2015年04月21日
【 WAIN SHILL : GIGANTIC 】
こんにちは。
気付けばゴールデンウィークがもう間近に迫って参りました!
皆様におかれましては お出掛けの御予定を楽しみにされている方も多い事と思います。
今年は随分と長い連休にされる会社もあるようですね。
弊店は基本定休日のみのお休みと成りますので、GW期間は通常営業と成ります。
ご都合が宜しければ是非お気軽にいらして下さいませ。
モノトーンの渋い格子柄の上着に爽やかなホワイトトラウザース、無彩色同士のシンプルな合わせですが、上下のコントラストが凄く効いていますね。
とてもバランスが取れていて綺麗でありながら、ネックウェアのみ有彩色!
グリーンが素敵なアクセントになっております。
これからの季節、スーツというよりは この様なジャケットスタイルも増えてくるのではないでしょうか。
さて、流石に春は雨が良く降るものの、やはり寒からず、暑からず スーツが気持ち良く着用出来る季節です。
この季節は3シーズン物が大活躍ですよね。
単に3シーズン生地と言っても様々なバリエーションがあるわけですが、
その中でも H.LesserのLESSLON含め、トニック系の生地は挙げずにはいられません。
もう随分前になりますが、【御三家】と称してトニック系の生地を御紹介させて頂きました。
http://dittos.seesaa.net/article/323633989.html
かなり貴重な、お宝レベルの生地ばかりです。
織られていた当時を振り返れば、各社は切磋琢磨の上に こんな素晴らしい名品を生み出していたわけです。
今週は、やはり貴重な生地を BESPOKE: X様のご注文を通してご紹介させて頂きたいと思います。
トニック系の生地というのは分かり易い特徴があります。
モヘアの光沢感と共に、バリッとしたハリやコシが強き生地種です。
(詳しくは上記リンクを御参照頂けましたら幸いで御座います。)
当時の英国生地メーカーは競争も本当に凄かった事でしょう。
世界的に大流行したトニック系だけで見ても、各社色々と出してきました。
TONIK とはドーメル社の登録商標です。
そのオリジナルTONIKに追いつき、追い越せとそれぞれ頑張って同じ様な生地を生み出してきたわけですが、
SCABALでは TITAN
H.Lesserでは LESSLON と各メーカーにより呼称が付けられていたわけです。
そんな当時、 WAIN SHIELL社 も黙ってみていた訳では無いという事で!!
WAIN SHIELLでは、その名を【 GIGANTIC 】 と称し、トニック系のシリーズを織っていたようです。
色柄はソリッド含め様々なバリエーションが織られていた事と思いますが、
弊店の貴重なるその着分は 大変魅力的なスポーツスーチングの生地で御座いました。
パッと見た印象は ややグリーン系の色味に程好くベージュ色で格子を重ねた柄であり
堂々とした迫力ある格子柄ながら、その落ち着きもある配色バランスはとても素晴らしいものです。
奥行さえも感じる格子であり、色柄でもありますが、下の拡大した写真をご覧ください。
ベージュ系の黄色っぽい色味に対し、上手くブルーの糸を織り交ぜています。
黄色と青色を混ぜると緑色になります。 この様に計算されて!?出された色味であり、表情だったのです。
この生地に一目惚れされたX様、これをODD JACKETとして料理し
着用期間広く、リラックスした休日着にしてほしいとのご要望です!
「これに合せるトラーザースを考えれば、何かお勧めは!?」
・・・そうですね、生地の質感や素材感、そして生地同士のパワーバランスも考慮致しますと
やはり相性良きはトニック系が一番です。
上物の色味を考えると、少し締まった色味を念頭に入れつつ、探してみましょう。
これは如何でしょうか!!
英国のマーチャント、BATEMAN OGDENより
モヘアを混紡した2-PLY、上着に同じく平織で通気性も良く、皺に強い上着の生地と従兄弟の様な生地です。(上着と違い、この生地は現行品です。)
しかも、良くご覧ください!
淡い色目である上着に対し、締まった色目の下物 更に交織で出されたその絶妙な色は、10thの新作タイと同様ですね。
濃過ぎないネイビー系の糸と、ブラウンの糸を交織する事により
独特な色味加減が絶妙に出ています。
気付かれましたか! この青味と茶味は上着でも使われている色です。
X様にお気に召して頂き、この生地にてベルトレスのトラウザースを合わせてご注文頂きました。
さて、いざお仕立てするにあたり こんなご要望を頂きました。
「 仕事着では無いからスーツの様にカチッとした雰囲気よりも、リラックスした感じで着用出来る軽くて柔らかいジャケットを!
