2016年05月10日

【 SEERSUCKER A 】



 こんにちは。
連休も終わり、皆様も通常の生活スタイルへとお戻りに成られた事でしょう。

立夏も過ぎましたので 暦の上では早くも夏に入りました。
梅雨までの長閑なひと時を楽しみたい所ではありますが、好天になれば早くも夏日を記録する日が出ていますね。

 これからは 少しでも快適にお過ごし頂ける夏の装いへとシフトして参ります。
最近では行き過ぎたクールビスへの懸念の声もチラホラと聞こえてくるようになってきましたが、皆様の職場環境では如何でしょうか。

ビジネスの場では、やはり相手あっての装いという部分を改めて再認識する事も大切な事だと思います!









 さて、先週は 夏の定番:シアサッカー について御紹介させて頂きました。

今週は具体的なスタイルや仕様等と共に、着こなし等も紹介させて頂き、シアサッカーの魅力を少しでも多く感じて頂けましたら幸いです。
















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・・・・・・・凸凹の陰影がとても魅力的で美しいシアサッカー地、
『らしさ』が存分に出ています。
その生地を軽く、柔らかく、立体的に仕立ててあります。


テーラードとは、アイロンをとにかく多用します。
2次元の平らな布切れをここまで立体にするには必要な道具であり、行為と成ります。

ポケット作りなどから様々な縫い目の処理、クセ取りなどアイロン工程は絶対に欠かせません。
 比べてみれば、大量生産される既製服とハンドメイドで仕立てられる服とでは
工程数と共に圧倒的なアイロン工程の多さが挙げられます。
多ければ多い程に良い服とも言えるでしょう。

しかし、サッカーは出来る限りアイロンを掛けたくないという矛盾と向き合わなければ成りません。
それが故に 仕立てが難しい生地の部類に入るでしょう。





ただでさえ融通性の低い植物繊維であるにも拘らず、ガッチリとアイロンを掛けると個性であるシボが無くなってしまいます!!

 ( 完全には無くなりませんし、ある程度は復活もします。 )

シボを確りと尊重して残しつつ、意図あるアイロン処理はこなす。
この 行き過ぎず、至らず過ぎない加減を常に気にしながら仕立てる必要があります。

生地の個性、それを理解の上で寄り添い こなす事こそハンドメイドの難しさであり、遣り甲斐ある楽しさでもあります!













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・・・・・・・私とって 例外はあるにせよ、
基本的にスーツは三つ揃いが前提となります。

その前提があって 臨機応変に着方を楽しみ、充実した装いを堪能しています。


 これからの季節、やはり欠かせないのは
ACORN社の名作の一つである CAMBIDGE のシャツです。 夏場は特にヘビーローテーションになります。

その CAMBRIDGE シャツにブラックのドット柄ボウタイを合わせてみました。


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・・・・・・・シアサッカーの着心地についてですが、
肌馴染み良く 素朴で落ち着きのあるコットン。
とても軽く、シャワシャワした心地が独特の感じで大変気持ちが良いです。

爽やかさと共に、涼しげな印象は満点です。

皺を気にしないで着用出来る事も『らしさ』であり、メリットでもありますね。
ブルゾンを着ているかの様に気楽に扱えます。
















シ4.jpg


・・・・・・・フロントデザインは、シングル-2釦のパドックカット
3-パッチポケットです。

コットンやリネン等の植物繊維は、ウールのように融通性が殆どありません。
こういった植物繊維は 敢えてミシンステッチの方が相性良いのですね。
 ステッチさえデザインでもあるのです。

強度と共に、お気楽でスポーティーな印象も与えてくれますね。
















シ5.jpg


・・・・・・・バックスタイルには 小さな遊び心と同時に、ちょっとした考慮を入れてみました。


ジャケットには大抵 背中心(背骨位置)にシームが入ります。
そのシームによって B/W/Hの差寸と共に身体の立体に対し、その縫い目を利用して埋め合わせると共に、身体のフォルムに合せる為 カーブ線を使って左右後身頃を結合させています。

これを肩甲骨へのボリューム、ウエストのくびれ、ヒップのボリュームへと包み込む様に立体成型させるのがクセ取りと成ります。



 ですが、これは【 ワンピースバック 】であり センターシームを排除してあります。
故に、背中は一枚裁ちされている訳ですね。

センターシームで担う役目(立体的カット)を、両サイドのダーツに振り分け、
背中をスッキリとさせ、軽くすると共に そのダーツのウエスト線より上は開けているので 融通性少なきコットン素材でも運動量として機能する事が出来るという機能的でもあるデザインとなっています。

同時に、上記で述べた様な クセ取りのアイロン処理も軽減される事に成ります。

 後でも触れますが、一石二鳥、三鳥にも繋がっているデザインとなります。


バックスタイルに対しても 程好いアクセントに成っていますね!!















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・・・・・・・釦はやはり白蝶貝の釦が鉄板です。
とても清涼感があり、貝の光沢が大変綺麗です。

釦ホールは勿論 手でかがりますが、ウール素材は基本的にシルク糸を使用します。
それぞれに同じ動物繊維でもあり、極一般的な事です。


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 しかし、植物繊維では敢えてポリエステル製のスパン糸を個人的に使用しています。
これは強度的にも強いのは当然の事、
シルク糸は光沢感があります。表地の素材感なども考慮に入れれば、コットンやリネンの様な素朴さ溢れる素材には 光沢が無く素朴でマットなスパン糸の方が相性良いのです!

