2010年12月07日
【 裁断 (無地編) 】
こんにちは。
クリスマス向けに所々でライトアップされている街並みを歩くと、
やはり気分が盛り上がるというものですね。
皆様は、大切な方へのクリスマスプレゼントは もうお考えですか?
さて、今回は洋服を仕立てる上で必要不可欠な『裁断』についてお話し致しましょう。
クライアントの方を想い、イメージし、線の一本一本にその表現を託した大切な型紙です。
紙の上では1mm以下まで正確に表現出来ますが、これから仕立てていく上で、幾重にも誤差や動きが発生致します。
相手は生地です。成形し立体にしていきますので寸法など動いて当然です。
それが分かっているからこそ、スタート地点である型紙の正確性を重要視しています。
そして次に来る作業が裁断に成りますが、出来る限り正確に裁断致します。
正確でなければ、正確な型紙の意味も半減ですからね。
地のしして、寝かせた生地を台に広げ、、、型紙を置きレイアウトを決めます。
これが『差し込み』です。定まった要尺内で必要全パーツを入れなければ成りません。
パズルみたいな感覚ですね。
ある程度慣れますと、大体の法則が出来て来ますが、ベンツの有無、身体の大きい方、お太りな方などは型紙も大きく成りますので、上手く差し込まなければ成りません。
レイアウトが決まりましたら、先ず『地の目』を拾います。
生地は縦糸と横糸の構成によって出来ていますが、縦糸が地の目になります。
また、織始めがあれば織終わりもある訳ですから、必ず生地には方向も御座います。
特に毛並みのある生地等は、その方向性を尊重しパーツの向きを合わせたりと、、、細かく言えば色々とあるのです。
では見てみましょう!
型紙の基準となる線を、ミミ(生地端)より正確に導き出し(無地の場合)、直定規で線を引きます。
直定規に目を近付ければ、織糸が見えます。それを目で追いますとズレ等すぐ分かりますので、丁寧に地の目(縦糸)を直線に整えてからチョークを引きます。
その基準に対し、型紙を乗せ、輪郭、内部線をチョーク(チャコ)で引いていきます。
この写真の基準線は、TROUSERSのセンタークリース線です。
地の目取りがいい加減ですと、洋服に歪みも生じますし、洋服として落ち着きも悪く、当然綺麗にはいきません。
・・・・因みに、有名なチョークストライプとは、このチョークで引いた線をアイディアに作られたストライプですね。
黄色い紙のJACEKT型紙が乗っています。
(この生地は、ゴールデンベールのシャークスキン by H.Lesser&Sons で御座います。
I様の2P-SUITSですが、裁断しておりましても とても気持ち良き生地です。仕立てが楽しみです!)
これも基準線に伴い、レイアウトした通りに型紙を置いている訳ですが、その型紙には幾つもの小さな三角形の穴が開けてあります。
輪郭線は型紙をなぞれば線は引けますが、内部線(ポケット位置やダーツ、釦位置等)については、そうはいきませんね。
故に必要個所に穴を開けます。
型紙を外しますと、、、、
こう成ります!
各々のポイントを繋ぎ合せますと、、、、この通り!
型紙に表記された必要情報が全て生地に写す事が出来ます。
しかもかなり正確に引けます。(三角形をくり抜く際、チョーク線の太さも考慮に入れているからですね〜)
線が引き終われば、鋏を入れますが、線の通りただ裁断する訳ではありません。
チョーク線の内側を切る様に、、、または たっぷりと縫い代、折代を付けて裁断します。
この時、パーツ以外の余白部分、これもまた重要です。
この余白でポケットの蓋や口布、衿等 細かなパーツを後に取る訳ですが、
パーツは大きければ大きい程良く、出来る限り細かくし過ぎない様にします。
ほんの些細な切り込みや、あと ほんの僅かで欲しいパーツが入らない等ある訳です。
裁断者は、既にレイアウト時には余白スペースで 「ここであのパーツを取り、あそこであのパーツを取って、、、」
と考えながら差し込みます。
はたから見れば黙々と裁断しているように見えるかもしれませんが、実は頭の中では目まぐるしい計算が行われながら裁っているという訳ですね!!
