2017年05月23日

【 POSTBOY WAISTCOATA 】




 この春 GQ中国様 より光栄なるお声掛けを頂き、取材・撮影をして頂きました。
いよいよ見本誌が届きましたが、やはりお国違えば見慣れたGQさんも随分とカラーが違うものです。


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 当たり前ですが、ほぼ全て漢字です! 全然分かりません(笑)。


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様々な違いが見てとれますし、色々な事が感じられます。
日本の書店では売っていないと思いますので、ご興味のある御方は是非店頭にてご覧になられてみて下さい。

 この度は光栄なるお声掛けを頂き 心より感謝しております。
















 さて、今週は POSTBOY WAISTCOAT の続きをお話させて頂きます。

http://dittos.seesaa.net/article/449698302.html
( ↑ 一話目を見逃した御方は、宜しければ上記ページよりご覧頂ければと思います。)














・・・・・随分と気温も上がってきております。

既に麻混紡のスーツ類は快適です!

また プラスフォー を合わせての やはり麻混で仕立てたスポーツスーツですが、これに 毛・麻・綿 からなる3者混の POSTBOY WC を合わせてみました。


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 グレーのスーツ(千鳥格子)に爽やかなブルー地がとても良く映えます。
軽くて薄く、素材感も雰囲気抜群です。 是非お勧めで御座います!


WCの生地は BATEMAN OGDEN です。 下記ページで御紹介させて頂いております。
http://dittos.seesaa.net/article/449300370.html





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シャツはスイスの名門 ALUMO より、麻:100%のシャツで これはラミーになります。
ツイル織りであり、やや光沢感があります。


タイは今季春夏用にデビューした やはり麻を混紡したシルクです。
清涼感溢れるブルー系統でまとめてみました。


(お陰様により 麻混新作タイは全て完売となっております。皆様 誠に有難う御座いました。)













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・・・・・このウエストコートは、当然シアサッカーにも抜群の相性です。
http://dittos.seesaa.net/article/437439735.html
http://dittos.seesaa.net/article/437684692.html

同系色であると共に、素材感でも植物繊維同士の調和があります。












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・・・・・では POSTBOY STYLEを簡単に振り返ってみますと
シングル5釦、衿付きのスタイルであり、特徴は上下を分断するウエストシームにあります。
 そのシームを利用し、第5ホールと腰ポケットが作られております。
ウエストシームより下部のスカートがある事にもより、全体的に着丈が長めの設定でデザインされている事も大きな特徴の一つと言えます。







 この度、大変御贔屓にして頂いております S様より、
LOVAT TWEED(ダイヤ柄)による三つ揃いのご注文をBESPOKEにて頂戴致しました。
 いつも素敵な御注文を心より光栄に思っております。



 今回は気軽に2Pでも着用出来るようにと、敢えてトラウザースは吊り用では無く、ベルトレスで仕立てつつ ウエストコートを POSTBOY のスタイルでと御注文を頂きました。






 では 少し仕立てについても覗いてみましょう!












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・・・・・胸部の上パーツと、スカートの下パーツで分断されています。
上パーツは先ず胸のダーツ処理を、そして下パーツには予め作ったフラップをセットし ウエストシームで上下を合体させます。

このウエストシームを縫う際には、シームホールと腰ポケットが同時進行でなければ成りません。












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・・・・・胸ポケットも出来た所で前肩グセ含め 立体的にクセ取りした後、芯据えを行います。
ウエストシーム部から上下に立体的なボリュームが出ているのが写真からも分かる事と思います。















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・・・・・ラペルや衿は 上着とかなり似寄りな作り方となります。

ラペルの折り返るロールを生地にメモリーさせるべく、
一針一針とハ刺しを行い、端打ちテープ(キャラコ)で伸び止めと共に出来上がり線を確りと確定させます。


返り線の奥には、やはり伸び止めとなるテープが見えます。
このテープには色々な狙いを担わせている大切で重要なテープでもあり 欠かせぬ存在です。












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・・・・・これは左側前身頃、前端のウエストシーム付近です。
第5ホールとなるシームホールの開く位置には、予め芯をくり抜いておきます!












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・・・・・ラペル(身返し)も据え、上衿も据えました。
あとは上着同じくゴージラインをハシゴ祭りで閉じて参ります。












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・・・・・はい、立体的に仕立てられたフラシ芯による POSTBOY WAISTCOAT が組み上がりました。
 これでS様のご来店をお待ち致します。











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・・・・・ウエストシームがクッキリと確認出来ますね!
腰ポケットも腰の丸みをホールドし 出来上がっております。



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ウエストシームを基準に、胸部への立体的なボリューム
そして腰へ繋がる様に広がるスカート、これが POSTBOY WC です。














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・・・・・格子柄の場合は、勿論上下パーツの連動やフラップなども柄合わせします。
柄物だと、柄の主張が先行しますので ウエストシームはあまり目立たなくなりますね。













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・・・・・左が前身頃、右が裏地の後身頃となり、脇線の写真となります。
脇の裾には深めのスリットが切られ、これはサイドアジャスターが付けられています。

先の麻混ブルーも、こちらの格子も愛弟子が仕立てました。
新しい仕様を学ぶ為です。 なので私の私物で練習です。
技術がまだ伴わなくても、失敗しても私のですし、出来上がりは急ぐ必要もありません。

