2018年03月27日

【 S・S SHIRTING 】



 こんにちは。
先週の秋分の日には都心でも雪が降り、急に真冬の寒さが戻りました。

かなり驚きましたし本当に寒かったのですが、今度は例年よりも随分と早く桜の満開を迎えております。




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青山霊園:3月26日撮影


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 さて、3月もいよいよ後半に差し掛かり 来月は入学や入社など 新しい門出へと旅立つ時期と成って参りました。

本格的な春夏を前に、シャツ地のサンプルも出揃った次第です。
 今週は改めて春夏を感じさせる素晴らしいシーズン ファブリックを御紹介させて頂きます。





 シャツ地もスーツ地も同じですが、マーチャントが展開している多彩で魅力的な生地のコレクションは お客様よりお選び頂き、その着分のみをカットしてもらいインポートする形態がとられています。

 その多彩なコレクションは魅力的であり、独自の別注生地等も多く存在し 付加価値的な様子が強い事も特徴ながら、在庫リスクやカット手数料、そしてやはり1着分のみでのインポートによる送料により高かめになりがちな事と共に、手元に届くまでにはそれなりの時間を有する事は否めません。

 反面、国内の生地屋さんがリスクを持ち 1着分では無く 原反で生地を買い付け、サンプル帳を作って私達へカット売りをさせて下さる形態も御座います。

 この場合は、着分では無く 原反で仕入れる為に純粋な生地値を抑える事が出来ますし、その原反仕入れ一回分の送料しかインポートによるコストが掛からない事になります。
また、既に国内にあるのですから 発注すれば次の日にはお届け頂けるのです。
 とても大きなメリットがあり、有難い限りです。

反面、デメリットを探せば マーチャントよりはどうしてもコレクションの量自体は及びませんし、その買い付けた原反が品切れになった場合は奥行きが少なく基本的には売り切れ・品切れとなります。
 人気のある生地であれば売り切れも早いという事になりますね。


生地屋さんにも色々な形態があり、それぞれにメリット・デメリットが御座います。


今回ご紹介させて頂く生地屋さんは後者にあたり、随分と昔から本当にお世話になっております。
 今期春夏用の生地はどんな感じでしょうか!

マーチャントよりは少ないといっても、相当量を抱えられており 見応えのあるコレクションとなっておりますので、私個人の目から見た価値観により一部抜粋して御紹介させて頂きます。











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・・・・・イタリア:ALBINI
 イタリアを代表する3大シャツ地メーカーの一角を成す同社は、1867年創業の老舗であり 英国のメーカーであった トーマスメイソンや、DJAも1911年に同社の傘下となりました。
幅の広いコレクションと質も高さはいうまでも有りません。

通年使いのコットンポプリンシリーズより、多彩でクラシックなストライプシャツ地が先ずは目を惹きます。 無くてはならない存在ですね。











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・・・・・イタリア:ALBINI
そんなストライプシリーズの中より、個人的なお気に入りを一種!

ベースはACORNのCAMBRIDGEを思わせる様な通気性の良いメッシュ調に織り上げられ、紺の爽やかなダブルストライプが大変清々しい!

 ダークスーツに限らず、春夏だからこその明るめなスーツやジャケットに合わせても 良い意味で確りとした主張もしてくれるクラシックなストライプです。
肌触りも良く、涼しく、正にシーズンファブリックなシャツ地で御座います。












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・・・・・イタリア:ALBINI
 これは渋いですね、珍しいモノトーン柄のストライプです。
ネイビーのスーツにブルーの縞シャツを合わせるべく
グレーのスーツにグレーの縞シャツ、これがまた品が合って素敵なのです。

グレー系のシャツがお好きなS様、グレー系は数少ない部類に入りますので このシャツ地などは大好物ではないでしょうか!










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・・・・・イタリア:ALBINI
 淡い色目が魅力的な 変化ヘリンボーン柄です。
朱子織でしょうか、シャドーストライプになりますが その織縞が光にかなり反射しますので綺麗に浮き出ます。

 色気のあるシャツ地ですね。












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・・・・・オーストリア:GETZNER
 アルプスの山に囲まれたブルーデンツという小さな町にあるそうです。
良いシャツ生地作りに、良い水は欠かせません。
一味違った個性的な生地なども多く手掛け、それこそ世界的にメジャーな多くのデザイナー含め様々なメーカーとの取引があります。

 春夏の定番素材でもあります このスラブ糸使いの生地。
この節が特徴であり 不均一な太さから、生地にも隙間が空きやすく それだけ通気性も良い事になりますし、何よりも見た目が大変涼しげです。

リネンっぽくも見えますが、コットン:100%です!













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・・・・・オーストリア:GETZNER
 このシャツ地も節が見えますね。

綺麗にまとめられた爽やかな配色の格子柄、ジャケットスタイルには欠かせぬ存在です!












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・・・・・イタリア:ALBINI
 プリントコレクションをチェックしていると、、、
小花柄の可愛くて上品なプリントシャツ地がありました。

地はピケの様なコード織りであり、独特の存在感があります。
 様々なプリントシャツ地がありますが、こういった小紋的な柄は派手すぎず上品でもあり、スポーティーな装いには強過ぎないアクセントにもなって使いやすいです。












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・・・・・イタリア:Leggiuno
 ここは遊び心あるシャツ地にも強く、プリントシリーズのバリエーションも多彩に展開されているメーカーでもあります。

 そんなレジウノ社より、目がチカチカして 頭が痛くなってきそうなシャツ地を発見!

