新年度となる4月に入りました。
新たなスタートを切るべき月にも拘らず、今年は何事においても難しくなってしまいました。

愛犬との散歩道にチャーミングなお花がとても綺麗に咲いていました。
春ですね!! 少しでも癒しのお裾分けを、、、。

さて、先月末の雪には驚きましたし
春は寒の戻りもありますので油断出来ません。

ADAM:1934年3月号
フランスのファッション誌ですが、アメリカではESQUIRE、イギリスではTAILOR & CUTTERなどが有名ですね。
当時のエレガントなスタイルはお国柄に問わず 紳士達は同じ様なクラシックスタイルを嗜んでおりました。
大柄のヘリンボーンで誂えられたダブルのチェスターフィールドコート。
現代においても その系譜は引き継がれております。
今年の1月、2月にかけ
当店 HOUSE STYLE ORDER 限定による早期受注キャンペーンを行わせて頂き、沢山の方々より素敵な御注文を頂戴致しました。
先月末より続々と仕立て上がってきております。
内容は特に春夏用とは限定しておりませんので、この機会にとツィードやオーバーコートのご注文も頂戴しております。
今週は、HOUSE STYLE ORDER:T様のエレガントなコートを御紹介させて頂きます。

・・・・・チャコールグレーの重厚感あふれるクラシックなダブルのチェスターフィールドコートです。
コート地らしく、大柄なヘリンボーン柄が渋くウットリする様な生地です。
シルエットも美しく、コテの良く効く この素晴らしい生地でのお仕立て上がりです。

Taylor & Lodge
≪ THE ICONIC COLLECTION ≫
ARCHIVE LUMB’S GOLDEN BALE LUXURY COATING
560g
【 LUMB’S GOLDEN BALE COATING 】
シットリとして滑らかであり、大柄なヘリンボーン柄がとてもマッチしています。
アーカイブと謳うくらいです、冒頭ADAMの紳士が着用するコートに同じく 今でもクラシックなコーティングであり続けます。
ウエイトもコート地としてはライト級であり、これであれば脱がれて手持ちされても重たくなく、日本でのタウンユースでは十分なウエイトです。
カシミアにはカシミアたる圧倒的な魅力がありますが、デリケートな部分は否めません。
GOLDEN BALEはウールですから そういった意味では使いやすいと思います。
しかし、触ってみれば 誰しもが ウール:100% だなんて信じられない事でしょう。

・・・・・オーバーコートを語る上では、インナーとなるスーツにも触れなければ成りませんね。
やや小柄であり、とてもスリムなT様、王道的で丹精な三つ揃いの着こなしです。
1stオーダーでは仮縫いも付けて下さり、初回より大変精度の高いFITTINGとなります。
こちらのスーツは二着目となるご注文であり、このスーチング自体も極上で激レアな生地となります。

・・・・・ピカピカな金糸で織られた生地ネーム、この生地はVINTAGEのMOXONであり、当時としては最高スペックであった SUPER 120のウーステッドに、なんと VICUNA がブレンドされています。
ネームのアピールも凄いですね、、、こんなネーム自体も初めて見ました。
Cloth of Distinction WITH Rare Fibres
http://dittos.seesaa.net/article/453386393.html
【 VINTAGE MOXONB 】
(→ 項の最後に紹介した生地であり、当時はこのチャコールグレーが未入荷でした。)
細めのヘリンボーンに ピンストライプが重ねてあり、控え目な縞柄が印象的です。

・・・・・キュッと小さく作られたアームホールは機能性も高く、袖筒も細くシャープになります。
写真で顧客様のサイズ感が認識し辛いのは、それだけ洋服自体が顧客様のバランスで仕立てられているという事になります。
最高の生地です、手縫いを駆使したハンドメイド・オプションも付けられ、当店HOUSE STYLE ORDER の最高スペックにてご注文頂いております。

・・・・・では、いよいよオーバーコートの御納品です。
クラシックな膝丈でのお仕立てであり、エレガントなシェイプはインナーであるスーツのポジションに連動しています。
インナー自体の精度が高ければアウターとなるオーバーコートなど採寸無しで完璧なサイジングで仕立てる事が出来ます。
ですが、丈含め お好みも御座いますので 確りと採寸・打ち合わせの上でお仕立てさせて頂きます。

・・・・・撫で肩な事もT様たる個性の一つです。
既製服では根本サイズも展開少なく難しくもありますが、それに加え肩傾斜が合わずにタスキ皺が出やすいとも言えます。
当然ながら非対称肩傾斜など存在しませんね。
普段 御自身で見る事が出来ない後姿は如何でしょうか。
男らしく堂々とした本当にエレガントなシルエットで御座います!
コートも勿論ハンドメイド・オプションをお付けになりました。
インナーがそのレベルであるならば、やはりアウターもお付けになるべきです。
双方の相性・連動性は設計(型紙)だけでは無く、仕立ての部分でも高次元でリンク致します。
・・・・・スーツとは上下揃いの生地で仕立てられた服が前提となり、そのSUITSの古語となるのが当店の店名でもあるDITTOSとなります。
スーツを構成するアイテムですが、イギリス英語での呼称は
下物より TROUSERS、中衣が WAISTCOAT、そして上着が COAT と呼ばれます。
その上着の上から着用されるコート(アウター)ですので OVER COAT となる訳ですね。
CHESTERFIELDはもともと人名でもあり、このスタイルのオーバーコートを指す固有名詞になります。
当BLOGでもコートの話題ではよくお話しておりますが、TAILORで誂える場合
アウターとなるオーバーコートの型紙は、インナーであるコート(ジャケット)の型紙より展開されます。
その上着の型紙にはクライアント様の細かく様々な体形的、お好み的な情報が満載です。
丈や身幅だけに限らず、肩傾斜やアームホールの深さや幅、位置、そして前後差や左右非対称など挙げ出したらキリがありません。
そんな精度高き上着の型紙に ユトリを肉盛りすれば、正にインナーとアウターが100%の合致性をもってブロックの様に結合(重ね着)する訳です。

この写真は英国での1930年代に使われていたTAILOR(CUTTER)用の裁断書です。
裁断者(CUTTER)が違えば微妙にバランスや手法、ユトリ感なども違いますが、根本原理は全く同じであり、正にTAILOREDの着用が日常であった時代における先人達が残してくれた指南書でもあります。
写真を見ると、どちらもダブルのチェスターフィールドコートの製図ですね。
製図内に点線が見えますでしょうか、、、これがインナーであるコート(上着)であり、それを覆う様に製図が引かれているのが見てとれますね。
オーバーコートにおき、この様な根本たる裁断術(型紙作り)は BESPOKE に限らず、HOUSE STYLE ORDER でも正に同じ様に展開されています。
アウターはインナーのレベル次第で決まるという事に他なりません。
しかし、この根本技術がどこでも同じ様に行われている当たり前かと言えば、案外そうでもありません。

・・・・・T様、本当にエレガントでありお似合いで御座います。
この度も素敵な御注文を誠に有難う御座いました。
・・・・・この度の御紹介は秋冬物のオーバーコートでしたが、皆様が仕込まれた春夏用のスーツも続々と仕立て上がってきております。
是非ご期待下さいませ。
では、今週も最後までお付き合い頂きまして 誠に有難う御座いました。
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

