2019年08月20日

【 10th anniv. PINHEAD STRIPE 】






 お盆休みは如何お過ごしに成られましたでしょうか。
まだまだ残暑が続いておりますが、8月も後半に入りました。

残暑短く、少しでも早く秋が来てくれる事を願うばかりですね。












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Robert Donat (1934年)



 英国の俳優 ロバート・ドーナット氏は、アルフレッド・ヒッチコック監督の『三十九夜』などで人気を博し、『チップス先生さようなら』ではアカデミー主演男優賞をも受賞された実力のある素敵な俳優です。

クラシックでエレガントなその三つ揃いは、氏の端正な着こなしと共に優雅で大変品もあるスタイルを見せつけてくれておりますね。


氏が活躍されていた時代のエレガントなスーツスタイルですが、昨今では見受ける機会が随分と減ってしまったシングルブレストのピークドラペルを着用されております。
当時では極当たり前に採用されていたデザインでもあります。

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 さて、今週は是非ご覧頂きたい 当店自慢の10周年記念生地による
三つ揃いのスーツを御紹介させて下さい。
企画者である私自身も存分に味わいつつ、お勧めさせて頂くにあたり 生の実感・感想も含め御紹介させて頂きますので、少しでも参考になりましたら幸いで御座います。





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10th ANNIVERSARY CLOTHS


PINHEAD STRIPE

100% GOLDEN BALE

320g

Taylor & Lodge








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・・・・・当BLOGでの御紹介は 今年の1月15日でした。

もうワクワクしながら待っていたオリジナルの生地は、昨年の12月に入荷しました。
居ても立ってもいられず、直ぐに自分のスーツの仕込みをしておりました。

今では珍しいピンヘッドストライプ、この機会に初めて知った織り柄です。
とあるVINTAGEの生地がこの織り柄であり、本当に格好良く、正に一目惚れした次第です。今ではなかなか見る事の出来ない織り柄デザインの一つでもあります。

この柄は クラシカルなピンヘッド柄を、ヘリンボーン柄の様に定めた幅によりツイル織りの向きを変えているのですね。

絶対に具現化したいと思わせたこの生地、T&L社に相談するも 「コレねっ!」と。
流石は老舗です、ノウハウは幾らでもあり なんでも具現化出来るそのホテンシャルには改めて感服致します。
PINHEAD STRIPEという呼称もその時に教わりました。













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・・・・・今回は上着のみ仮縫いを入れました。
自身の仮縫いなど もう何年振りでしょうか。覚えていない位に久しぶりの事となります。
ニヤけた顔から嬉しさと期待が滲み出ていますね(笑)。
 完成が楽しみな気持ちは お客様方と全く同じです!
 

今回の作成にあたり、やはり自分の服は実験材料でもありますので
カットと共に仕立ての方でも幾つかの検証課題を内蔵しております。
 技術者である以上 更なる頂を求め、一生勉強の道は続きます。
















・・・・・いよいよ仕立て上がりです。
独特な織り柄は、縦方向のシャープな印象を醸し出させ
無地範疇の生地でありながらも、主張し過ぎない個性が本当に魅力的なのです。

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立体的な胸部や前肩、身体に沿うようラペルの内巻きに癖付けられた仕立て。
着用が楽しみでなりません!















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・・・・・トラウザースも少し線を変えておりますが、これは予想の範疇内なので 特に仮縫いを組みません。
 自身分ゆえ 少しでも手間を省いて早く完成させたいという側面もありますが、、、
精度が高く 満足度の高い型紙のホルダーならではとなる特権でもありますね。

折り返しの付いた裾上げは、前後差で 3p の傾斜が付けられています。
















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・・・・・ウエストコートも極ベーシックです。















・・・・・シングルの3釦、ピークドラペルで仕立てました。
ラペルの幅や角度、エッジライン、ゴージライン、剣先の小丸加減、、、、もう全てのバランスにおいて自身の好みや狙いが宿ります。


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( シングル・ピークドラペル を推奨する訳では全くありません。 今回 私が採用したデザインであるだけで御座います。 個人的には大好きです!)


