梅雨の最中 湿度も気温も高くて過ごし辛き日々が続いております。
これからの時期は何を着ても暑いので耐えるしかありませんね。
その先にある涼しさ、そして寒さを楽しみに顧客様方は秋冬物の誂えを仕込まれます。
皆様におかれまして ダブルのスーツはお手持ちに御座いますでしょうか。
ダブルブレストはシングルブレストより誤魔化しも効かぬ為 既製服ではなかなか扱いづらいアイテムでもありますので、そういう意味ではダブルブレストのスーツをご着用の方は誂えられた可能性が高いとも言えるのかも知れません。
打合いが広くて Vゾーンもコンパクト、布に包まれる面積が大きく 存在感と共に重厚感があります。
ダブルにはダブルの魅力があり、この味わいは当然ながらシングルでは享受できません。
誂えの世界では そんなダブルブレストの魅力を存分に楽しんで頂ける筈です。

・・・・・キング・ジョージ6世
このお方もダブルをこよなく愛用され、エレガントに着こなされたお一人で御座います。
控えめな装いながら、この写真ではボーダーの靴下が印象的ですね。

・・・・・可愛いお孫さん、現英国王チャールズ3世と共に。
あたたかくて優しい笑顔の英国王、堂々としたラペルの打合い深きダブルブレストのスーツは素晴らしく、正に見本の様です。
ご自身のスタイルを確立されておられる多くの顧客様方もイメージされる方は少なくありません。
今週は博識で確固たるご自身のスタイルをお持ちなH様のご注文を紹介させて頂きます。

・・・・・なんて端正でエレガントな着こなしでしょう。
この凛とした佇まいを醸し出すには蓄積されてきた多大なるご経験が無ければ醸し出すことは出来ません。
ご納品の日、このスーツに合うコーディネイトでご足労頂き そのまま着て帰られました。
H様には既に何着かダブルのスーツも誂えて頂いております。
しかし今回の生地をお決めになった時、既に冒頭のキングが頭の中ではイメージされていたそうです。
今回は更にディテールバランスや匂い出し含め型紙を引き直してお仕立てさせて頂きました。
完成された美しきダブルのスーツを着用された エレガントなH様を是非ご紹介させて頂きます。
・・・・・お選びになられた生地はヴィンテージであり、織元は既に廃業されております。
当時の最高スペックな原毛に、カシミアとミンクがブレンドされたレアで素晴らしい生地であり、大変貴重なネイビーソリッドです。
写真では伝わりませんが、この色、紺具合がまた絶妙な色味でした。
http://dittos.seesaa.net/article/499114742.html
【 EXTRMELY RARE:VINTAGE SUITING 】
(上記リンクは同じ織元 ZENITH より、別の生地を紹介したページとなります。)

・・・・・ウエストコートもダブルブレスト、今回はこのウエストコートもデザインバランスを変えてあります。
より雰囲気を感じて頂けましたら幸いです。

・・・・・ラペルにも随分と特徴があるのですが、野暮ゆえ深くは語りません。
そして 打合いや釦のレイアウトは大きく印象を左右する部分でもあります。
腰ポケット、この微妙な角度のスラントはH様の拘り処の一つで御座います!
クラシックなダブルブレストを着用の場合、ウエストコートは見えません。
そもそもスーツは三つ揃いが前提なので、見える・見えないで決めるものでもありません。

・・・・・袖を外してアームホールの深さや幅なども確認して参ります。
何着もお誂え頂き 型紙精度は既に高いと言えますが、長きお付き合いをさせて頂ければ人間ですから体型変化も御座います。
歳を重ねるごとにお身体の変化は当たり前ですし、他にもご病気やお怪我、環境やお仕事が変わったりなども長き人生の中では有り得ますので様々です。
基本的に仮縫いでは その時の最高を目指すのが前提ながら、意図あって敢えて今まで通りにという事も御座います。
H様と確認しながら調整幅を決めて参ります。


・・・・・さて、仕立て上がり いよいよ最終FITTINGの日を迎えました。
トラウザースの持ち出しはレギュラーを『前カン』とさせて頂いておりますが、H様は釦派で御座います!
クレリックシャツにネイビーのソリッドタイ、H様のエレガントなセンスが出ています。