言われなければ気付かぬであろう小さな拘りですね。














シ8.jpg


・・・・・・・ここも今回の大きな特徴です。

一般的な総裏仕立て、そして春夏用に良く見受けられる背抜き仕立て、
こちらは更に裏地の面積を減らした【 半裏仕立て / クォーターライニング 】と呼ばれる手法です。

更には 内ポケットでさえ片側しか付けていません。




今回は薄地の裏地をセレクトしています。
総裏仕立てと比べ、裏地一枚の有無で そう大きく涼しさは変わりません。

様々な裏仕様がある中で、どれをとってもメリット・デメリットはあるものです。
何を最優先にするかによって仕様をチョイスすれば良いのですね。

 裏地を減らし、少しでも軽く涼しく、、、、確かに裏地一枚分は軽く通気性良くはなります。

あとは見ための涼しさや印象の部分が大きく締めるでしょう。
「なんだか涼しそう・・・」 と思える、見える仕様ですね。

春夏用では こういった仕様もありますので、お客様にお見せ出来るサンプルとしても この仕様で仕立ててみました。
 ですが、個人的な好みは やはり季節に関わらず総裏仕立てです(笑)。






 背抜き含め、半裏仕様では、総裏なら普段は隠れている内側が当然露出される事になります。
その為に 様々各所の縫代処理など工程も増える訳ですが、、、、

先に紹介したバックデザインでは、センターシームを無くしてワンピ―スバックにしています。 実は この裏仕様にも適したデザインと言える訳です。




型紙(設計)が引けて 作れる(仕立てられる)人間においては
デザインや仕様など思いのままですから最強です。
 狙う、もしくは欲しい意図があり
伴うデザインや仕様、始末など幾らでも工夫が出来る訳ですね。
勿論 今回の生地のように主素材(表地)への考慮は言うまでもありません。


昔のテーラードは、もっと、もっと、もっと工夫や技術に富んだディテールや仕様に伴うデザインが沢山ありました。

それだけ多くの方々が当たり前にテーラードを着こなし、テーラーは拘りあるお客様方のご要望に応えようと生れてきたものばかりです。

淘汰されてしまったディテールやデザインも確かに沢山あります。
しかし、今ではそれらはリアルな歴史でもあり財産でもあります。
 このバックデザインも今回思いついて試してみましたが、遡ればどこかのテーラーが仕立てた事があるかも知れませんね!


ただし、忘れてはならないのは クラシックで当たり前のカットが大前提にある事、それの深き理解あってこそのバリエーションでなくては成りません。
 でなければ説得力無く、表層的で軽いデザインとなってしまう事でしょう。


















・・・・・・・シアサッカーの三つ揃い、一般的には流石に濃いかも知れません。
いや、むしろ暑いでしょうか(笑)。

 ただ、スーツでお持ちであれば様々な着こなしが出来ますよね。

シ9.jpg


取りあえずジャケットスタイルとして、
ミディアムグレーのODD TROUSERSと合わせてみましょう。
 サラッとしていて皺にも強い強撚糸使いのウールトロピカルです。

ベルトやベルトレスのスタイルで軽快にお楽しみ頂いても良いですし、好みによっては吊り用も勿論OKです。

 これであればビジネスシーンでも御着用できる方々は多いのではないでしょうか。


シ10.jpg



3Pに着慣れていると、ウエストコートが無いだけで十分に涼しく軽快に感じます。
爽やかで軽快な『夏の出来る男』を演出されてみて下さい。













シ11.jpg


・・・・・・・淡い色のアウターなので、インナーにダークな色を持ち込んでキリリと締めたVゾーンです。
 この様に 以前展開させて頂いたモチーフタイもサッカーには大変似合います。
















・・・・・・・如何でしょうか。 2週に渡り シアサッカー を御紹介させて頂きましたが、このクラシックなスタイルの魅力が伝わりましたでしょうか。


こうなってくると、やはりOFFのシーン含め
ノータイのスタイルでも当然着こなしたいものですよね。


 お任せください! 実は現在 新型としてスポーツシャツを開発中です。


Dittosなりの オープンカラーシャツとなります。

長袖、半袖が選べ、
裾はトラウザースにINして上着を、
もしくは盛夏含め シャツ自体がアウターとして トラウザースよりOUTで着用しても様になるシャツです。


 現在は 1stサンプルを作って頂いております。 やっとここまで辿りつきました。
サンプルが上がりましたら このBLOGでも御紹介させて頂きますので
どうか宜しくお願い致します。














・・・・・・・5月6日発売の6月号【MEN’S EX】さんにて
シャツ特集があり、光栄にもお声掛け頂き 弊店のシャツを御紹介頂きました。

毎度本当に恐縮ながらも嬉しいお引き立てに心より感謝を申し上げます。

 どうか皆様も宜しければ是非ご覧に成られてみて下さいませ。

MEN’S EX関係各位の皆様、誠に有難う御座いました。













・・・・・・・皆様、、、、大変恐縮では御座いますが
来週のBLOG更新をお休みさせて頂きます。

毎週楽しみにして下さっておられる方々におかれましては 本当に申し訳御座いません。

次回は、5月24日の更新を予定しております。

 どうかこれからも宜しくお願い申し上げます。





今週も誠に有難う御座いました。








posted by 水落 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Style | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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