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・・・・・顎ダーツと共に、ラペル裏には細かくポコポコと『 ハ刺し 』の後が見受けられますね。
ラペルのハ刺しは すくい縫いです。芯側からすくい、生地の表側に糸を出す事無く、内部の芯と前身頃の生地を縫い止め 一体化させるのですが、その際に内回り・外回りの差を持ち手で作りだし 内巻きになるよう癖付けしながらハ刺しによりメモリーさせているのです。
 何十年経とうがメモリーされた内巻きの癖は消える事がありません。

ハ刺し自体はとても多用される縫い方の一つであり、芯作りや肩パット作り、地衿作りなどでも使われます。
パーツや部位により、ハ刺しに託す意図や狙いがそれぞれ違いますので、縫糸の種類や縫目自体のピッチ、糸の緩さ、持ち方など 多岐に渡り違いがあるのです。















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・・・・・最高級な生地に最高の仕立て、そこに英国製のポリエステル釦。
昔はサビルローのTAILORでも使われていましたね。
天然素材の高価な釦を使わないギャップ!

ポリ釦は 確かに安価で色もサイズも巧みに揃える事が出来、割れず 劣化もし辛き釦とも言え、質実剛健な英国ならではであったのかも知れませんね。

1826年創業の英国で一番古いTAILORを相手にした専門付属屋さんがあり、とてもお世話になっております。


ある意味 英国らしくもあった このチープな釦ですが、実は廃盤となってしまい 今では作られておりません。英国でも使われる事は無くなってしまいました。
(厳密に言えば紳士スーツ用としての この釦種の事を指しますので、ポリ釦自体は存在致します。)
個人的にはとても残念であり、この釦種に限らず、廃盤となる付属の類は増えているのが現状です。

伊国では古くからナット釦が多く使われておりますが、英国ではこのポリ釦の代わりであれば これからはナット釦が代替え商品となっています。
















・・・・・では、折角の誂え服なので
トルソー写真では無く、クライアント自身の着用写真も恐縮ながらご覧くださいませ。


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流石に良いです、最高に良いです!!
シットリした肌触りながら、コシもある生地感、薄過ぎず暑過ぎない3シーズン物ならではの程好い着用感。
 そして この生地たる独特な縞柄の個性は着用される御本人が一番享受出来るのです。
自己満でしかありませんが、、、、、(笑)。















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・・・・・折角なので愛用のポケットウオッチと共にアルバートチェーンも!
今年の2月にはロンドンで直接買い付けてきた アンティークのチェーン類を御用意させて頂きました。
まだほんの少しだけ残っておりますので、ご興味のある御方が居られましたらお気軽にお問い合せ頂ければと思います。

http://dittos.seesaa.net/article/464203877.html

【 ANTIQUE:Albert Watch Chain 】
















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・・・・・濃過ぎない絶妙なトーンのグレー地です。
とても使いやすく、合わせ易い色味です。年中で着用期間も一番長くご愛用頂ける3シーズンウエイト。

どちらかと言えばネイビーよりグレー派の私にはたまりません。


例えばダークスーツ、そのポジションは崩しようが無く、ダークであればある程に むしろ それを生かして着用すべきドレスアイテムです。
 ダークでは無いスーツであれば、意図的にエレガントに装ったり、逆に砕けた印象でコーディネイトする等 装う幅も広く楽しめるポジションとも言えます。












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・・・・・掛け値なしで心底お勧めな 10周年記念生地は どの種類もそれぞれのポジションと個性を併せ持った各自が主役です。
最高級なGOLDEN BALEでありますが、オリジナルであり 10周年への感謝の気持ちを込めたお値段である事は、当店にある在庫生地全ての中で 当然コストパフォーマンスにも一番優れております。

 皆様でしたら この最高の食材をどの様に調理されますでしょうか。

この生地種に限らず、10周年記念生地で沢山のご注文を頂いておりまして
心よりのお礼と共に感謝を申し上げます。
 必ずやご満足、そして喜んで頂ける自信があります!