・・・・・胸幅いっぱいに広がる堂々とした衿、打合い深く 逆ハの字を描く釦レイアウト、裾も敢えてポインテッドにしていません。

・・・・・端正で凛々しきお姿も正にH様の『らしさ』が滲み出ています。
腹部の4釦は四角形を構成しますが、時代も遡れば打合い深く横長の長方形を描きます。
反面、この重厚感を嫌うイタリアンなスタイルは打合いを浅くしていきますので(全ではありません)正方形から縦長な長方形さえ見受ける事も出来ます。
この打合いはVゾーンとも密接な関係にあり、打合いが浅ければ浅いほどにVゾーンも深くなります。
そもそもスーツの祖先は軍服であり、グレートコートやトレンチコートなどの様にダブルの下衿(ラペル)は基本全閉めが出来るものです。
故にシングルと違い、ダブルのラペルには今でも両側にホールがかがられますし、胸部の飾り釦も本来ではラペルが閉じた時に来るであろう位置に著しく乖離しているとおかしいのですね。
今では意識されていないダブルのデザインは本当に多く、ゴージライン然りですね。
こんな事 どうでも良い事かも知れません、しかしこれがクラシックであり、その服の説得力にも繋がるのです!

・・・・・この度はノーベントでお仕立てしております。
綺麗なバックスタイルです!

・・・・・蘊蓄ついでにもう一つ触れておきます。
それは フロント釦のサイズです!
先ずこれら写真で気付かれた方は相当オタクであり、マニアな方ではないでしょうか(笑)。
古き重厚感あふれるエレガントなダブルブレストは打合いが広いです。
故に通常サイズの釦でも良いのですが いまいちパワー不足感も否めません。
となると、通常スーツ用以上 オーバーコート未満 となる中途半端なサイズの釦が欲しくなります。
実は英国には昔から普通にあるのですね!
(オーバーコート用でも選択できるサイズの奥行きを持ち合わせます。)
古着でもシングルブレストより ほんの若干大きなサイズの釦が付けられているダブルの上着が探せばありますよ!
ほんの若干、、、これが重要であり、私はともかく H様も良くご存じであり流石で御座います、確りとリクエストに入っておりました。
( リクエストが無くても この系統なスタイルでご注文をお受けすれば私からご提案もさせて頂いております!)

・・・・・このフロント釦もそうですね。
この洋服サイズに対して釦サイズのバランス、間違いないでしょう。
かなりマニアックなところですが、、、私にとっては大事であり、H様におかれましても大事であったという事で御座いますね。
言われなければ気付かれぬほどのサイズ差ですが、付け比べると随分と印象が変わります。

・・・・・ご予約されていた生地を前にご注文内容の確認で御座います。
ロングターンな着こなしもキング・ジョージ6世ですよね。
好きでない方々から見れば ただのオタク話にしか聞こえないかも知れませんが、、、私は楽しくて仕方がありません!
H様、いつも遣り甲斐のあるご注文を有難う御座います。
・・・・・如何でしたでしょうか。
本当に素敵なダブルブレストのスーツでした。
H様のようにお詳しく、拘りのある洋服好きな方もおられますし、片や拘りや洋装的知識もほぼ無く、ただただ自分に合ったスーツを気持ちよく着たいので ほぼお任せという方もおります。
別に知識など無くても全然良いのです、その為に私が沢山勉強しておりますので ご注文主様に、ご注文内容にベストなさじ加減を私が行うのです。
私の知識や技術は顧客様方の為にあり、存分にご利用頂けましたら幸いです。
限界はありますが結構沢山の引き出しは用意しているつもりですので、なんでもお気軽にご相談頂ければと思います
ご自身の為だけに誂えられた掛け替えなきテーラードガーメントを是非ご堪能下さいませ。
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
・・・・・当店 HOUSE STYLE ORDER よりのご連絡で御座います。
既に何件かお問い合わせを頂戴しておりますが、夏に開催される工場さん企画の
【 早期受注フェア 】につきまして、8月1日より 約3週間くらいでの開催で検討中だとの事で御座います。
日程は確定ではないので多少の前後はあり得ますが、大きな誤差は無いでしょう。
ご新規様も含め、もし宜しければ このご機会も有効利用して頂ければと思います。
何卒宜しくお願い申し上げます。

