
見事に熟れた柿がたくさん!
美しき柿色、この色は英語ですとオレンジになってしまいますが
柿色とは橙色と朱色の間に位置し、果物からなる和の伝統色です。
若干の茶味が含まれ、良い意味で作物には欠かせぬ土の温もりを感じさせてくれます。
さて、自然由来といえばツィードは正にナチュラルなアースカラーより生まれていました。
主に植物の色を借りて糸を染めていたのですね。
草木のグリーン、大地のブラウンは欠かせぬ鉄板色、そこに様々な花などの色も。
今ではどんな色でもありますが、やはり素朴で野趣に富んだ毛織物が自然由来のベースであるからこそ落ち着きと共に愛おしく、惹かれる要因の一つになっているのではないでしょうか。
あるツィードのバンチには、淡い紫色のツィードがありました。
単に紫色と言えば尖がったお洒落色的な見方も有り得ますが、スコットランドのヒースに彩るヘザーが一面に咲き誇った紫の絨毯のような景色を見ればスッと腑に落ちるのではないでしょうか。


今週は そんな味わい深きツィードの色を語る上では どうしても避けては通れぬ
不朽たる定番色であり続ける GINGER TWEED をご紹介させて頂きます。
GINGER TWEED
・・・・・ジンジャー色、まぁ生姜な訳ですが そのまま生姜をイメージすると案外違うのですね!
名作『赤毛のアン』は御存じでしょうか、赤毛の方を表してジンジャーという言葉が使われる事があるそうです。
実在する有名人ではハリーポッターのロンさんは有名のようですね。
髪色で言うジンジャーカラーは、生姜の根の様に赤みがかったオレンジ色を指します。
では、Ginger Tweed とは
赤味のあるブラウン、赤土色と言いますか オレンジ味が混じったウォーム感溢れ温もりのあるブラウン系の総称と言えます。
故にそんな赤味が感じられるアースカラーなブラウンはジンジャーと認識下さい!
1930年代以降 ツィードでカントリースーツやジャケットを誂えられる際、とても人気の高かった色味と言えます。
今でも沢山のヴィンテージがありますし、確固たるご自身のスタイルをお持ちである有名な方々の多くも愛用されていました。
ツィードの魅力は広く、そして深い。
ハリスやドネガル、シェットランドやチェヴィオットなどは産地での区分けが代表的ながら、Ginger Tweedは正に色による区分けですね。
格好良すぎますので是非皆様にもご覧いただきましょう。
貴殿もきっと着たくなってしまうかも知れませんよ!

・・・・・吉田茂さんの側近としてご活躍された白洲次郎さんの 3P-SPORTS SUITS。
1934年 ロンドンのテトリー&バトラーというテーラーで誂えられたそうです。
確固たるスタイルを持たれた氏は本当に魅力的で格好良く、男が男に惚れてしまうような日本男児でした。
正にジンジャー、大胆に表現されたダイナゴナルはハリスツィードでしょうか。
高めな2釦に見えますが、パドックカットかも知れません。
ウエストコートはカラーレスでクラシックな6釦5掛け、トラウザースはプラスフォワーズです。
カントリージェントルマンに憧れ
こんなツィードが着たい、、、ずっと思い描いていたものです。

・・・・・ロンドンにある夢の宝箱みたいな “THE VINTAGE SHOWROOM” は所謂古着屋さんなのですが、その枠に留めるにはいささか狭さをも感じさせる程の名店です。
希少、貴重すぎるVINTAGEばかり、、、圧巻の品揃えであるその名店は博物館の様です。
同店のコレクションは有難くも書籍化され、リアルから学ぶ大いなる機会を与えてくれています。
(コチラは第二弾目、貴重な日本語訳バージョンです。)
この奇跡な一着であるGinger Tweedはヴィンテージであって新品でもあるBESPOKE SUITSだそうです。
1939/11/14 ロンドンのとあるテーラーで仕立て上がりました。
実はこのスーツを頼んだ注文主は二か月前に勃発したWW2により徴兵され、そのまま引き取りに来る事が出来なかったそうです、、、。
ジンジャーのハリスツィードは大好きなヘリンボーン。
ピークドラペルのパドックカット、ウエストコートは5釦全掛けスタイルで前中心にはアルバートチェーンホールが縦に開けられていますよ。
ゆったりとしたハイライズなトラウザースはとても優雅でエレガントです。
当時のリアルなカットが冴えわたり素晴らしく最高のジンジャーツィード スポーツスーツです。

