2018年05月01日

【 H様の 5P-SUITS 】



 春の大型連休に突入しました!
今年のゴールデンウィークは、本日と明日の両日を休めば 何と最大9連休との事!

 皆様におかれましては どんなご予定が御座いますでしょうか。

当店のGW期間につきまして、定休日以外は通常営業となりますので
時間がお許しになるお方は 是非お気軽にお声掛け下さいませ。



ハイキングや山登り、釣りやゴルフ、サイクリングなど 身体を動かすにも清々しく、夏のように暑過ぎず、丁度良い季節でもありますね。

こういった様々なスポーツシーンにおいても 昔は常にスーツ(テーラード・クロージング)を着用していました。


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 そんなクラシックな装いを重んじる紳士は時代が進むにつれ少なくなりました。
スポーツウェア(アウトドアウェア)等はそれぞれの道で独自の進化を遂げている昨今では御座いますが、今週は 洋服好きな紳士がチョイスするクラシックな『 遊び着 』(スポーツスーツ)をご紹介させて頂きましょう。


















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・・・・・大変羨ましい 5P-SUITS のご注文を下さりました H様は、英国での生活も長く 大変博識で才能に溢れる御方です。

英国では お若い頃よりBESPOKEを嗜まれ、ハンティングも御経験されて参りました。
今年に入り約4か月、もう既に何度ディナースーツに袖を通された事でしょうか。
 御交友関係も偲ばれる所で御座います。

英国贔屓は筋金入りながらも、逆に物作りの衰退にも心配が尽きません。

 そんなH様よりのご要望は、古き良き時代の優雅な +4(プラス・フォーワーズ)を含む 5P のスポーツスーツで御座いました。

真っ先にイメージされるのは やはりツィードだと思います。
しかし、先ずは春・秋がメインとなる生地にて、タウンユース含め 着用期間の広さと共に大いに活用したいとの事で生地をお選び頂きました。




PORTTER & HARDING

GLORIOUS TWELFTH


ALL WOOL : 340g

Made in SCOTLAND






 P&Hにおける様々なツィードのコレクションは、紳士の嗜むカントリースタイルにとって欠かせぬ存在です。
 その世界観をオンタイム含め 気軽にタウンユースでも愉しめる様に開発されたのが
今回の グロリアス・トウェルフス というシリーズになります。


ツイードやフランネルには欠かせぬ紡毛では無く、梳毛のメリノウールで織り上げられているのが特徴です。

 生地は薄過ぎず、厚過ぎず、皆様も着慣れたビジネススーツ地と同じ様な質感ながら
色や織りなどのデザインにおいて 同社の誇るカントリーの世界感が確りと表現されているのです。

この度のH様にリクエストにはピッタリではないでしょうか。


















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・・・・・中仮縫いまで来ました。
デザインもカントリーテイスト満点です!

柔かなグリーンベースはヘリンボーン柄となっており、
赤とオレンジでのウインドーペーン柄が重ねられています。



















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・・・・・いよいよお仕立て上がりです!
シングル 3釦、本返りのノッチドラペル。
上衿は閉じられるように スロートタブが付きます。


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ポケットは 3-パッチポケットながらも、腰のみフラップ付きにしつつ やんわりと傾斜を付けた スラントのパッチ&フラップ・ポケットはH様の拘り所!

袖口には ターンバックカフを携え、バックデザインは勿論プリーツ入りのピンチバックです。鏡に少しだけ写し込んでいますね。


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・・・・・胸、そして腰のパッチポケットは全てインバーテッドプリーツが内蔵されております。

ウインドーペーン柄をご覧ください。ボディーと、そしてフラップと共に全てが柄合わせされています。

 これ、当たり前の様でかなり手間が掛かっています。
パッチポケットのプリーツは、横柄のみを合わせて襞を畳めば、縦の赤縞はボディーの柄、フラップと縦柄が合いません。
パッチポケット自体の前側・脇側での縦柄も勿論連動しません。

そこで、そのプリーツを境に前側・脇側の左右で互いに柄を合わせたパーツで裁ち合わせをし、奥襞となる向う布をも横柄合わせで裁ち合わせ、内側で繋ぎ合わせているのです!