この写真はT様のODD TROUSERSです。
御注文頂いたODD JACKETに合わせ、「取りあえず、グレーフラノを!」とのリクエストで御座います。
王道的組み合わせながら、この赤耳は、、、
そうです。HARRISONSのウーステッド フランネルをお選び頂きました。
毛並み方向を前後で合わせ、地の目を正確に通して、、、、
デザインは『IN 2-PLEATS』ですが、右側のウエストバンドが付く位置に 白チョークと共に、黄色チョークが引いてあるのを気付かれましたか?
これは、腰骨の高さに左右差があり、白色と黄色で左右を仕立分ける訳です。
既製服ではそうはいきませんが、左右差が大きければどちらかにダレ皺が出ます。
これらは股下寸法にて差寸が出ると言う事に成ります。
簡単に申しますと、理想的には腰位置で左右非対称に作りたいですが、オーダーでなければ そうはいきませんので、それら歪を下(股下)で補うと言う事に成ります。
線が引けましたら裁断ですが、出来る限り余白は大きく! 余計な鋏は入れない事!
ポテンシャルと成る縫い代をたっぷり付けながら裁断です。
各所に見える残布(余白)には、必ず矢印が付いていますね。
これは後にパーツを裁ち合わせする際、身頃と生地方向を合わせてパーツも取る為であり、必要不可欠な情報です。
慣れている私達は、切り取られた輪郭から直ぐに生地方向を導き出せますが、小さなパーツに成ると分からなくなりますので、こういうルールをクセ付けておきます。
最後に、私が裁断を行う上で、とても外せないお気に入りアイテムをお見せ致します!
この箱、『チョークシャープナー』と言いまして、単なるチャコ削り機です。
ですが、これ、、、かなり優れモノです!
青矢印の部分には、何重にも剃刀のような刃が付いており、それに当てがいながら擦る訳ですが、
本当にシャープに、しかも簡単に削る事が出来ます。
正確な裁断には、細い線が絶対的に必要です。
シャープな線は気持ちが良いです!なので、チョークはどんどん小さくなってしまいます・・・(汗)。
如何でしたでしょうか!?
裁断にも色々な手法があります。型紙作りにしましても、私の様に三角形で綺麗に穴を切ってる人等いないのではないでしょうね(笑) 時間がかかり、面倒だからです。
私の想う正確性の為の型紙作りであり、裁断です。
不効率な所も多いですが、裁断は縫製のスタートです。最初からアバウトな裁断なら、洋服もアバウトです。
型紙は洋服の大切な設計図ですからね!
しかし、TAILOR違えば、お国違えば、色々と違いが多く御座います。
型紙尊重ではなく、仮縫い尊重の考えであれば、ある意味裁断はアバウトという事に成り、
仮縫いで精度を上げていくという事ですね。
また、直裁ちの様に生地を広げ、生地に製図を起こし、そのまま裁断する手法も有ります。
これは仮縫い後に型紙を抜きます。
技術には、多分100%はありません。
メリットあればデメリットも有ります。それらの組み合わせを理想とする物作りの為に組み上げていくと言えるかもしれません。
技術はクライアントの方に満足して頂く為に御座います。
良い・悪いの御判断はクライアント様に委ねられます。
技術は広く、深い!! という事ですね。
縫うだけが技術だけでは無く、やはり物作りには下拵えからFINISHまで様々な技術を有し一着の洋服に成っているという事です。
今はコンピュータを使って、レーザーで裁断出来る時代です。
手には、手しか出来ない技術が山の様に溢れておりますので、専門技術が必要となるのです。
機械で扱える範疇に限られてしまえば、物作りの視野はとても狭くなってしまいます。
また、職人(技術者)は皆プライドや志は高く持っているものです。自信もあるでしょう。
でなければ、高額なBESPOKEなどお勧めできません。
ですが、多いに自分を含め、自己満足的な部分がある事も職人の特徴かも知れませんね(笑)。
今回は無地でしたが、機会があれば柄物裁断も御紹介致します。
全て裁断が終わりますと、以前紹介致しました『切り躾』を打ち、裏側にも同じ線(情報)を写していきます。
この度は、眠たくなる様な専門技術的内容に御付合い頂きまして、誠に有難う御座いました。
2010年08月18日
【 クセ取り 終わり!? 】
こんにちは。また酷暑が続いており、今年の夏は本当に厳しいですね。
さて、突然ですが、私が愛用していたデジカメが前触れもなく壊れてしまいましたっ!!!
