2020年05月05日

【 10th ANNIV - SOLARO SUITS 】





 真っ赤な枝がひときわ目を惹く 『サンゴミズキ(珊瑚水木)』。
正に名の如く陸の珊瑚のようなのです。

そのサンゴミズキから とても綺麗で可愛らしい葉が芽吹きます。
赤と緑のコントラストが美しく、まるで ソラーロ の生地みたい!


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 さて、お陰様により当店は10周年を迎え 最高の生地をオリジナル別注で4種織り上げてもらいました。

http://dittos.seesaa.net/article/463655660.html
【 10th ANNIVERSARY CLOTHS 】

http://dittos.seesaa.net/article/473088164.html
【 10th ANNIV – SOLARO 】



先にデビューした3種の生地は、スーツとして仕立て上がった写真もいくつかご紹介させて頂きましたが、遅れる事 約1年、、、4種目のソラーロがデビュー致しました。


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 英国製であり、かつ本当の意味で春夏用に使えるライトウエイトである事。
最高の原毛である Lumb’s Golden Bale に拘って織り上げてもらいました。
こんなにも最高なソラーロはオリジナル別注で作らなければ存在しません!
 私の大好きなスーチングの一つであるソラーロであるからこそ、是非とも具現化したかった生地でもあるのです。

確かに万人受けする生地種では無いでしょうし、派手と捉えられる御方も少なくは無いと思います。
『 洋服になった状態を見てみたい!』
多くの顧客様よりお言葉を頂戴致しました。

私自身 織り上がりが待ち遠しくて仕方が無かった生地です。
昨年末に入荷次第 直ぐに準備へと着手するも 随分と掛かってしまいましたが、いよいよ御紹介させて頂きます。


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・・・・・敢えて織り柄を入れようと ファンシー・ヘリンボーン柄 に致しました。
手前味噌ながらかなり格好良いのですが、、、裁断でも縫製でも柄を拾うのに相当目を酷使します(笑)!












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・・・・・ご覧下さい、今回チョイスした裏地です!
なんと裏地も交織のソラーロカラーであり、経糸にグリーン、緯糸にレッド。
レッド側が裏となります。

やや薄めな綾織地でもあり、表裏共に抜群の相性で御座います。











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・・・・・いよいよ仕立て上がりです!



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・・・・・本当は総裏仕立てが好きなのですが、折角のソラーロという事もあり 背抜き仕立てに致しました。

何ともエグい妖艶さが堪りませんね!














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・・・・・ごく至ってベーシックな シングル-3釦 の三つ揃いです。
とにかく軽い、そして肌触りが何とも心地良く、しなやかでドレープがとても綺麗に出ます。 かなり気持ち良いです!!

私の後ろにはトルソーが SMITH WOOLLENS:ORIGINAL SOLARO を着用しております。
経糸、緯糸 共に織り糸の色自体は 当店SOLAROと全く同じですが、当店の方が圧倒的に生地が薄く 織糸自体が細いので赤の出方が少し強めに出ます。

何色って 言い辛いですよね、、、。
ベージュに赤味が加わったブラウン系に見える事でしょう。
光の当たり方、見る角度により 本当に多彩な色の表情を見せてくれるのがソラーロです。












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・・・・・上着を着用していれば全く分かりませんが、実はウエストコートをバックレス・スタイルで仕立てております。
 これは涼しさ優先での採用であり、夏場で少しでも涼しく快適に三つ揃いを愛用したいとの事であれば有効な仕様とも成ります。

上着は背抜き仕立て、中衣は背中自体が無し、、、、
これは当然 背中も風通し良く、楽で一番涼しいですから春夏用スーツでの三つ揃いでは お勧めな選択肢でもあります。

(バックレス・スタイルについては別途テーマとしてお話したいと思います。)













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・・・・・外に出てみました。
とても好天で日差しが気持ち良い!












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・・・・・ファンシーヘリンボーンの縦柄による表情が控えめな主張を放っておりますね。














・・・・・如何でしたでしょうか。

【 SOLARO 】 この生地は 英国:SMITH WOOLLENSによって20世紀初頭に開発されました。

当時 亜熱帯の植民地で働く英国人の為に、英国人が開発した生地との事です。
伊製も良く見受けられますが、英国発祥である事が重要なポイントです!

この交織された色味は太陽熱を和らげる効果があるとされていますが、裏側に赤を使う事で光や熱を反射させるとも言われているそうです。
また、生地の日焼け防止にも配慮されているとの事。
目的・意図が確りとあり、ファッションという観点では無く、実用性を念頭に作り出された歴史のある生地なのです。

英国の服飾史にも足跡を残す とても重要な生地種の一つでもあります。



素の生地 そのままで見るのと、実際にスーツとなって着用された状態で見るのとでは印象も変わりますよね。
室内、室外でも色の見え方は変わります。

この玉虫色がソラーロの真骨頂でもあります。
タイを締めてパリッと着こなしても良し、ノータイでオープンカラーなどのリネンシャツ等で着こなすも良し。
 靴も様々な色やスタイルが合いますので本当に幅広くコーディネイトが楽しめます。

魅力深き生地であり、ポテンシャルも高いソラーロが
春夏用ウエイトで英国製、かつGOLDEN BALEのソラーロなんて他では手に入らぬ代物です。

 是非皆様も一着如何でしょうか。
個人的には心底お勧めであり、皆様にも味わって頂きたい素晴らしいスーチングで御座います。




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では、皆様とお会い出来る日を楽しみにしております。
各種10周年記念生地と共に、何卒宜しくお願い申し上げます。







posted by 水落 at 09:00| Comment(0) | Style | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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