・・・・・ウインザー公のワードローブにもGinger Tweed がありますよ。
これまたパドックカットですね!
生地もダイナゴナルと 白洲次郎さんのスーツに似ています。
目を引くオレンジ味強きその色は やはり独特の存在感があります。


・・・・・北郷 真澄さんが運営されるヴィンテージスーツを専門に扱う “NORTHLAND CLOTHES”という素敵なオンラインストアがあります。
これまた正にお宝の山であり、サイトを見ているだけで眼福なひと時を過ごせるのです!
その貴重すぎる沢山のVINTAGE SUITSの中にも結構なGinger Tweedを垣間見る事が出来ます。
北郷さんに御許しを得て商品の写真をお借りしましたのでご覧いただきましょう。
この逸品は1930年代製 イギリスで仕立てられたスポーツジャケットです。
とにかく美しい、、、博識な氏の解説も分かりやすく、本当にお好きである事が分かります!
北郷さんのコメントを少しだけご紹介しますね!
『 男らしさの象徴である肩、胸にゆとりを持たせ、それを強調する為にグッと絞られたウエスト。
この特徴的なシルエットはイングリッシュドレープと呼ばれ、製法が確立されたばかりの1930年代〜40年代の物は現代のそれと比較するとより顕著でとても美しい曲線を描いています。
コチラの一着はおそらく1930年代中期〜後期頃の物で、正に全盛期といった素晴らしいウエストシェイプが目を引きます。
更に後年ではあまり見られない古い仕様が随所に見受けられ、中でも配置間隔の狭い3ボタン・・・・・・・』
オタクにはオタクが分かります(笑)!
細くてシャープな胸のウエルトポケット、ゴージラインの角度や位置、これはお身体にも準じますが、ゴージラインは襟ぐり線でもあります。
高すぎず、低すぎない、これがクラシックです。
本返りラペルの衿幅、詰まった3釦で打ち合いは深め、体系的差は勿論ありますが胸部と共に前幅広く脇に配置される腰ポケットは2ダーツの止まり位置で そのボリュームを一身に受け、丸く弧を描き 腰骨を優雅にホールドします。
直線的でありながらも緩やかなカーブと共にコンパクトなRのフロントカット、目を引くエレガントなシェイプのウエスト、緩やかな くの字 で前降りな袖、、、、、とにかく全盛りな当時の一着は見本の様でもあり、それが ジンジャーブラウンのヘリンボーンで!
あれ、気付けばコレって、、、。
特徴を書けば書くほどに 昨今見受けられるテーラードとはまずカット(型紙)が全然違います。
もう今の時代はTAILORでさえ上着は3面カットばかりで色気に掛ける、、、つまらないですよね、北郷さん!
この完成された揺るぎない究極の美、当時のカット、仕立ては常に私の脳裏にあります。

・・・・・これも素敵ですね、、、惚れ惚れします。
赤味が強めなジンジャーブラウン。
この逸品ですが、本来は三つ釦仕立てらしのですが 後付けで胸部にホールと釦を足して強引に4釦風アレンジが施されているそうです。
NORTHLAND CLOTHESさんのお店は勿論ツィードだけではありません、沢山の眼福なVINTAGE SUITSをご覧頂けますので お好きな方は是非ご覧になってみて下さい!

・・・・・英国にて2006年に設立された やはりオンラインのヴィンテージショップであり、イギリスものを中心に揃えられた膨大な物量はフォーマルからスポーツまで多岐に渡ります。
名店 “SAVVY ROW” ネーミングさえチャーミングですね!
このGinger Tweedはよりスポーティーにパッチ&フラップポケット、革バスケット釦が良いアクセントですね。
このお店さんは日本への発送も大丈夫そうなのでお勧めです!
ご興味があれば是非覗かれてみて下さい。
如何でしょう、一部ですがこれだけリアルな現物があるのですから当時のイラストだって、、、。
ジンジャーブラウンの色範疇という事で見てみましょう!






・・・・・沢山ありますよね、まぁ各イラストの中にはウーステッドもありそうですが。
Ginger Tweed はブラウン範疇の中で赤味、オレンジ味が感じられるかどうかが決め手です。


・・・・・当店在庫のシェットランドツィードより、ジンジャーらしいジンジャー色。
温もりを感じますよね、間違いなく格好良い、、、、。
では また続編を書かせて頂きますね。

今年も残り少なくなりましたが
当店は 12月28日(日)が最終営業日となり
年明け 1月4日(日)よりの営業スタートとなります。
ギリギリまで 皆様のお越しを心よりお待ちしておりますので
何卒よろしくお願い申し上げます。
今週もお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。