先日、顧客様のBESPOKE SUITSを御納品させて頂きましたが、とても素敵で、お似合いであったT様のスーツ姿をBLOGに乗せたく、御本人様へ許可を頂き、いざ撮影しようと思った矢先、画面に横線のノイズの様なものが・・・・
撮影した写真データを確認しても駄目でした。
「水落さん、それ、SO○○ですか?そうなったらもう駄目です。私のもそうやって壊れました」と、、、え〜っ、大切に使っていたのに。
SO○○商品は、格好は良いですが壊れやすいという噂は本当なのかなと思ったり(汗)。
残念ながら、T様の写真、そして色々と御紹介したかったのですが、デジカメが無い為 保存してあった写真を使ってこの度の話をさせて頂きます。
デジカメ、早急に新しいのを手配しなければ成らなくなってしまいました。
さて、前置きはこの位にしまして、
今回は恐縮ながら、私自身の洋服です。すみません。
以前のブログで、『クセ取り@A』と御紹介致しました。実はこの自分のネタを流用し、様々な事を書こうと思っていました。
ですが、衿にしても、肩にしましても、そういった部分のクセ取り等を文章として書き出しますと止りません!!
縫製書では無いですし、専門的に成り過ぎ、とても文字数も多く、また文字での説明に限界もあり、BLOGの範疇では書けないっ!と認識した次第です。そして突然完成品での御紹介で御座います。
仕事の傍ら、お休みの日など夜な夜な完成まで約7カ月かかりました。
当然お客様の物が優先ですからね!
生地は、H/S U様とお揃い(U様、恐縮で御座います)であります
H.LESSER & SONSより、LESSLONのストライプです。ゴリゴリなH.LESSER版TONIKです。
モヘアは張りが強く、イセ等も馴染み辛い部類に入ります。
生地が強い分、コテを利かせるのも大変ですが、そこはテクニックと共に頑張るのみです。
クセ取り@Aで御紹介したような工程を踏まえ、完成した物のフォルムを御覧下さいませ。
丸味感、シェイプ、立体成型された身頃など、コテ多き仕事の賜物です。
シルエットは、型紙も勿論重要ですが、仕立てにより作り出すものです。
型紙通り裁断し、組み立てればそのラインが出る訳では御座いません。
(婦人服はまた少し概念が違います!)
背中もそうですが、袖の振り方、内巻き等、確かに御着用者の体形が前提です。
前提があって必要であれば、型紙に還元し、仕立てで表現致します。
ただ、BODY着用では無く、やはり誂え服である以上は、御本人様が着てこそのフォルムが重要ですが、機会があればこのスーツの着用状態を御紹介させて頂ければと思います。
ですが、自分は二の次、三の次に成ってしまいますが、宜しくお願い致します。
クセ取り等については、またどこかの工程にてお話し出来ればと思っておりますので、お楽しみにしておいて下さいませ。
・・・・・・・・・・・・話は変わりますが、かの有名なUNION WORKSさんのBLOGが御座いまして、私も良く拝見させて頂いている とても素敵なBLOGが御座います。
そこで恐縮ながら私も登場させて頂きました(汗)!
大変光栄でありつつも、恥ずかしいものですね、、、。宜しければ皆様も覗いてみて下さい。
中川さんを始め、STAFFの皆様がどれだけ靴が好きか伝わってきます。
また、時々そのBLOGを書かれておられますyo-c様、御存じの方も多い事と思います。私なんぞ、恐縮の限りです!!
http://unionworks.blog118.fc2.com/
(UNION WORKS BLOG)
・・・・・・・・・・・ここで御連絡を2件させて頂きます。
● 弊店別注ネクタイですが、8月20日に納品が決定致しました。
改めて御紹介させて頂きますが、本数はそんなに多く御座いませんので、チェックはお早めにお願致します!!