仕立て職人が想う『良い生地』という価値観で生み出された最高の食材です。
当店オリジナルの生地を是非ご堪能頂けましたら何よりの幸いで御座います。


そろそろ最後の4種目もいよいよ入荷致しますが、今回の PINHEAD STRIPE は一番人気です。
もし御検討頂いておられる御方におかれましては 是非御予約をお勧めさせて頂きます。

今であれば 4P-SUITS 含め、幾らでも自由に要尺確保出来ます。


 是非これら個性のある魅力的なオリジナル生地へ会いに
ご足労頂けましたら幸いです。




皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
今週も最後までお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。


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2018年09月10日

【 CASHMERE OVERCOAT 】




 この度の台風や、地震災害により甚大な被害が出てしまいました。
被災された皆様 並びにそのご家族の方々におかれましては、心よりのお見舞いを申し上げます。

また、一日でも早い復興を 心よりお祈り申し上げます。


辛き事が大きく 多ければ、その分 これから同等の良い事もあると信じております。
どうか 前を向いて頑張りましょう、日本!!



















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さて、早くも9月に入りまして 時間のかかる BESPOKE では
既にオーバーコートの準備も始まっております。

 御注文頂くコートのスタイルは、やはり チェスターフィールド コート が多く
皆様素敵なコートを極上のカシミアでお仕立てに成られます。

繊維の宝石とも言われるカシミアはとにかく最高です。
http://dittos.seesaa.net/article/445269848.html
( ↑ 【 繊維の宝石 】 )

そのカシミアの中でも質の差はありますが、高価であるが故に 流通量は生産量に対して4倍とも言われています。
 それだけ羊毛を故意に混ぜたもの含め、まがい物が多く出回っているという事実を知っておいて下さい。

信用のある品質高き PURE CASHMERE は当然高額となってしまいます。
しかし、それだけの理由と価値があります。 それは皆様のご承知の事と思われます。

 毎年 必ず良いカシミアを探しています。
質の高い最高のカシミアを、少しでもリーズナブルにお届けさせて頂きたい思いに他なりません。




 今期も良いのを仕入れております!
超老舗メーカー別注 Joshua Ellis製 PURE CASHMERE   500g


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美しい Ripple Finish で織り上げられた素晴らしい今回のカシミアは、
ダークネイビー、、、というより ミッドナイトブルー でしょう。
 とてもエレガントなオーラを纏っております。



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素晴らしき食材があります。
皆様なら、どんな料理で食されたいでしょうか。

 調理はお任せくださいませ。
もし 極上なチェスターフィールド コートを御所望であれば、シングルとダブル
どちらが好みでしょうか。



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・・・・・T様よりご注文を頂戴致しました ダブルブレスト のチェスターFコートです。

オーバーコートの精度はインナーであるコート(ジャケット)に準じます。
仮縫いを得て細部に渡りクライアント様のお身体の特徴や個性が反映されたインナーの型紙に対し、そのスタイルやご要望に見合う適正なユトリを加えるだけです。
仮縫いは必ず行いますが、なくても仕立てられるのです。

それだけ インナーとアウターとの相性が100%の合致性を誇る事を意味します。
特にチェスターF コートの様に身体のラインに添わせるスタイルであれば尚更顕著でもあるのです。

 これらは何もBESPOKEだけの事では無く、HOUSE STYLE ORDER に関しても同じ様に顧客様方は固有型紙をお持ちですから 上記に同じ事が言えます。













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・・・・・Y様より ご注文頂きました シングル型をご覧頂きましょう。
フロントは比翼仕立て、極ベーシックに上衿は共生地でのお仕立てです。












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・・・・・袖口は ターンバックカフ、腰にはチケット・ポケットを加えた片玉縁ポケットにてリクエスト頂きました。


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・・・・・U様より ご注文頂きました ダブル型もご覧くださいませ。
重厚感のある堂々とした佇まいは、やはりダブルならではですね。

オーバーコートは ご希望にもよりますが、基本的には芯も軟かくソフトに仕立てられます。
コートの芯は、インナーであるジャケットが担うからです。
 同じく言えるのが肩パッドでもあり、形状・成形も独特ですし 極薄です。













