こんにちは。
3月に入り、随分と春らしく成って参りました。
家族は花粉症が酷くなってきておりますので、そういった意味でも季節を感じます。
雨が随分と降りましたが、少しは花粉も落ちましたでしょうか!?
さて、本日は盛夏を含む爽やかな春夏用の生地を御紹介させて頂きます。
春や初夏までは良いのですが、盛夏になってしまうと 日本の夏は堪えますね。
クールビズも進み、楽と捉える方も多いでしょうが ダラしなく成ってしまう部分は否めません。
もう大人ですから、個人の自主性に任せれば良いだけの事とは思います。
では、昔の紳士達はどうでしょうか。
・・・・・1930年代の広告です。
COOL AND SMART と書いてありますね!
爽やかで清々しいです。
お勧めされているのは、春夏では今でも定番の WOOL TROPICAL WORSTEDS です。
こちらは、ややスポーティに格子柄の生地やバックベルトのスタイルも見受けられます。
ダーク系の色味も見てとれますが、やはり ご覧の様に明るく薄い色目の傾向になっているのが分かります。
必然的に そうなりますよね。
勿論ダークスーツは必要です。 しかしTPOに応じて季節感のある装いも是非楽しみたい所です。
今回ご紹介する生地、
この生地も大のお気に入りであり、今季春夏用の生地ではかなり一押しでもあります。
・・・・・細かな小格子柄であり、遠目には柄が溶け込んで ライトグレー に見えるでしょう。
単にソリッドでは無い、こういった表情がある生地には独特の魅力を感じてしまいます!
Savile Clifford
Wool:100% 275g
平織のウーステッドとなりますが、一見は千鳥格子柄 に見えます。
皆様と私の間では伝われば良いので、分かり易く千鳥格子でも全然良いのですが、正確にはちょっと違います!
少しだけ掘り下げて 生地の勉強をしてみましょう。
HOUND’S TOOTH = 千鳥格子
英語では猟犬の牙(歯)の意味であり、日本語では鳥(千鳥)が飛んでいる様に見えると言う事です。
しかし、本物の千鳥格子と見比べてみると
この柄は牙の様になっていませんね!
千鳥格子は綾織です。 この生地は平織であり TWO AND TWO という名称が付きます。
故に 厳密に言うと千鳥格子とは違う生地種(織り)と言う事に成ります。
強いて呼称を英国に聞いてみた所、
【 4 POINTED STARS 】 と返答がありました。
正に「見たまんま」ですが、十字型の星柄となります。
ですが、一般的には TWO AND TWO ですね!
この生地は乙な捻りが御座いまして、、、
生地の切端をご覧下さい。
この切れ端は、生地の横方向で切れています。
ケバケバと切端から織り糸が見えますが、これが経糸と成ります。
白:2本 黒:2本 と交互に配列されているのが分かります。
更に拡大してみましょう。
この写真ですと配列が良く分かりますね。
白白黒黒白白黒黒・・・・・
横糸も同じです! 2本ずつ交互に横糸を配列します。
なので TWO AND TWO という事ですね。
配色糸を使う事により、この様な独特の小格子柄が生まれます。
そして、ここがポイントです!
横糸ですが、実は 黒では無く 『 紺 』 が使われています。
白白黒黒の縦配列に対し、横配列は
白白紺紺白白紺紺・・・・と配列し 縦横で交織してあります。
千鳥格子含め、一般的には白と黒のモノトーン柄です。
しかし、そこにネイビーを入れると 一見では分からないかも知れませんが
微妙に爽やかな清涼感ある色味が生まれます!!
大きく拡大した写真をPCで更に拡大してみると、紺糸が見えますよ!
・・・・・次の特徴ですが
この生地は凄く反発力が強く、シャリシャリした感触です。
モヘアを混紡している訳でも無く、ウール100%なのですが
実は織り糸を かなり強く撚っているのです。 これを強撚糸(High-Twist)と言いますが、
そのお蔭により、皺に成り辛く、復元力も高くなります。
汗ばむ地肌に付いたとしても、サラッと心地良く身体を包み込んでくれます。
生地が薄いと皺にもそれだけ成り易く強度なども心配に成ります。
それらを補う素晴らしい技術でもあります。
・・・・・更に次の特徴ですが、やはり夏を加味した生地です。
少しでも涼しくありたいものです!
ご覧下さい!! 通気性抜群です。 だからと言ってインナーが透ける訳でもありません。
如何でしょうか、、、ここまで言われれば、快適でない訳が無いですよね。
・・・・・拡大写真では、かなりコントラストの効いた小格子柄ですが
大きく遠目で見れば見る程に柄は馴染み、沈み込みます。
右側の紳士、正にこんな感じのイメージとなるでしょう。
冒頭の広告にありましたが、正に COOL AND SMART を感じさせる紳士のスーチングです。
・・・・・そして、最後の特徴です。
こういった小格子柄は、スーツでお持ちであれば 何かと単品使い出来るのが嬉しい所です。
遠目にはグレー無地です。
様々な ODD JACKET に対し、今回の下物を ODD TROUSERS として是非合わされてみて下さい。
やはり 先ず基本は NAVY JACKET でしょうか!
丁度良いのが御座います。
・・・・・春夏用のODD JACKETとしては、定番的なメッシュ地です。
ザラッとした触り心地、敢えて起伏を持たせた織りをしています。
勿論 通気性は満点です。
Taylor & Lodge
SUPERFRESH
Wool : 100%
ウエイトは300gを超えています。
メッシュ地のデメリットとして、通気性が良いと言う事は それだけ生地に隙間が空いていると言う事です。
故にインナーが透けやすいのです。
この生地は、敢えて織り糸にボリュームを持たせ
生地自体に厚みと立体感を与えています。
ですから この生地では透けが気に成らないのです!
生地が薄ければ良いと言う訳では無く、皺感や強度、そして仕立てる事を加味した上でT&Lが出した答えを具現化した生地と成ります。
一着 こういったNAVY JACKETがあると、かなり重宝出来ますよね。
普段は上着を脱いでいても、御来客時などサラッと直ぐに羽織れたり
ゴルフやちょっとしたレストランなどでも、やはり上着が欲しいオケージョンにも良いですね。
先の 2&2-4PSに合わせてみました。
抜群に合います! 綺麗なコントラスト、安定感と安心感があります。
ネイビーとグレー、やはり鉄板です。
こんな清々しい ジャケットスタイル がご堪能頂けます。
・・・・・如何でしたでしょうか。
盛夏になると、もはや上着は一切着用されない職場もあるでしょう。
そんな時でも グレーのトラウザースは欠かせません。
今回の 2&2 はODD TROUSERS としても十分に能力を発揮してくれます。
お値段もなかなかお手頃です!
大切なワードローブを一着増やす、それも春夏用で、、、、
悩み所です。
だからこそ、一石二鳥でも三鳥でも狙えるネタほど嬉しい事はありませんよね。
余裕がお有りでしたら 是非トラウザースは2本あると良いです。
これだけ使いまわしが効くものですから損はさせません。
逆に、盛夏用にと 単品トラウザースのみでも 喜んで御注文を受け付けますので
どうか皆様の価値観により、お気軽にご相談頂ければと思います。
・・・・・では、今週もお付き合い頂きまして 誠に有難う御座いました。
是非お気軽に魅力ある生地達をご覧に成りに来て下さいませ。
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

