お店の近くに毎年綺麗な花を咲かせる紫陽花ですが、今年も満開が間近にいよいよ関東も梅雨入りが目前ですね。

お陰様により昨日をもって無事に至高のシャツフェアが終了致しました。
本年も多くの方々に沢山の素晴らしい至高シャツのご注文を頂戴致しまして、心よりのお礼を申し上げます。
世界最高峰となるシャツ達のお仕立て上がりまで暫しお時間を頂戴致します。
どうかご期待の上 お待ち下さいませ。
本年もお祭りにご参加頂き 誠に有難う御座いました。

・・・・・エレガントでダンディー、サーの称号を持つ ノエル・カワード氏のお若い頃の写真です。
1910年代後期から20年代初頭の頃だと思われます。
時代を感じさせてくれるカッティングは大変魅力的でもあり、今には無き良い意味での重厚感や存在感を持ち合わせます。
フロントはかなり高めな設定の2釦2掛け、その分 衿の止まりも高く、更に打合いは広い(深い)のでVゾーンも大変こじんまりとします。
角度の鈍いコンパクトなピークドラペル、上衿との差もあまりなく 小さなアルスターカラーのようでもありますね。

・・・・・1918年のスタイル画となります。
コンパクトな肩回りとフィッティング、ハイ2釦やシャープな衿、上記 氏のスーツにも同じ特徴が見受けられるのが分かります。
・・・・・今週はT様より頂戴致しました春夏用のスーツをご紹介させて頂きます。
T様は ノエル・カワード氏やルドルフ・ヴァレンティノ氏がとてもお好きです。
この20年代に見受けられる独特なバランスや特徴がT様の心をくすぐるのでしょう。
スーツは三つ揃いが前提であり、古い時代であれば尚更です。
氏の着る復刻スーツをトレースの様に仕立てたい訳ではなく、且つ この度は春夏用なので 2P で着たいとの事。
ノエル・カワード氏のスタイルや匂いを感じさせつつ、古臭くなり過ぎず、ご自身なりのスタイルに落とし込まれたいとの事。
この度は こんなリクエストから始まりました。
クラシックであればそれで良いという方もおられれば、毎回テーマがあってそれを念頭にイメージ・ご注文される方もおられます。
皆様それぞれに価値観や託される想いは様々であり、それを無から生み出し具現化するのは本当に楽しく遣り甲斐があるというものです。

VINTAGE WAIN SHIEEL
60% KID MOHAIR
40% WOOL
ABOUT 280g
【 VINTAGE : KID MOHAIR 】
有名な SUPER BRIO と同じ時代に織られた逸品であり、共に現行物とは一味違う魅力をもっています。

・・・・・スリムなT様は、肩にとても個性が現れています。
パドックカットの2釦・2掛けは ウエストラインを跨いで配列されますが、時代のテイストとして更に高めな ハイ2釦、そして釦スタンスも重要です!
打合いは ほんのちょっとだけ深めに、小ぶりで鋭利ではないピークドラペル。
Vゾーンのコンパクトさも感じ取れる事と思います。
T様の笑顔と共にご期待は膨らみます。


・・・・・今回は 2P-SUITS ですし、ベルトレススタイルのトラウザースです。
吊り用の深き股上とは違い、リアルな腰の位置に合わせた股上と共にウエストサイズもJUSTで合わせて参ります。

・・・・・T様らしさを感じさせてくれます。
微調整を加え、早速FINISHへと進めましょう。

・・・・・いよいよお仕立て上がりです。
T様、今期デビューの新作タイを! 有難う御座います。
しかしウエストが細くて羨ましい限りです。
穿き心地は如何でしょうか、ベルトレスの軽快な印象も良いですね。

・・・・・吊らない、ベルトもしない、
故に必要であれば脇に付けられるアジャスターで微調整です。
食前・食後、そして動いたりとウエストサイズ自体も動きますし、人間ですから共に歩んでいく中で多少の増減ありましょう。
そういう意味ではユトリを入れる吊り用と違ってサイジングはシビアですから直ぐに体系変化にも気づく事でしょう。
良きバロメーターにも!


・・・・・凛々しきお姿、、、とてもお似合いであり素敵です。
求められたイメージは具現化され、その調理具合にもお喜び頂けました。
モヘアのもつハリ・コシのあるシャリシャリとした生地感・着心地と共に是非ご堪能下さいませ。



・・・・・T様は当店H.S.ORDERからステージアップされ、BESPOKEでのお仕立てではベルトレスは初であり、こんな所も違いを感じてみたいとも。
色々と動きも様々に、着座の感じも確認中ですよ!

・・・・・とても素敵な笑顔を拝見させて頂きました。
お喜び下さり 何よりで御座います。
この日は 『着て帰りたい!』 と、そのままデビューを迎える事となりました。

・・・・・凄く満足して頂けましたが、確かにこんなスーツは誂えでなければあり得ませんね。
それは何もデザイン・ディテールなどだけではなく、ここまでご自身に寄り添うサイジングやフィッティングは既製服では期待すること自体がお門違いとなります。
それだけ皆様はお顔や性格などだけではなく、お身体自体も個性の塊であるという事です。
T様、この度も素敵なご注文を誠に有難う御座いました。
次のご注文は迫力満点でクラシックなツィードですね、ご期待くださいませ!
・・・・・如何でしたでしょうか。
前回、今回と 春夏のスーチングには欠かせぬキッドモヘアを主体にした生地でした。
生地は似ていても、スタイルや価値観により 随分と違うスーツになりました。
魅力的な食材に対し、その調理法や料理は一つではなく様々に展開・解釈・発展があります。
ご期待される美味しそうな料理を、食べ方を自分なりにご注文下さいませ。
丹精込めて調理させて頂きます。
では、暫くは雨の多い時期となりますが
どうかめげずにぜひ足をお運び頂けましたら幸いです。
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
今週も誠に有難う御座いました。