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・・・・・カシミアの生地などでは、表層的な表情は意図された FINISHING により随分と変わります。
 先のY様、こちらのU様、色やウエイトもそうですが FINISHNG が違いますので見え方も少し違いますね。















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・・・・・腰ポケットには 両玉縁ポケット、袖口は本開き仕立て(ワーキングカフ)をお選びになりました。















・・・・・極シンプルなデザインのチェスターF コートですが、それぞれ細かく見ると、ディテールなども色々と御座います。

また、上衿にベルベットを掛けるか否かでも印象は随分と変わりますね。


 御自身の拘りが詰まった素敵なコートを御誂え下さいませ。
クラシックで身体に寄り添う最高のコートは、きっと皆様の生涯に渡り 良きパートナーとして活躍してくれる事と思います。














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・・・・・英国を大批評する名探偵達も素敵なコートをお召しですね。
手元には英国紳士にとって欠かせぬアイコンも!











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・・・・・装飾(GREYHOUND)が付き、ステッキの様に細く巻かれた傘は FOX UMBRELLA です。
クラシックなスーツスタイルやコートスタイルに合わせて是非如何でしょうか。

傘はキングスマンにも欠かせませんね!









・・・・・今週もお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。

誠に恐縮ながら、来週のBLOG更新はお休みさせて頂きます。
次回は、9月25日(火)を予定しております。 何卒宜しくお願い申し上げます。


早く涼しくなる事を願いつつ、皆様とお会い出来る日を楽しみにしております。





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2017年05月23日

【 POSTBOY WAISTCOATA 】




 この春 GQ中国様 より光栄なるお声掛けを頂き、取材・撮影をして頂きました。
いよいよ見本誌が届きましたが、やはりお国違えば見慣れたGQさんも随分とカラーが違うものです。


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 当たり前ですが、ほぼ全て漢字です! 全然分かりません(笑)。


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様々な違いが見てとれますし、色々な事が感じられます。
日本の書店では売っていないと思いますので、ご興味のある御方は是非店頭にてご覧になられてみて下さい。

 この度は光栄なるお声掛けを頂き 心より感謝しております。
















 さて、今週は POSTBOY WAISTCOAT の続きをお話させて頂きます。

http://dittos.seesaa.net/article/449698302.html
( ↑ 一話目を見逃した御方は、宜しければ上記ページよりご覧頂ければと思います。)














・・・・・随分と気温も上がってきております。

既に麻混紡のスーツ類は快適です!

また プラスフォー を合わせての やはり麻混で仕立てたスポーツスーツですが、これに 毛・麻・綿 からなる3者混の POSTBOY WC を合わせてみました。


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 グレーのスーツ(千鳥格子)に爽やかなブルー地がとても良く映えます。
軽くて薄く、素材感も雰囲気抜群です。 是非お勧めで御座います!


WCの生地は BATEMAN OGDEN です。 下記ページで御紹介させて頂いております。
http://dittos.seesaa.net/article/449300370.html





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シャツはスイスの名門 ALUMO より、麻:100%のシャツで これはラミーになります。
ツイル織りであり、やや光沢感があります。


タイは今季春夏用にデビューした やはり麻を混紡したシルクです。
清涼感溢れるブルー系統でまとめてみました。


(お陰様により 麻混新作タイは全て完売となっております。皆様 誠に有難う御座いました。)













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・・・・・このウエストコートは、当然シアサッカーにも抜群の相性です。
http://dittos.seesaa.net/article/437439735.html
http://dittos.seesaa.net/article/437684692.html

同系色であると共に、素材感でも植物繊維同士の調和があります。












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・・・・・では POSTBOY STYLEを簡単に振り返ってみますと
シングル5釦、衿付きのスタイルであり、特徴は上下を分断するウエストシームにあります。
 そのシームを利用し、第5ホールと腰ポケットが作られております。
ウエストシームより下部のスカートがある事にもより、全体的に着丈が長めの設定でデザインされている事も大きな特徴の一つと言えます。







 この度、大変御贔屓にして頂いております S様より、
LOVAT TWEED(ダイヤ柄)による三つ揃いのご注文をBESPOKEにて頂戴致しました。
 いつも素敵な御注文を心より光栄に思っております。



 今回は気軽に2Pでも着用出来るようにと、敢えてトラウザースは吊り用では無く、ベルトレスで仕立てつつ ウエストコートを POSTBOY のスタイルでと御注文を頂きました。






 では 少し仕立てについても覗いてみましょう!












