2016年09月13日

【 SOLARO SUITS 】





 こんにちは。
9月も半ばに入りました。 関東地方は秋雨前線の影響により天候が優れませんが、
その分気温の上昇は抑えられ 湿度は高いものの 随分楽に感じます。















 さて、今年の3月には
英国 SMITH WOOLLENS による 【 ORIGINAL SOLARO 】 の御紹介をさせて頂きました。
http://dittos.seesaa.net/article/434408674.html


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 洋服好きの方であればご存知の事であろう この生地ですが、
イタリア生まれのイタリアらしい生地種であると思われていた方が多いのではないでしょうか。


しかし、実は20世紀初頭に英国のスミスウーレンズによって開発された英国生まれ、
英国発祥の生地なので御座います。

 その生地は、亜熱帯の植民地で働く英国人の為に 英国人が開発した生地となります。
表側はグリーン味のあるベージュ系であり、太陽熱を和らげる効果があるとされ、
裏側にレッド系を用いる事によって光や熱を反射させる効果があると言われております。


時が経ち、イタリアでは SOLARO の交織という部分だけがクローズアップされ、裏が赤ではない様々なバリエーションも織られていますが、本来ではそもそもの趣旨を外れてしまっているとも言えます。


 本来、この SOLARO という生地種は
ファッションという観点では無く、あくまでも実用性を念頭に作り出された 英国の服飾史にも足跡を残す とても重要な生地でもあるのです。






ただし、、、、、この強い日差しを念頭に入れた生地を 正に日本の夏において着用を考えた場合、実用性は高くとも そのウエイトは 355g もありますので、快適に着用出来るレベルでは無いのが現実です。




 スーチングとして 3シーズン用の生地が 300g として基準にすると、
春夏用は やはり200g台ですし、秋冬用となれば 350g以上などは普通でもあります。




355g
折角の素晴らしいこの生地を楽しむには、春
そして敢えて秋冬にも御着用頂くべきだと 皆様にお勧めさせて頂きます。


正に日本ではこれから!
涼しくなってからこそ ご堪能頂くべき生地(ウエイト)でもあり
快適に気持ち良く ORIGINAL SOLARO を味わって頂きたいと思います。















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・・・・・赤い裏側が特徴である同生地、ヘリンボーン柄を確りと合わせながら
いざ裁断です。













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・・・・・英国地らしく、確りと打ち込まれたコシのある大変素晴らし生地です。
こういう生地はとても仕立て映え致します。


裁断が終わり、先ずは身体のフォルムに合わせ 確りとクセ取りを行います。
縫い合わせて行く前に、先ずは平面であった生地を立体へと地の目を動かします。

このパーツは後身頃であり、肩甲骨の隆起している辺りから縦半分に畳んでいる状態です。
手前がネック側、奥が裾側と成ります。

手前から
肩甲骨のボリューム、腰の括れ、ヒップのボリュームへと立体的に成形(クセ取り)して参ります。

生地種や織りなどにもよりますが、ウールは柔軟性に富み 復元力をも併せ持っています。
クセ取りは多少抜けてきますので、予め強めに確りと成形させておきます。













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・・・・・ラペルのロールを一針一針メモリーさせつつ、生地と芯を結合させるのが ラペルのハ刺しです。場合によっては増芯も使います。

地味な作業にも、それぞれに意図があり、縫い糸や縫い方なども違って参ります。













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・・・・・ラペルの裏側です。
ハ刺しは、生地厚の半分位までをすくって縫います。
裏に糸が飛び出してはなりません! ポチポチと足跡の様にすくった跡が見えますね。
 確りと生地を拾っていなければ意味がありませんが、縫い糸が裏に出てしまってもダメです。

故に生地が薄くなる春夏生地程に難しいという事になります。












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・・・・・無事にラペルハ刺しも終わり、次は端打ちテープです。













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・・・・・前後の身頃を脇で縫い合わせ、確りとクセ取りを行い処理致します。
縫代もたっぷりと付いています!

しかし、たっぷりと付ければ付ける程に、
また ウエストのシェイプが強ければ強い程に それら縫代はツレてしまいます。

 これを補う技術も実は縫代のクセ取りなのです。

裁断時は直線であったヘリンボーン柄も
流れる渓流の様に蛇行しているのが見てとれますね。

裁断(型紙)には、その方なりの各所ボリューム分量が加味されて設計されています。
その分量を適切な個所へ促すという事になります。














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・・・・・釦ホールをかがります。
表立った顔に位置する釦ホール、結構気を使いながら丁寧にかがって参ります。

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・・・・いよいよ仕立て上がりました! ここまで随分と長かった、、、。

正に玉虫色の様な この交織独特の色調、
光の角度や加減で醸し出される色の表情は独特であり、本当に魅力的だと感じます。
















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・・・・・私にとって、やはり前提とすべくは三つ揃いです。
355gの3P、真冬でも十分に御着用頂けます。

ソラーロは裏の赤味が浮き出ますから、暖色であるその赤味は逆に秋冬の雰囲気も十分に感じられるのではないでしょうか!