 なので、プリーツが畳まれているにも拘らず、ここまで完璧に柄が合っているのです。
(格子柄ゆえの一手間となります。)


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胸のパッチポケットはフラップ無しですが、プリーツは内蔵されております。
綺麗に柄が合っていますね! 勿論 腰ポケットに同じく手間を掛けます。


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技術的な部分では もう少し突っ込みますと、既製服でもこの形状たるポケットはあります。
その既製服仕立ての服は、人間が着用すればプリーツは少なからず開くでしょう。
 それはフラットで仕立てられている為、円柱である人体が着れば外回り量が発生してプリーツ口が開いてしまいます。
(分かりやすく言えば立体縫製をされていないという事になります。)

ハンドメイドでは、当たり前に立体的なポケット作り、そして立体的な芯据え等を施し、当たり前に発生する外回り量を加味した上で仕立てられます。
故にプリーツは着用されても確りと口を閉じているのですね。

チーフやグローブなど、ポケットに物を入れなければ開きません。
 これが正しき あるべき姿でもあり、当然ながら手間や工程数と共に、そもそもの完成度の違い、物作りのステージの違いとなります。

些細な事かもしれません。お気づきに成らぬ方の方が多い事でしょう。
専門技術であるテーラードは、そんな些細な配慮の大いなる積み重ねにより仕立て上がっているのです。

















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・・・・・背ベルトを挟み、ネックから裾までインバーテッドプリーツが畳まれています。
実はこの襞自体もベルトを挟み、背側と尻側で襞幅を変えています。
それも、これも理由があり、それらを最大限に尊重するからこそ 手間は惜しみません。

腕を前に出す可動域は当然広くなり、かなり動きやすく、やはりスポーツスーツの類には この様なアクションプリーツが多数存在致します。


















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・・・・・お尻の部分のみ裏地を抜いてあります。
背裏地は、背のベルトをホールドする所まで。 これは ここまで広き尻部プリーツの開き(動き)に対し、裏地を干渉させない為の行為となります。

総裏仕立てでも勿論可能であり、幾つかのテクニックがあります。
その中で この仕様が様々な意味で最善と考え、採用したという事になります。


















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・・・・・激渋です、、、私にとっても遣り甲斐のある大好物なスタイル。
本当にお似合いであり素敵です!
共地のFLAT CAPは絶対欲しいですよね。

H様、本日お召のシャツは 袖丈が縮んでしまっているかもですね!



















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・・・・・優雅なバックスタイル、
すみません、、、鏡に余計な私が写り込んでいたので変なトリミングになってしまいました!



















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・・・・・ウエストコートは衿付きのスタイルであり、昔ながらの後付け仕様を御選択です。腰ポケットのみ、スポーティーにフラップ付きへ!



















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・・・・・スロートタブは基本的には普段あまり使われないかも知れませんが、確りと首元まで閉じられる事が大切であり、リクエストで御座います。
こう見ると、ゴージラインは『衿ぐり線』である事が良くお分り頂けますね。
 高いコージラインは本来あるべきクラシックな紳士服の範疇を超えてしまっていると言えます。

フラワーホール(ラペルホール)の下に付く 茎ループ は、付けるか、付けないか悩む所です。首元を閉じる事があまりない為に 一応お付けになりました!

H様、丁度ラペルを止める釦が一つ、、、ギリギリ在庫切れしてしまいました。
英国より既に発送されていた為 間に合うかと思いましたがダメでした。
(翌日には無事に釦も届き、確りとお付けした上で ご納品させて頂きました。)



















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・・・・・締めは やはりコレです! 昔ながらのゆったりとした +4 をもって
5P-SUITS の完成です。

『サイクリングにも良い!』との事でしたので、内脇からお尻部分には補強布を付けて二重にしております。

このたっぷりとした優雅さがキモですよね!
 本当に動きやすく、運動に関し全くのストレスを感じさせません。

お好きだからこそ +4には当然拘りが強く、お喜び頂けまして本当に良かったです。

















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・・・・・誂えられた素敵なブーツ、FITTINGの日にも楽ですね。
この度のスーツにもとても合います!




















・・・・・如何でしたでしょうか。

多くの方々にとっては特に+4などは 『濃い』 と思われる方も少なくないでしょう。
H様は勿論国内でも、そして英国でもきっと魅力的に着こなして下さる事でしょう。

 素敵な御注文を頂まして 誠に有難う御座いました。


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次のご注文も随時準備を進めて参ります。
どうかご期待下さいませ。




















・・・・・今期SSの新作タイに付きまして、やっと生地が織り上がり
現在職人さんの所でお仕立てに回っております。

今回も最高に自信作であり、予想以上に素晴らしいです!
超自信作ですから是非ご期待下さいませ。


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今月の中旬位には御紹介出来ると思いますので、今暫しお待ち頂けます様 宜しくお願い申し上げます。



 では、素敵な連休をお過ごしくださいませ。
今週も最後までお付き合いくださりまして、誠に有難う御座いました。






posted by 水落 at 09:00| Comment(0) | クライアント様の洋服 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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