数字に強い方、好きな方は是非!! 
面白いのは『 3 』だけブルー使いである事、そして砂漠の中のオアシスの様にさえ感じられる 『 てんとう虫 』。

何で てんとう虫!? 何故みどり!?  これだけゴチャゴチャしているからこそ目を惹きますね。
 一着のシャツになった場合、てんとう虫は何匹入るのでしょう(笑)。











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・・・・・スイス:ALUMO
 老舗の名門が登場です。
環境問題にも熱心なスイス、綺麗な水と空気、、、
手摘みの綿花を使用し、ホルマリンなどの薬品さえも使わず、かなりの拘りと丁寧さで織り上げられるその生地は 正に名門と呼ぶにふさわしく、未だに旧式の90p幅織機で織られた生地が主流だそうです。

春夏では、同社のローンやボイルのシリーズは欠かせぬ存在です。
美しく、見ているだけでウットリする生地は そうそう御座いません。











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・・・・・スイス:ALUMO
 ローンやボイル、シャツがお好きな方で無ければ聞きなれない生地種かも知れません。

ローンは、細番手の糸を使い 撚りや織り方に工夫を凝らし、通気性に特化した微密な平織生地の事を指します。薄地のハンカチなどにも使われているので、知らず知らずに手にされた事もあったかもしれませんね。

そのローンに使っている糸の撚りを更に数倍撚りを強く掛けた『強撚糸』使いの生地、これがボイルとなります。
 その強撚糸により生地にはコシが生まれ、独特のホワッとした感触があり、皺にも強い事になります。


 この独特で特化した生地種は、存在するどのシャツ地よりも涼しい事は間違いありません。これだけ薄地で通気性も良く、着ている事すら忘れそうですよ。

反面、透けます!










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・・・・・スイス:ALUMO
 三つ揃いを御着用であれば何の問題もありませんが、
透けを気にされる場合は、色物、柄物(織り柄含む)がお勧めです。

ローンやボイルの大いなるメリットはデメリットとも隣り合わせではありますが、このシリーズに付きましては 是非とも一度はお試し下さい!

 名門の作り出す銘品です、長きに渡り評価を受け、未だに欠かせぬ存在でもあるには それだけの説得力があるという事です。

私個人も夏場は登場回数が多くなります!











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・・・・・ポルトガル:SOMELOS
1958年創業の比較的に新しいメーカーです。ここはシャツの縫製も手掛けているそうです。
生産される生地はシャツ地のみに限らず、スーツやジャケットにも使える生地を織られています。

 シアサッカー、これも春夏を代表する生地でありシャツ地でも清々しいですね。
ソメロスのサッカーは、先に触れたように スーツ用として使われるシアサッカーも有名です!











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・・・・・イタリア:Grandei & Rubinelli (G&R)
 きました、リネン混のシャツ地です。

リネンの涼しさと清涼感をコットンにブレンドしました。
リネンの混率は 35% です。

グランディ氏とルビネッリ氏は、もともと伊:TESTA社にてシャツ地を生産していたそうですが、『より品質の良いシャツ地を自分達で!』と独立し1990年に創業されました。

 腕や知識等の経験値、そしてそれまでの人脈などを生かし この短期間の間に大手シャツ地メーカーと渡り合えるレベルまで成長して参りました。

 このリネン混はビジネスシャツとしても十分に使え、ON・OFF問わず
快適で素晴らしい着心地を与えてくれるシリーズとなっております。

 淡い無地のシリーズから、クラシックのストライプまで十分なコレクションです。












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・・・・・イタリア:G&R
 そのリネン混の中でも、これは個人的にお勧めです!

素材感の涼しさ、色味での清涼感がクラシックにまとめられ、かなり格好良いシャツになる事でしょう。











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・・・・・・・・・・イタリア:Leggiuno
 上記でも、プリント柄で同社の生地がありました。
このシリーズは リネン:100% です。

かなりのプリント・バリエーションが揃っております。
リゾート地などで着たくなりますね。 中には迷彩柄も!












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・・・・・イタリア:ALBINI
 このメーカーも冒頭に出て参りました。

リネン:100%による格子柄です。
デニムにもサラリと合されて下さい。














・・・・・以上となります。

今回の御紹介に入っていない素晴らしい生地は まだまだ沢山御座います。

 ON用、OFF用、そして兼用にも出来るシャツ地含め
魅力的な生地が今年も揃いました。

是非お越し頂き、シーズンファブリックを大いに堪能しながら装いを楽しまれて頂けましたら幸いです。

 皆様のお越しを心より楽みにしております。


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・・・・・誠に恐縮ながら、来週のBLOG更新はお休みを頂戴致します。
申し訳御座いません。

次回は、4月10日(火)の更新予定です。

 どうか引き続き 宜しくお願い申し上げます。




posted by 水落 at 09:00| Comment(0) | 生地について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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