皆様 こんにちは。
もう晴れれば夏のように暑いですが、関東甲信もいよいよ昨日には梅雨入りが発表されました。
そんな6月では御座いますが、当店BLOGはAWのお話で御座います。

・・・・・色や柄も多彩に、魅力的なコーディネートをされた装いは正に三者三様です。
御三方共に上手くグレーを取り入れていますが、無彩色であるグレーは何でも受け入れ 調和という恩恵に授かれる万能色でもあります。
地味で控えめでもありながら、懐の大きな色であり 紳士服の装いにも欠かせません。
先週はエスコリアルの上着を主体にした N様:ODD 3P のご注文を紹介させて頂きました。
至福なエスコリアルはとてもウール(羊)だとは思えぬ程に優しい肌触りでソフトな風合いがお楽しみ頂けます。
今週は2021年AW用として、素晴らしいエスコリアルの生地を入手致しましたので是非お勧めさせて頂きます。
以前にもエスコリアルに付いては御紹介しておりますが、改めて簡単に触れておきましょう。


・・・・・北アフリカのMAHGREB(マグリブ・マグレブ)地方を起源とする独特で小さな羊がいました。
14世紀 スペインの王室はこの種をエスコリアル宮殿内に向かい入れる事になります。
これが現代にいたる呼称になっている訳ですね。
(その後、この種は一度絶滅したとされていました。)
この独特な羊はメリノ種の羊と比べ個体がとても小さく、メリノ種の1/3 程度しか毛を採取できません。
そして、その特徴的な原毛は『繊維の宝石』と称されるカシミアより細く、更にはコイル状のばねの様にカールしており これがナチュラルなストレッチ性を生み出しています。
ウールの原毛で良く使われるSUPER表記で換算すると、細い毛の部位でみれば SUPER 200レベルの細さに相当するようです。
ウール(羊毛)であってウールではないかの如く 別の特別な獣毛みたいですね。
こんな夢の様なウールが存在し、今では少しずつ個体数も確保される様になりましたので、洋服地からニット製品に至るまで様々に見受けられる様になりました。
それにしても まだまだ希少である事には変わりませんし、当然高額でもある夢の服地です。
スペインの王族が独占していた事も頷けてしまいますね。

・・・・・無彩色によるモノトーンコーデは、ニットでのリラックスしたジャケットスタイル。
FLATCAPも加え、装いに締まりもでますし、渋くてとても品を感じられます。

Joshue Elis
PURE ESCORIAL
About 350g
・・・・・先ずは無彩色:グレーによる3者共演です!
これら3種は紡毛糸(WOOLEN)よる生地でありボリューム感と迫力が御座います。
織り柄やトーンの違いにより グレーにも様々な個性と表情がある事が分かりますね。
当たる光の陰影も美しく、これも原毛の細さや質の高さからきますので
勝手に滲み出るホテンシャルの高さを垣間見る事が出来ます。

・・・・・ベーシックなヘリンボーン柄は濃淡の糸遣いを有効に綺麗なニシンの骨模様を
表現致します。
堂々と、かつ落ち着きのある存在感です。

・・・・・ジャケット地であり、紡毛糸という事もあり 柄出しはこの位が丁度良い塩梅です。
スーチングでは梳毛糸になるので 梳毛か紡毛による織り糸の太さにより柄の出方、表現力に差が出ます。
( 柄の大小は ドレッシー ⇔ カジュアル に対するバランスも表現している事になります。 )

・・・・・とても綺麗です、、、、、写真では無理ですが、触ればウットリとしてしまう事でしょう。
もう洋服に料理せず、このまま首に巻いても気持ちが良さそうです!

・・・・・お次は やはりクラシックな バーリーコーン柄。
この生地は先週たっぷりとご覧頂きました N様の上着に同じです。
遠目には無地の様に溶け込みますが、近くではここまで表情を楽しむ事が出来ます。
先の当店仕入れ分は直ぐに無くなってしまいましたので、追加仕入させて頂いた次第で御座います。

・・・・・これも素晴らしい!
一見 白黒の千鳥格子の様に見えますが、千鳥格子ではありません!
これは TWO & TWOという織りであり、日本ではヘアラインと言う織に属すようです。
このモノトーンベースへ 何とパープルでオーバーペーンを重ねているのです。
TWO & TWOとは濃淡2色の糸を交互に経糸・緯糸に織る事により自然に浮き上がった織り地となります。
面白いのは 表側から見ると縦縞に見えますが、裏側は横縞のボーダーになるのが特徴です。
有名なグレンチェック、これは織りを複合させた格子柄ですが
千鳥格子と共に このTWO & TWO(グレンストライプ)で構成されています。
グレンチェックの服をお持ちの御方はご覧になってみて下さい!