● 8月23日〜26日まで 誠に恐縮ながら夏季休暇を頂戴致します。
尚、本日気付いたのですが、22日(日)は第4日曜日であり、定休日を頂戴しております。
故に正確には、22日〜26日までお休みという事に成ります。
誠に申し訳御座いません。御迷惑をお掛け致しますが、何卒ご了承の程 宜しくお願い申し上げます。
また、上記に伴い 来週のBLOG更新はお休みさせて頂きます。
お休み明け、引き続き宜しくお願い致します。
では、今年の残暑は長いのでは!?との予測も御座いますが、早く涼しい秋が来る事を待遠しく思いつつ、皆様のご健康を願っております。
この度も、どうも有難う御座いました。
2010年08月10日
【 仕立てについて@ 】
こんにちは。
この度は、久しぶりにTAILOREDの事に付いてお話しをさせて頂きます。
この暑い最中、既に秋冬物受注は始まっており、涼しい店内でバリバリ仕立て始めております。
さて、JACEKTはポケットも多く、当然工程数も凄く多くなります。
だからこそ、下拵えが大変なんですね。
凝った料理、拘った美味しい料理こそ見えない下拵えがあるというものです。
今回は裁断後、仕立て始めの時に行う工程である『切り躾』、及びHOUSE STYLE ORDERでも入っている『顎グセ』(=顎ダーツ)に付いて御覧頂きます。
・・・・・・・・『地のし』した生地に、地の目を拾い、型紙を差し込みます。
そして、チャコで線を引き裁断を行う訳です。
それら線には、外殻線の他、ポケット位置やダーツ、合印、ホール位置等、様々な必要情報線が沢山あります。
裁断は主に、生地を内側が表に成る様に二重に折り曲げ、左右パーツを一気に裁断致します。
しかし、パーツとしては左右ありますが、線を引かれるのは片側だけであり、しかも生地の裏側に引かれるわけです。
では、線の引かれない側はどうすれば、、、どの様に逆側にもそれら線を移すのか、、、これらを担う役目が『切り躾』で御座います。
裁断により引かれた線は、基本的に全て必要であり、重要です。
それら線を『白毛』と呼ばれる綿の躾糸が御座いまして、その糸(二重で使います。)で線をなぞる様に縫っていきます。
特に曲線部分や重要な個所は細かく縫っていきます。
細かければ細かい程、裁断線に対し正確であると言えますが、細か過ぎると時間もかかります。そのバランスが重要ですが、私の打ち方は細かい方かも知れません。
やはり自分で型紙を引く分、線への拘りを込めて引いているので、それらを尊重しなければ意味がありません。
例えば、肩下がり等 左右非対称な個所がある場合には、区別が付きやすい様に『色毛』と呼ばれる糸(有色)を使います。
写真では黄色い糸がそれにあたります。
一通り縫いましたら、写真の様に重ねてある上の生地を そーっとめくります。
すると、青矢印の部分の様に縫った個所に糸が渡っているのが見えると思いますが、生地を切らぬように気を付けながら、その渡っている糸のみを全て切っていきます。
全て切りますと、左右は分断されますが、次の写真の様に雑草の様に生え渡る糸の足を切らなければ成りません。
本当に雑草を切っている様ですが、油断すると生地を切ってしまいますので要注意です。
私も経験しましたが、大抵一度は生地を共に切ってしまい、初めて怖さを覚えていくとも言えますね(汗)
次の写真を見て下さい。
切り躾の工程が終わりますと、左右パーツに裁断線が写りつつ、めくると表側にも同じように裁断線(切り躾)が出ます。(赤矢印)
これら切り躾は、外す物と、完成しても内部に残しておく物と御座います。
例えば、ダーツやポケット等は、その工程を行いながら外しますが、お直し用に縫い代を沢山残しておく個所(肩や脇など)は内部に残します。
これらは、いつかお直しで帰って来た時に増減どちらでも良いのですが、現状の基準となり、その印からどの位増減させるか、、、、、
そして左右対称にその分量を設定する為のゲージと成る訳です。
この作業だけでもそれなりの時間がかかる訳ですが、手抜きをしようとすれば幾らでもテクニックは御座います。完成してしまえば、それこそ外から分かりません。
では、何故効率では無く手間を惜しまないのか、、、それは裁断尊重と言えますが、それを含め物作りに対する思想と拘り、プライドと自己満足なんだとも言えると思います。
全ての工程に言えますが、物作りは1つ1つの作業の積み上げです。
例えば、紙に引く型紙は動きませんし、ミリの単で想いを込めた線を引きます。