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・・・・・胸部の上パーツと、スカートの下パーツで分断されています。
上パーツは先ず胸のダーツ処理を、そして下パーツには予め作ったフラップをセットし ウエストシームで上下を合体させます。

このウエストシームを縫う際には、シームホールと腰ポケットが同時進行でなければ成りません。












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・・・・・胸ポケットも出来た所で前肩グセ含め 立体的にクセ取りした後、芯据えを行います。
ウエストシーム部から上下に立体的なボリュームが出ているのが写真からも分かる事と思います。















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・・・・・ラペルや衿は 上着とかなり似寄りな作り方となります。

ラペルの折り返るロールを生地にメモリーさせるべく、
一針一針とハ刺しを行い、端打ちテープ(キャラコ)で伸び止めと共に出来上がり線を確りと確定させます。


返り線の奥には、やはり伸び止めとなるテープが見えます。
このテープには色々な狙いを担わせている大切で重要なテープでもあり 欠かせぬ存在です。












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・・・・・これは左側前身頃、前端のウエストシーム付近です。
第5ホールとなるシームホールの開く位置には、予め芯をくり抜いておきます!












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・・・・・ラペル(身返し)も据え、上衿も据えました。
あとは上着同じくゴージラインをハシゴ祭りで閉じて参ります。












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・・・・・はい、立体的に仕立てられたフラシ芯による POSTBOY WAISTCOAT が組み上がりました。
 これでS様のご来店をお待ち致します。











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・・・・・ウエストシームがクッキリと確認出来ますね!
腰ポケットも腰の丸みをホールドし 出来上がっております。



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ウエストシームを基準に、胸部への立体的なボリューム
そして腰へ繋がる様に広がるスカート、これが POSTBOY WC です。














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・・・・・格子柄の場合は、勿論上下パーツの連動やフラップなども柄合わせします。
柄物だと、柄の主張が先行しますので ウエストシームはあまり目立たなくなりますね。













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・・・・・左が前身頃、右が裏地の後身頃となり、脇線の写真となります。
脇の裾には深めのスリットが切られ、これはサイドアジャスターが付けられています。

先の麻混ブルーも、こちらの格子も愛弟子が仕立てました。
新しい仕様を学ぶ為です。 なので私の私物で練習です。
技術がまだ伴わなくても、失敗しても私のですし、出来上がりは急ぐ必要もありません。

出来上がれば 私が着用する事により 仕立てた本人は間近で自分の仕立てを客観的に確認する事が出来ます。

また、私自身は技術的なテクニックだけでは無く、着用する事により気付く点においてもフィードバックする事が出来ます。


 大切な顧客様のご注文に触れるという事は、私と同等レベルまで精進してもらう必要がありますので こういった過程は不可欠でもあるのです。

 ディテールを覚える為にも一応アジャスター類を練習の為に付けています。
私個人的には無くても良いのですが、、、。












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・・・・・サイドアジャスターのベルト部にハンドステッチが見えます。
これは背中(後身頃)の表裏を結合させる為に縫われています。

後身頃は 基本的に表側が裏地であり、内側となる裏地(裏側に使用する綿地)により構成されています。(ややこしくて分かり辛いですね。)

ウエストをアジャスターで 『絞る』 となれば、表裏二重となる後身頃を 表側だけでは無く、裏側も同じ様に絞られなければ成りません。(表裏で連動していなければ成りません。)

 故に、こういったステッチ等で表裏生地を合体させているという事になります。














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・・・・・こちらは背中の裏側(内側)となります。
グレーのカマボコの様な裏地が右側に見えます。
これはスリット部です。


ウエストコートを仕立てる際、内側となる生地は古よりコットン地が多く使われています。
強度もあり 優しく自然な肌触りと共に、安定感が高く 支え的な役割も担います。
 上記以外にもいくつか挙げられる理由も御座います。

 これは春夏用なので かなり薄地のコットン(ローンスレキ)を使用しています。
( WCにもJKの様に 背抜き仕立てというのもあるんですよ!)