出来上がれば 私が着用する事により 仕立てた本人は間近で自分の仕立てを客観的に確認する事が出来ます。

また、私自身は技術的なテクニックだけでは無く、着用する事により気付く点においてもフィードバックする事が出来ます。


 大切な顧客様のご注文に触れるという事は、私と同等レベルまで精進してもらう必要がありますので こういった過程は不可欠でもあるのです。

 ディテールを覚える為にも一応アジャスター類を練習の為に付けています。
私個人的には無くても良いのですが、、、。












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・・・・・サイドアジャスターのベルト部にハンドステッチが見えます。
これは背中(後身頃)の表裏を結合させる為に縫われています。

後身頃は 基本的に表側が裏地であり、内側となる裏地(裏側に使用する綿地)により構成されています。(ややこしくて分かり辛いですね。)

ウエストをアジャスターで 『絞る』 となれば、表裏二重となる後身頃を 表側だけでは無く、裏側も同じ様に絞られなければ成りません。(表裏で連動していなければ成りません。)

 故に、こういったステッチ等で表裏生地を合体させているという事になります。














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・・・・・こちらは背中の裏側(内側)となります。
グレーのカマボコの様な裏地が右側に見えます。
これはスリット部です。


ウエストコートを仕立てる際、内側となる生地は古よりコットン地が多く使われています。
強度もあり 優しく自然な肌触りと共に、安定感が高く 支え的な役割も担います。
 上記以外にもいくつか挙げられる理由も御座います。

 これは春夏用なので かなり薄地のコットン(ローンスレキ)を使用しています。
( WCにもJKの様に 背抜き仕立てというのもあるんですよ!)


この様に 表裏で違う生地種を主として使う事を前提とした場合、その多くは表と裏で色が変わる事が通常となります。
何故なら、内側に使うコットン地を外側の裏地へ几帳面に色合わせしないからです。


左側になんだか縦にジグザグの不自然極まりない縫い糸が見えますでしょうか。


 先の写真では、サイドアジャスターの所で表裏を止めるハンドステッチがありました。
裏地(表側)の色に合せた色糸で そのハンドステッチを入れた場合、この内側には配色となってしまう その色糸が不自然に出てきてしまいます。

それを内側生地と同色の糸でわざわざ縫い隠しているのですね。
古きサビルローの仕立てでも行われていましたが、今でも行われているのでしょうか。

 芸が細かいですね。




まぁ こんなディテールも『学び』として伝承です!




そしてスリット部も同様の考え方です。(右側のカマボコですね。)
スリット部はチラッと裏側(内側)が見えたりします。

背中の表側がダーク色の裏地、内側がクリーム色のコットン地、
ダークスーツのWCでは通常です。
 そんな時 そのチラッと見える内側のクリーム色が目立ちますので、予め内側にも部分的にその裏地を付けておけば不自然に配色となる内側のクリーム色が見えないという事です。

更に スリット止りは どうしても力が掛かりますので、たった裏地一枚でも
力芯としての機能も果たしていると言えます。





 全て古の 偉大な先人達からの素晴らしきテクニックによるものです。
手間(工程)がどんどんと増えるばかりですが、理に適った意図あるからこその手間なのです。

だから本質的手作りのBESPOKEはどうしても時間が掛かりますし、高額にもなってしまいます。



最後にもう一つ、裾上げがあります。

表側の裏地が内側へ折り返ってきていますね。
裾線が縫い返し線ではなく 『 控え 』が付いて上げられているのです。

これにも理由があり、意図的な手法となりますが 皆様もうお腹一杯ですよね(汗)。
この辺にしておきましょう。


 BESPOKEのレベルはキリがありませんよ!














・・・・・では最後に、S様のPOSTBOY WAISTCOATと共に、素敵な3P-SUITS をご覧頂きましょう。

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軽く段返りで と リクエスト頂きましたベーシックな3釦の上着によるツィードスーツです。 TWEED FESTIVAL の生地ですね。

Vゾーンの合わせもカントリー調でまとめて頂き 滅茶苦茶に格好良いです!
鉄板のカントリースーツ スタイルですね、惚れ惚れします。



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ベルトレスのトラウザースに合わせ、このPOSTBOYです。
股上浅きベルトレスでも十分にバランスが取れた上で御着用頂けております。

 これが大いなるメリットの一つです。












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・・・・・・バックスタイルからも丈のバランス、トラウザースとの調和がお分り頂けますね。
S様はアジャスター排除でリクエスト頂きました。

身体に合っていれば不要なディテールでもありますので、有無は自由に御選択くださいませ。



 そんな事よりも、、、WCの裾からベルトやシャツが絶対に見えては成りません!!




S様、この度も羨ましい素敵な御注文を誠に有難う御座いました。














・・・・・如何でしたでしょうか。

これで POSTBOY WAISTCOAT というスタイルも覚えて頂けましたでしょうか。

しかし、今のところBESPOKEのみでしかご注文頂けません。

HOUSE STYLE ORDERでも工場さんにリクエストはしておりますが、もう少し時間が掛かるようです。
今は工場さんの状況が整うのを待ち、少しでも早くHS ORDERでもご注文頂けるよう 新型として検討・進行中で御座います。

 もう暫くお時間を頂戴致します。










 では、今週もお付き合い頂きまして誠に有難う御座いました。



来週のBLOG更新は 誠に恐縮ながらお休みとさせて頂きます。

次回は 6月6日(火)の更新を予定しておりますので、引き続き宜しくお願い申し上げます。





posted by 水落 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Style | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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