しかし、布はある意味生き物のようです。同じウールでも織方や糸が違えば全然違う性格にも成りますし、伸び縮みも致します。
クライアント様のお選びに成った生地達の性格を見抜き、尊重し、時には強引にねじ伏せ、個性ある一着と成っていく訳ですね。
・・・・・・次の工程より組み立てに入っていきますが、前身頃では先ずは各所のダーツ地縫い、そして処理(クセ取り)に成ります。
ダーツの処理にも幾つかの処理方法があり、基本的には『縫い割り』&『片倒し』の2種ですね。ただ、顎グセは必ず割ります。
割仕様の場合、胸ダーツは共生地を当てがい、その当て布と摘んだダーツ縫い代を割る訳ですが、そうすると生地が多く重なり合い、厚さが出てしまいます。
大抵の場合、顎グセはラペルの返り線を通りますので、縫い線が折られる訳ですね。
であれば少しでも薄く処理し、折り曲げを妨げない様に配慮するという考えに成ります。
摘んだダーツを切っていき、縫い代を割る訳ですが、先端は摘み分量が無くなってしまいます。仮にギリギリまで切れたとしましても、縫い代の噛み合い分量が少な過ぎますと、直ぐパンクしてしまいます。
そこで、、、当て布(綿スレキ等)を先端の方だけに当てがい、摘み分量が限りなくゼロに近くても綺麗に割れて処理出来るというテクニックを使います。
ただ、上記でお話ししたように厚さも加味しなくてはなりません。
そこで厚さの薄いスレキを使います。更に、スレキは綿ですのでプレスが良く利き、定着力も高いので好都合なのです。(写真内 赤の楕円部)
一番注意すべきは、必ずその当て布はラペルの返り線に掛からない事、、、これが重要です。
更に、縫い代は表からプレスしますと、やはり厚さがある訳ですから『あたり』と呼ばれる縫い代痕が出てしまいます。
故に、それを考慮し、重なり合う縫い代には階段の様に鋏で段差を付けます。
これは効果覿面であり、様々なポケットの袋地などにも流用致します。
顎ダーツを摘む事により、返り線やラペル線は自ずとずれてしまいます。
そこでクセ取り後に返り線、及びラペル外殻線を設定し直し、改めて線を引き直します。
青矢印を見て下さい。随分ずれていますね。
当り前ですが、摘んだ分だけ外に出る訳ですが、最初の胸部分量(胸幅)より多少増えて再設定される事に成ります。
顎グセを摘む事により、ダーツの生み出すボリュームと共に、胸幅も多少増え、より立体的であり、魅力的であり男性的胸部、厚みのある胸部を生み出す事に成ります。これが狙いです!
しかし、ここでかなり重要となりますのが、、、、
赤矢印の先(=NECK POINT)のポイントですが、通称N点、このポイントは補正においてかなり肝と成るポイントで御座います。
このポイントの上下・左右で着心地や洋服が体形に合うかを左右する事に成る重要なポイントの一つです。クセ取り処理の仕方でも胸幅の広がり方やN点の移動の仕方は変ります。
顎ダーツを安易に摘み、クセ取り処理が設計に伴わない処理を施されてしまったら、それは大きな副作用が出ると言えます。
また、摘み分量、位置、長さ、適正な処理を施せるテクニックを前提で設計されているのか、、、、。単に型紙にダーツを加えれば良いという訳ではないと言う事ですね。
かなり専門的に成るので詳しくは省きますが、ディテールとして摘んである訳では無く、意味と、狙いと、理解があり、それらの筋を通して仕立てられてこそ生きるダーツと考えて下さい。
(・・・・・・・PITTI UOMOに出品させて頂いていました折、欧州を始め各国の目利きバイヤーや、技術者(TAILORやSARTO)、工場の方々など様々な方が御来場に成ります。
彼らは本当に良く隅々まで見ます!そして着ます!
見た目だけでは無いというのが紳士服のTAILOREDという事です。
そんな彼らは、「最近、面倒や難しさ含め、効率化などにより省かれる様になった顎グセ、これを見れば、どんな想いで物作りに携わっているのか理解出来ます!」と言って頂いたりもしました。
皆では無いでしょうが、多くの方々は表層的では無く、仕立て含めて紳士服というものを理解されている方が多いのではないでしょうか。
欧州での洋服文化の歴史を感じさせてくれたひとコマでした。)
TAILORの仕立てる洋服、TAILORの設計・構築した洋服、
これが『Dittos』のBESPOKE であり、HOUSE STYLEです。
また、他の工程でそんな部分を御覧頂きますので、次回を御期待下さいませ!!