この様に 表裏で違う生地種を主として使う事を前提とした場合、その多くは表と裏で色が変わる事が通常となります。
何故なら、内側に使うコットン地を外側の裏地へ几帳面に色合わせしないからです。


左側になんだか縦にジグザグの不自然極まりない縫い糸が見えますでしょうか。


 先の写真では、サイドアジャスターの所で表裏を止めるハンドステッチがありました。
裏地(表側)の色に合せた色糸で そのハンドステッチを入れた場合、この内側には配色となってしまう その色糸が不自然に出てきてしまいます。

それを内側生地と同色の糸でわざわざ縫い隠しているのですね。
古きサビルローの仕立てでも行われていましたが、今でも行われているのでしょうか。

 芸が細かいですね。




まぁ こんなディテールも『学び』として伝承です!




そしてスリット部も同様の考え方です。(右側のカマボコですね。)
スリット部はチラッと裏側(内側)が見えたりします。

背中の表側がダーク色の裏地、内側がクリーム色のコットン地、
ダークスーツのWCでは通常です。
 そんな時 そのチラッと見える内側のクリーム色が目立ちますので、予め内側にも部分的にその裏地を付けておけば不自然に配色となる内側のクリーム色が見えないという事です。

更に スリット止りは どうしても力が掛かりますので、たった裏地一枚でも
力芯としての機能も果たしていると言えます。





 全て古の 偉大な先人達からの素晴らしきテクニックによるものです。
手間(工程)がどんどんと増えるばかりですが、理に適った意図あるからこその手間なのです。

だから本質的手作りのBESPOKEはどうしても時間が掛かりますし、高額にもなってしまいます。



最後にもう一つ、裾上げがあります。

表側の裏地が内側へ折り返ってきていますね。
裾線が縫い返し線ではなく 『 控え 』が付いて上げられているのです。

これにも理由があり、意図的な手法となりますが 皆様もうお腹一杯ですよね(汗)。
この辺にしておきましょう。


 BESPOKEのレベルはキリがありませんよ!














・・・・・では最後に、S様のPOSTBOY WAISTCOATと共に、素敵な3P-SUITS をご覧頂きましょう。

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軽く段返りで と リクエスト頂きましたベーシックな3釦の上着によるツィードスーツです。 TWEED FESTIVAL の生地ですね。

Vゾーンの合わせもカントリー調でまとめて頂き 滅茶苦茶に格好良いです!
鉄板のカントリースーツ スタイルですね、惚れ惚れします。



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ベルトレスのトラウザースに合わせ、このPOSTBOYです。
股上浅きベルトレスでも十分にバランスが取れた上で御着用頂けております。

 これが大いなるメリットの一つです。












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・・・・・・バックスタイルからも丈のバランス、トラウザースとの調和がお分り頂けますね。
S様はアジャスター排除でリクエスト頂きました。

身体に合っていれば不要なディテールでもありますので、有無は自由に御選択くださいませ。



 そんな事よりも、、、WCの裾からベルトやシャツが絶対に見えては成りません!!




S様、この度も羨ましい素敵な御注文を誠に有難う御座いました。














・・・・・如何でしたでしょうか。

これで POSTBOY WAISTCOAT というスタイルも覚えて頂けましたでしょうか。

しかし、今のところBESPOKEのみでしかご注文頂けません。

HOUSE STYLE ORDERでも工場さんにリクエストはしておりますが、もう少し時間が掛かるようです。
今は工場さんの状況が整うのを待ち、少しでも早くHS ORDERでもご注文頂けるよう 新型として検討・進行中で御座います。

 もう暫くお時間を頂戴致します。










 では、今週もお付き合い頂きまして誠に有難う御座いました。



来週のBLOG更新は 誠に恐縮ながらお休みとさせて頂きます。

次回は 6月6日(火)の更新を予定しておりますので、引き続き宜しくお願い申し上げます。





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