尻写真を拝借させて頂きました。
100点のFITTING!! LESSLON のスーツです。
こちらが、ノーマルのバックスタイルになりますので
先のハイバックと比べると違いが分かり易いと思います。














・・・・・・・・・ さて、5周年記念生地の着心地は、
秋冬物をずっと着用していたのもありますが、とにかく軽い!! ソフトなのにコシもある、ドレープ感がとても豊かに出る。
そして、何とも言えず「嬉しい!!」 笑みがこぼれてしまう様な感じで御座います。

傍から見ればただのスーツ、G.BALE は自己満の極地かも知れませんが、それが男の服でもあります。自己満度合いは相当高いです(笑)。

『なるほど!』 『たしかに!』と、きっと思って頂けるのではないかと思っております。





 なぜ GOLDEN BALE なのか、
目の前にすれば分かります、触れば分かります、着用すればもっと分かります。

 ベーシックなのもだからこそ、良いものを
そして3シーズンですから着用期間が長い事もメリットです。



GOLDEN BALE といっても所詮は Wool:100% です。
カシミアの様にデリケートに成ってしまう事も無く、扱いは普段のスーツと何ら変わりはありません。



『 良い生地 』

これは価値観によりますので、幹から枝分かれしている様なものです。
しかし、枝一つの頂点である事に間違いはありません。


 良いものを、お求めやすいお値段でご提供させて頂く事こそ 5周年記念生地の趣旨でもあります。




ご注文下さった皆様のスーツもこれからご紹介させて頂きます。
それぞれ生地の魅力にお客様の個性や魅力が加われば それらは ONLY ONE のスーツとなります。
 それが誂えスーツです。













・・・・・・・・・ 一番人気は圧倒的に ダークネイビーのウーステッド です。
直ぐには無くならないと思いますが、お陰様で随分減ってきております。

3シーズンが故に 4P-SUITS でのご注文や、仕立て上がりに御満足頂き
生地種を変えて2種目、3種目のご注文を下さる方もいらっしゃいます。
本当に光栄であり嬉しく思っております。

『 記念の別注生地、作って良かった・・・。 』


是非 本当にお勧めですので、お試し頂けましたら幸いで御座います。














・・・・・・・・・・HOUSE STYLE ORDER
新型である ダブルブレストのウエストコート、
そしてトラウザースのハイバック仕様、

 ご協力下さっている工場様のお蔭によりまして、順調に構築・打ち合わせが進んでおります。
早ければそろそろ、、、、遅くても4月より受注開始とさせて頂きます。
 何卒宜しくお願い致します。









 では、今週も誠に有難う御座いました。
皆様のお越しを 心よりお待ち申し上げております。








posted by 水落 at 09:00| Comment(2) | TrackBack(0) | Style | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
ダブルブレストのウエストコートを調べていたら、こちらに行き着きました。
ジャケットがシングルでウエストコートはダブルもありなんですね?
ジャケットがノッチラペルでウエストコートがピークラペルというのもありなんですよね?

そのあたり、ルールというか決まりがあるんでしょうか?
Posted by 山田 at 2015年01月24日 09:43


山田様

 こんにちは。コメント頂きまして、誠に有難う御座います。

ご質問の件ですが、ノッチドラペルの上着にピークドラペルの上着はあり得ます。

 明確なルールや定義の様な物は存じ上げませんが、やはり相性というのはあります。
また、フォーマルになれば それなりに制限が付くでしょう。

 ウエストコートのデザインバリエーションは、今では考えられない程沢山ありました。

TPOやスタイル、勿論お好みも含め装いを楽しみ満喫して頂きたいです。
 もし学ぶのであれば、やはり先人達から学ぶべきであり、古い写真集や映画などから沢山の素晴らしいスタイルを学べる事と思います。

 どうぞこれからも、弊店BLOGを宜しくお願い致します。

Posted by Dittos.水落 at 2015年01月25日 10:48
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