しかし、巷で見る様なアンコンジャケットの様にフニャフニャで頼りないのは嫌だ。
柔らかく仕立てられていたとしても、タイを締めた時にでも様に成るようであって欲しい! 」
承知致しました。
有り得る様々な手法を簡単に御説明の後、お任せいただく事に成りました。
要は仕立て方による『良い塩梅』というサジ加減次第ですね。
BESPOKE ORDERでのキモは、どれだけクライアント様のお気持ちやご要望を確りと理解し、受け取る事が出来るか コレに尽きます。
そして、そのご要望を培ってきた知識や技術により どれだけ上手く適切に具現化出来るかとなります。
実際にはお任せ的な感じも多いので、それこそ私なりのご提案という要素も多分に含まれてくる訳です。
それだけに、BESPOKEの仕事は遣り甲斐度が高い分 難しくもあります。
いよいよお仕立て上がりです!
くだけ過ぎたカジュアルさを好まないX様、胸はウエルトポケットとして 腰のみパッチポケットに。
リラックスした印象をという事で、フロントは3釦ながら大きめに返す段帰りをリクエストされました。
バックにはサイドベンツを切ってあります。
ハリ・コシ強きトニック系の生地は、上手くこなせれば、とても立体感が出ますし定着致します。
勿論 難しさも持ち合わせますが、仕立て甲斐のある生地です!
格子柄が綺麗に浮き出つつも、主張し過ぎない感じは本当にバランスが良いですね。
胸のボリュームからウエストへのシェイプ、丸み良く腰回りをホールドするパッチポケット、、、、雰囲気がとても素敵です。
一見、リラックスした感じや柔らか味などが全然感じられないかも知れません!
それは流石に写真では伝わらない事と思います、、、、。
この写真をご覧ください。
本来上着は確りと芯が入り、内側から押し出す様に成形されています。
特に胸回りには【バス芯】という馬の尻尾の毛を横糸として織られた芯を増芯として使用します。
柔軟性もありつつ、とても弾力感に富んでいます。
リラックスした柔らかく軽い仕立て、でもタイが確り似合う様に!
芯の成形は最小限に抑え、バス芯もあえて使いません。
かなりフニョフニョに仕立てられており、私の第二テーマとしては畳めるジャケットをも加味しておりました。
それにはこのトニック系の生地だからこそ上手く表現出来るとも言えます。
少々畳んだ位では全く皺に成りません。
そして今回の仕立てこそ、、、
着用され、動かれてみれば その違いが良くお分りに成る筈です!!
今までにご納品させて頂いたスーツ類と随分違う筈です。
また、内部芯などだけでは無く、『 大身返し仕立て 』と呼ばれる仕様を用い、裏地も最小限にとどめる様に致しました。
芯が薄く柔らかい分、共生地である大きな身返しが支えにもなるという算段です。
本来なら春夏でも総裏地仕様をお勧めしてはおりますが、やはりオーダーですからご要望は勿論尊重致します。
これに関しては、生地が強いという事もありますね。
色濃く見える部分が裏地です。
黄緑と黒っぽいダークな色糸との交織で折られたヴィスコースの裏地です。
こういった形態の仕様では、本来総裏仕立てでは隠れている部分が露出する事に成ります。
露出しますから見えても良い綺麗な処理をする必要が出てきます。
当然 様々な縫い目では縫代が発生する訳ですが、
鋏を入れた裁ち目は摩擦と共に解れて来てしまいますので処理しなければ成りません。
縫代処理の方法については代表的な手法が幾つかあります。
今回は表地の特性を尊重し あえてパイピング処理を施しました。
英国では背抜き仕様などでは見受けられる手法ですが、イタリアなどではあまり見られませんね。
表地として使われている生地の強度や生地厚等の適性、そして どれだけ手間をかけるかにより それら手法は選択されます。
肩には極薄く柔らかい手差しにより作られた肩パットが入っています。
生地のハリ・コシも手伝い、表層的にはノーマル仕立てのジャケットに見える事でしょう。
その生地が持つハリ・コシも手伝い、シャキッとした感じも確り残しているので、
タイが似合わないはずがありません!!
されど この服を手に取り、そして着用してみれば いつもと全然違うのが一瞬で分かります。
X様、如何でしょうか!
例の交織トラウザースと共に。
外での自然光下のもとでは、トラウザースの生地がもっと明るく 表情豊かになりますよ!
春や秋は涼しい時もあります。
インナーにはJ.スメドレーのカーディガン! 勿論加味してあります。
フロント釦を開けても そのフォルムは崩させません! 丸味感含め立体感が本当に綺麗です。
X様におかれましては 本当に喜んで頂けました。
頑張った甲斐がありました!!
次のご注文も是非ご期待下さいませ。
この度も素敵な御注文を誠に有難う御座いました。
・・・・・・・・では、GW期間も頑張ってお店を開店して皆様のお越しをお待ちしております。
どうかお気軽にご連絡頂けましたら幸いで御座います。
今週もお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。
来週は少し『濃い』お話ですよ!
次週もまた宜しくお願い致します。
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