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・・・・・内部芯は敢えて柔らかくしつつも、
デザインは パドックカット、袖口にはターンバックカフを携え
あからさまに英国的なデザインでまとめてみました。


SOLARO、英国生まれの歴史ある生地ですから
あえて英国らしさを大事にしました。




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この角度は赤味が出ますね。

カフの柄合わせもバッチリです。
袖口をホールドするカフの外回り量は、多過ぎても 少な過ぎてもいけません!
生地の厚さによっても随分変わりますので、こんな所でも目に見えぬ技術が確りと内蔵されています。

 カフは 気が変われば外す事も可能ですし、残布があれば交換も出来ます。
このBLOGでも御紹介させて頂いてからは随分と御注文の増えたディテールです。













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・・・・・このスーツは、GQ様よりお声掛け頂きました撮影でも着用致しましたが、それはそれで企画がありますので 今回の着こなしはシンプルに SOLARO が引き立つ様 まとめてみました。



白いシャツに、ネイビーベースのプリント小紋柄タイ
チーフには3者混の新しいポケットスクエアを!
http://dittos.seesaa.net/article/440857510.html

これ、マットで 薄く、本当に良い感じです。




バス芯(馬の毛を利用した増芯)を敢えて入れていませんが、
胸部の立体感と共に、ウエストへのシェイプに繋がるフォルムは技術の賜物です。















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・・・・・肩は左右同じ様に、かつ自然に乗っていなければ成りません。
私は右肩下がりですが、お分りになりますでしょうか。

左右非対称に仕立てていても、度合いにもよりますが 着用してしまえば殆ど認識出来ない事でしょう。
反面、肩が非対称なのに 服が左右対称であれば、それこそどちらかに歪の皺が生まれる事になります。


上衿はシャツのカラーへ寄り添う様に、、、
身頃と上衿の柄合わせも完璧です。













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・・・・・ウエストコートはシングルの5釦全掛けという
少しOLDなデザインで!












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・・・・・今回の上着は総裏仕立てです。
背抜きにでもしなければ、特徴である生地裏の『赤』は見えませんね。

選択した裏地は、その裏赤さえも彷彿させる
赤×緑の交織ヘリンボーン柄を選択しました。

これは SOLARO にベストマッチングな裏地の一つだと思います!













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・・・・・ゆったりとしたシルエットの 2-PLEATS TROUSERS
後はハイバックスタイルで仕上げ、お尻のポケットは排除してしまい サッパリとさせております。













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・・・・・足元は福田さん製のフルブローグで!

交織の独特ないやらしい感じに、新しく作って頂いたリザードスリッポンなども凄く合いますが、今回はベーシックに。

ソックスについては、トラウザースか靴への合わせが基本とされていますが、
シャツやタイに合わせたり、その他生地のテイストなどに合せたりと チョイスを楽しみ、遊べる重要な小物でもあります。


 良い服に、良い靴、
ソックスは そんなに目立ちはしませんが、かなり重要なアイテムでもあります。
装う事を楽しまれる御方ほど、沢山お持ちの事でしょう!















 如何でしたでしょうか。


 イタリアのスタイルや生地の多くは、殆どの場合 イギリスから来ているとも言えますが、
オリジナルの説得力には敵いません。

勿論 好き・嫌いはありますので、個々の価値観が前提ではありますが、
歴史というストーリーある生地を纏う楽しみと喜びを是非お試しに成られてみては如何でしょうか。






季節柄、ずっと薄くて軽い服を着て参りました。
この打ち込み確りとした秋冬ウエイトの心地良さが新鮮でなりません。


早く寒くなって欲しいです!!




伊のソラーロ風
そして、英のオリジナルソラーロ

英国製の生地でも、スミスウーレンズ製でなければソラーロ風という事になり、サンクロスと呼び名が変わります。

 洋服好きな皆様には是非オリジナルをご堪能されてみて下さい。


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 装いの秋冬、もう目の前です!


皆様のお越しを 心よりお待ち申しあげております。

どうも有難う御座いました。















・・・・・先月には BESPOKE GLOVES の受注会を行わせて頂き、本当に沢山の方々にお越し頂きました。

私の予想を遥かに超える多くのご注文を頂く事が出来まして、本当に心より光栄に思っております。 誠に、誠に有難う御座いました。

 そして同時に、多くの皆様がグローブに対する既成サイズへのご不満が多い事も痛感致しております。
ですよね、、、それが既製サイズという事です。

 今は完全に私の手を離れました。

正真正銘の MADE IN ENGLAND です。
後は CHESTER JEFFERIES のカッターさん含め、職人さん方を信じて待つだけです!!



先日 無事に先方様へオーダー受け取りの確認が取れております。
御注文の9割以上は手縫い仕立てです。 故に少し時間が掛かるとの事でしたが
10月末迄には耳を揃えてご納品したいとの返答を頂いております。


10月末、、、、遅れれば 11月の頭に食い込むかもしれませんが、
この辺りを念頭に どうかお楽しみにお待ち下さいませ。



 何卒宜しくお願い申し上げます。




posted by 水落 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Style | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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