

≪ 五十鈴川 御手洗場(内宮参道)≫
自然が豊かで空気も透き通るよう。
瑞々しき万緑の宮域林、五十鈴川の清流で身も心も清められ、、、、。
なんて美しいのでしょう。
この御手洗場に敷き詰められた石畳は、1692年 徳川綱吉の生母が寄進されたと言われています。
ゆうに300年以上も この変わらぬ美しき情景、
感慨深く心に染みわたるようです。
皆様 こんにちは。
例年であれば関東甲信も既に梅雨入りしている頃ですが、今年は随分と遅れているようです。
梅雨の到来まで 今を存分に春夏の装いをご堪能下さいませ。

さて、今週は紳士の装いに欠かせぬ靴について。
当店に来て下さる顧客様方は革靴を数十足と お持ちである方も少なくはありません。
テーラードクロージングを愛する方々にとり、やはり靴も欠かせぬ愛すべきアイテムである事でしょう。
私事で恐縮ながら、今や世界に名を馳せる 福田さん のところに頼んでいた靴が出来上がったとの事!
新しい靴が嬉しくて、、、是非 私の自慢にお付き合い頂けますでしょうか。
誂える意味と楽しみな期待感、ささやかながらもお楽しみ頂けましたら幸いで御座います。


・・・・・いよいよ、、、
この写真と共に、メールにて出来上りのご連絡を頂きました。
福田さんのインスタ写真だったのですね!

・・・・・名店G.CのBESPOKE SAMPLEには、昔から一目惚れというか勝手に憧れていた靴がありました。
一足目から仕立てて頂く靴ではない事は重々承知ながらも、いつかは履きたい、手に入れたい靴の一つでした。
既製靴では合わぬ私の足、特にスリッポンともなれば尚更誂えでなければ満足に履く事さえ罷りならぬ足でもあります。
故にスリッポンへの執着は余計に強いのかも知れません。
此度の靴でBESPOKEとしては4足目、気付けばその内 計2足がスリッポンでもあるのです。

・・・・・・後に福田さんより教えてもらったお話ですが
このベルテッド・ローファー(G.C)は、Baron de Redeというフランス人の貴族がA.クレバリー氏に依頼・製作してもらったモデルだそうです。
この方はなんと300足以上もBESPOKEで靴を誂えていたとの事、、、。

・・・・・革のイメージは有りましたが、その中でも2択でかなり迷いました。
そんな様子を見兼ねてか、
『じゃあ、左右で両方使って仮縫いを組みましょうか!』
えっ、そんな、良いのですか、、、ではお言葉に甘えさせて頂き、宜しくお願いします!
仮縫い靴が組み上がり、印象も随分と違います。
仮縫い靴は内部を確認する為にナイフで切り刻まれてしまいます。
毎度勿体無いと感じてしまうのですが、
『破片、貰っても良いですか!?』
本縫いには直ぐに掛かれないでしょうから ゆっくり決めてくれれば良いと言って下さりました。
福田さん、、、ありがとうございます!

・・・・・決定に時間はかかりませんでした。
より迫力を感じられるコチラに!
イギリスで買い付けてこられた ヴィンテージのフランス産シボ革 であるとの事。
スリッポンはどちらかと言えば軽快でカジュアル、春夏系なイメージもありましょう。
私は通年通して利用でき、かつリネンからツィードまで合わせられる普段履きの様な存在として欲しかったのです。
クリームを入れると少し濃く色味が深まりつつ、ややアンティーク調な仕上げで!

・・・・・スリッポンで2足目、仮縫いの時点で既に完璧でいつも通り ガシッと掴まれているかのような穿き心地。
ここから更に微調整を加えFINISHへ。
隙間の全くない靴、しかも それがスリッポンで!
この感触(履き心地)、この感激が分かりますでしょうか!




・・・・・美しきフォルム、存在感のある革、憧れていたデザイン、もう言葉は必要ありませんね。
あとは履いて自分の靴へと育てるばかり、楽しみです!

・・・・・3足目のリザードのローファーと比べ、今回はトゥもオリジナルの雰囲気を尊重しています。
案外違いますが、中身である足は同じ、職人さんである福田さんのお考えやセンスも反映されている事でしょう。

・・・・・福田さんのお店にて。
驚くほどの吸い付き具合、皴入れも行いました。
「慣らし運転もしてくださいね」 との事でウキウキと持ち帰りました。

・・・・・自店にて、早速慣らし運転も!
ロングノーズでモダンな感じではなく、少し武骨で野暮ったさが残っている所も願い通り。
素敵、、、、(笑) 大満足です。
また一足、大切な相棒が増えました!

・・・・・如何でしたでしょうか。
既製品の靴を履ける方々が長きに渡り本当に羨ましかったです。
ですが今はそんな事は思いません。
服もそうですが、誂えには誂えならではの価値観と満足があります。
昔から続くあるべき純粋な手作りによるBESPOKEは、BESPOKEでしか辿りつけぬステージが存在します。
昨今では洋服も例外ではありませんが、革靴の値上がりも凄いですね。
有名な既製靴を手に入れるのであれば、日本国内には腕のある靴職人さん方が沢山おります。
BESPOKEという最上級ステージ、
上がってみなければ分からぬそのステージさえ 視野に入りつつあるのではないでしょうか。
服も靴も この先数十年と付き合う相棒を求め、最上級ステージを味わってみるもの良いのではないでしょうか。
謹んでお勧め申し上げます。
という事で、今週は私事に最後までお付き合い頂きまして
誠に有難う御座いました。
どうかまた来週も 宜しくお願い申し上げます。