・・・・・高貴なパープル、とても大好きな色ですが ベースの織り地が強いので 良く見れば、、、といったレベルですね。
だからこそ、派手に感じる事も無く 逆にこのパープルを拾ってコーデに有効利用できる楽しさを備えていると言えます!
白の織糸を良く見ると、2本引き揃えて織られているのが見受けられますね。

では、次に有彩色での秀色をご覧頂きましょう。
これから2種ご紹介しますが、先の3種より 織糸細く地薄に感じる生地でもあります。
それだけ上品でエレガントに見える上品な生地となります。

Stanley Mills
PURE ESCORIAL
ABOUT 340g
・・・・・タン、そしてネイビー。
どちらも欠かせぬ秀色です。
一番使い回しも効く色であり、押さえておくべきジャケットでもあります。
この2種は先の紡毛と違い、梳毛(WORSTED)が使われています。
織糸が細い分 生地も薄くなり、サラッとした印象になります。
≪ Stanley Mills ≫
同社はあまり耳に致しませんが、1890年創業のやはり老舗のミルで御座います。
カシミア含め高級な品質の生産が主だそうで プラダやディオールなどのメゾン等との取引きもしているそうです。
このミルも今や大きな組織に属しており、早々たるメーカーが名を揃えているグループとなります。
このメーカーは、ファーストクラスの品質とサービスをモットーとしており
知名度は低いものの、隠れた高級服地ミルですね。

・・・・・この写真より もう少し黄色味があるでしょうか。
日本語だと 小麦色がしっくりと来ます!

・・・・・とても表情豊かな顔立ち、実は小格子柄であり
小さなバーリーコーン柄となります。
穂は小さく、バーズアイっぽくも見えますね。

・・・・・綺麗に揃い実に美しい柄出しです。
色味からも秋を感じさせてくれますし、柄からも、、、、。
この上品なバーリーコーン柄、これに合わせて下物はコーデュロイなど如何でしょう。
正にカントリーを彷彿させる鉄板なコーデの一つでもあります。

・・・・・次は これまた美しいネイビーです。
シットリとしてしなやか、至福の肌触りは暖かく 万能なネイビージャケットをこれで誂えたらどんなに幸せな事でしょう。

・・・・・典型的なツイル織り、ほんのり赤味のあるそのネイビーはビジネススーツのネイビーと一線を画します。
濃ければ濃い程に、要は黒に付かい程に色としてドレッシーな扱いになります。
ネイビージャケットの色は濃過ぎず青味の感じられるネイビーこそお選び頂く色でもあります。
ネイビージャケット、ネイビータイ、何着・何本あっても欲しくなります。
季節やシーン、素材感含め多彩なネイビーをご堪能下さいませ。

では最後に これまたクラシックで美しい格子柄:カントリーチェックをご覧下さい。

Reid & Taylor
PURE ESCORIAL
About 340g
4-PLY
1839年 スコットランド創業のミルであり、かつてはMOXONやTAYLOR&LODGEなどに並び、ウールの中で頂点でもある最高原毛 Golden Bale も扱っていた素晴らしいメーカーです。
同社はスーチングからジャケッティングまでエスコリアルをバンチで抱える程に扱いこなし、多彩なコレクションは群を抜いています。

・・・・・発色も大変美しく、原毛が細いからこそ 柄出しのきめ細かさが際立ちます。
クラシックなガンクラブチエックにタンのオーバーペーンが重ねられています。
素晴らしき配色による魅力が溢れています。
このカントリーチェックがツィードでは無くエスコリアルである事に意味があります!

・・・・・ツィード等とは本当に真逆の質感、、、。
大人の上品でスポーティーなジャケットを是非ワードローブに!
・・・・・如何でしたでしょうか。
羊の毛(ウール)という括りの中でも本当に様々なウールがあります。
エスコリアルとツィードが 品種は違えど同じ羊と言う動物の毛であるのです。
(品質表示的にみれば、ESCもTWEEDもG.BALEも みな WOOLです。)

毎度ながら写真での色出しが難しく、ネイビーの色や先のグレーなどもトーンのバリエーション含め
この写真だと比較的リアルに出ていると思います。
ですが、やはり生で、御自身の目で見て感じて下さい。
その素晴らしい質感にやられてしまうでしょう。
またエスコリアル未経験の方々におかれましては、今回の出物仕入は素晴らしいチャンスです!

・・・・・合わせるウエストコートやトラウザースはお任せください!
迷ってしまう程にお勧めが沢山御座います。
ODDでは組み合わせがかなり多彩に成りますので、皆様の価値観により 最適をお勧めさせて頂きます。
では、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
今週もお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。

