
8月に入りました。
皆様 夏を満喫されておりますでしょうか。
むしろ7月中で十分に味わい過ぎましたよね。
湘南の海水浴場では夏休み期間中にも関わらず、混み合うどころか むしろ寂しい状況になっているとのニュースがありました。
災害級の暑さ、、、なんでも度が過ぎればそれはそれで困りものです。

さて、昨年末にA.THURSTONさんへ発注を掛けておりました当店別注のブレイシーズが到着致しました。
コロナ禍による弊害は想像以上に大きいものであり、厳しい状況下におかれるところは少なくありません。
そんな中で時間がかかっても大切に製作して下さりました。
ブレイシーズの雄たる同社が存続しておられる事が有難く、感謝している次第です。


・・・・・ヴィクトリアンな時代のイラストにはブレイスを見せ合う紳士たち!
『 ゴムではないが伸縮性のあるサスペンダー 』とあります。
今でもバリバリに現役なエラスティックバンド(ゴムバンド)のブレイシーズ、特にワーク系からサープラス系でのブレイシーズは多くがゴム主体であり、当然スーツ用としても広く展開されています。
しかし ゴムの長所は良いのですが、短所を見れば 迷わず劣化の速さが一番ではないでしょうか。
伸縮性が落ち、バカになってしまったゴムは使い物になりません。
こんな古き時代より伸縮の無い(ゴムではない)所謂 リボンタイプ のリジットバンドを主体としながら、極一部にゴムを取り入れ 動きに対しての追従性も担保された仕様が出ています。
こう見ると、現行のクラシックなスタイルの歴史は相当古い事が分かります。
リボンは幅が太い分安定性も高く、楽であり 様々な装飾性も含めバリエーションが展開できます。
腰部など一部に使われたゴムは、劣化すれば そのゴム自体を交換も可能です。
そのゴム自体も幅広で太くなれば耐久性も増すという事になります。
背中のデザインは Y字体からX字体、そしてH字体などもありますが
ベースは100年以上も変えようなき完成されたデザインであるとも言えますね。

・・・・・では、リジットシリーズよりご覧頂きます。
ソリッドカラーが5色、ストライプを2色での揃えとなります。

・・・・・BLACK / SILVER
フォーマルにも対応できる万能な無彩色。
特にシルバーは当店にてベストセラーでもあり、「先ずは」の一本に最適です。
シャツは白を主体に淡いブルーなどが多いと思いますので、シルバーだとコントラストが弱めですから目立ちすぎる事もありません。
ブレイドからエンド、バックピース、そしてサイズに至る全てにおいて 当店別注のブレイシーズとなります。


・・・・・SMALT / CHAMPAGNE / CORINTH
基本は見えない、見せないブレイシーズ。
だからこそ 見えない拘りや、自己満な隠れオシャレを楽しむという要素のもとにデザインやカラーバリエーションは多岐に渡ります。
色味の綺麗なスマルトブルー、日本では花紺青となるそうで漢字だとよりニュアンスが伝わります。
コバルトを用いて作られる色であり、コバルトブルーと酷似しているのが分かります。
シャンパンカラーは上品で、繊細、とても贅沢な印象を与えてくれますね。
発色も大変綺麗でレザーパーツには淡いクリームを!
コリント(コリントス)、見た目はパープル(グレープ)ですよね。
コリントブドウ(CORINTH GRAPE)という葡萄があり、古代ギリシャの都市コリントで大規模に生産されていた種だそうです。
多分 ここからの色イメージで呼称採用されているのではないかと憶測です。
そもそも高貴なパープル系は大人っぽくセクシー、そして神秘的などの意味があるそうですよ。

・・・・・何気にブレイドやバックピース(レザー)の種類や色合わせが難しく悩ませます!
アジャスターの金具は全てシルバーで統一しております。


・・・・・ストライプの2色。
先ずは左側、これは ETON STRIPE とあり個人的には本当に惹かれる配色・デザインです。
ベースの引き締まったブラックが一層 この独特なブルーを引き立てます。
イートン校と言えば、、、、この位にしておきますね。
片や右側、こちらは固有な呼称無き数値品番のみ。
何ともこの英国ライクな配色、物凄く素敵です!
グリーンが入るのでより幅広きスタイルに活躍してくれますね。


・・・・・1931年:G.クーパー氏も勿論ブレイシーズを愛用されております。
アジャスター金具が肩まで来てしまっていますね!?
これでは鎖骨に当たって痛いですし、上着は肩に乗るので金具など無い方が良いに決まっています。
同社のブレイシーズは多くのお店で展開されていますが、実は確りとサイズ展開があるのです。
一つのデザイン・柄に対し 多くのお店は靴の様にサイズ展開仕入れしておりませんので、ソックスやタイ同様 ワンサイズ展開が実情でしょう。
(良いお店はソックスもサイズ展開ありで扱っている所もありますよね。)
G.クーパー氏の様に背の高い方、身体が大きくボリュームのある方は当然リボン長は必要になりますが、反面小柄な方にとっては この様に金具が肩まで来てしまいます。
本来ではブレイシーズにも適正サイズがありますので、当店ではリボン(バンド)のサイズは全て L-SIZE発注をしております。
当然ながら必要であれば切る前提であり、合わせるトラウザースで御試着いただき ベストサイズを導き出します。
これはバンド長だけではなく、背中の支点位置も重要です。
(故にONLINE含め 未試着で購入するのは危険を伴う事も、、、。トラウザースの股上によりバランスも大きく違います。)

・・・・・完売してご無沙汰であった BOXCLITH のシリーズです。
同ブランドの顔でもあり、大変クラシックなシリーズであって欠かせぬアイテムです。
御覧の様にフエルト調の確りとした生地であり、身も厚くボリューム感がありますので往々にして秋冬用の側面が強くなります。
この身厚さですからリボンタイプの様に折り返したり二重にする事なく、一重のままアジャスターはエンドの付近に付けられています。
肌あたりは優しく柔軟だからこそ、秋冬系の生地が厚く重いスーツ(トラウザース)の場合は絶対にこちらの方が楽でありお勧めです!

・・・・・実はボックスクロスに一番マッチするエンドがあり、ヒツジ革を使って手縫い工程の入るハンドメイドエンド というのがありまして、とても長い歴史があります。
ヴィンテージまで遡ると その手縫い率は更に高く、本当に手間のかかる素晴らしき仕様でした。
昔と比べればかなり簡略化された側面もありますが、存続している事を尊重していました。
しかし、同社において この現状ハンドメイドエンドを作る事が出来る最後の職人さんが高齢な事もあり引退されました。
引継ぎ・継承されていなかったこの仕様は、とうとう実質廃版となってしまうとの事。
こんな話ばかりで悲しき現実ですが、、、なので今回の仕入れ分よりエンドの仕様が変わっております。
Runner Leather Endsと言って左右に動くようになっていますが、それ自体は以前のハンドメイドエンドに同じ構造で御座います。
この小さなディテール仕様だけではなく、現状での最高品質な物・仕様・アイテム たちは急加速で手に入らなくなってきているのです。
A.サーストン社さん、少しでも末永く存続し、歴史を紡いでください!

・・・・・最後のご紹介は 恒例の LIMITED EDITION OF 500 より。
独特で個性的な絵柄、デザインたちはシルク地に織り込まれ、各それらデザインは限定500本分のリボンとして織られています。
それぞれにはロットナンバーが付く付加価値も!
シルクリボン自体には耐久性を求められませんので、それらリボンテープには裏側に全て力芯となる補強テープが裏打ちされた二重構造となるリボンとなります。
この裏の力芯もマットで滑り止め効果も担い、特別な限定シリーズとなります。

・・・・・天才音楽家 モーツァルトが30歳の時に作曲したオペラである『フィガロの結婚』 その楽譜柄 というデザイン!
マニアックですね〜、ベースはシルバーを尊重したモノトーンでまとめました。

・・・・・ロットナンバー 448となっていますので、このリボンは終わりが近そうです!
音楽がお好きな方は勿論の事、内から美しいメロディーを奏でてくれる様なノリの良いブレイシーズは如何でしょうか。


・・・・・因みに、この有名な肖像画はご本人の死後 数十年後に想像で描かれたそうです。
とても凛々しくハンサムですよね。

・・・・・ラストを飾るは最早定番!? でもあるダック君の登場です。
今回のダック君はシャキッと仁王立ち、これまたハンサムで凛々しき姿を見せてくれておりまして 先のモーツァルトに全く引けを取りません!?
すらりと長い首にはドット柄のボウタイを締めて とてもチャーミングです。
ネイビーベースにクリーム、イエロー配色がとてもキャラを際立たせます!



・・・・・ブレイドやバックピースもリボンに因んで配色を選びました。
この限定品たちは着用安定感が頗る高く、遊び心な一手に 御一つ いかがでしょうか。
渋くまとめたエレガントでクラシックな装いにこそ、内に秘めた『ユルさと余裕』をお持ちくださいませ!
では、お暑き中では御座いますが
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
どうも有難う御座いました。
・・・・・明日の 8月2日より、25日まで
HOUSE STYLE ORDER限定による 早期受注フェア がいよいよ始まります。
皆様とお会い出来る日を楽しみにしておりますので、是非こちらも宜しくお願い申し上げます

