2025年10月14日

【 CASHANOVA:I様のご注文 】





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・・・・・1894年に完成したロンドンの顔でもあるタワーブリッジ。
WAIN SHIELL のハンギングシールです。
そんなハンギングシールですが 今ではほぼ採用されていませんので、付いていればその多くはVINTAGE FABRIC かも知れませんね。

とは言え、5周年・20周年記念生地を Taylor & Lodge に織ってもらった際には
余っていたというT&L社のハンギングシールを沢山頂きました。



今週は WAIN SHIELLの極上VINTAGE SUITINGよりお仕立て頂きました
I様のご注文を紹介させて頂きます。




















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・・・・・とてもエレガントなダークグレーの三つ揃い、結論的には納品まで約1年の道のりとなりました。

一見にはシンプルでベーシックな生地に見えますが、これまた奥ゆかしい生地なのです!


















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VINTAGE:WAIN SHIELL

By. MOXON


75% S’100s Lumb’s Golden Bale Wool

25% Cashmere


340g





【 至高たるヴィンテージ:CASHANOVA 】




・・・・・スターダスト、もしくはブロークンストライプと呼ばれる珍しい縞柄。
着用してしまえば目立つ事なく溶け込む独特の顔立ちが特徴の生地です。

往年のモクソン製であり、WAIN SHIELLのスタンプも見えますね。
旧型織機によるふっくらとした温もりある風合いには勿論カシミアの効力も加わります。

こんな混紡、そして混率、
大変贅沢で極上な肌触りと共に温かさ、340gと一番使いやすいウエイトに仕上げられています。

多くの顧客様方に支持され、沢山のご注文を頂戴致しましたので作例も多く掲載しております。
ベーシックな色柄より品切れとなっておりますが、まだお選び出来る色柄も御座いますので是非お気軽にお声かけ下さいませ。
















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・・・・・I様にご足労頂きました。
本日は当店ので 1st BESPOKE SUITS ですね、2019年にご注文頂きました。


http://dittos.seesaa.net/article/453386393.html
【 VINTAGE MOXONB 】



御愛用頂いておりまして 誠に有難う御座います。
スーツはI様色に染まり随分と味わい深く、新品時には無い魅力で溢れています。
極上なVINTGE含め、比較的に古めの生地が多いですね。

 I様はご覧頂けるように本当に大きなお身体の持ち主であり、身長も私より遥かにお高いので大変な迫力が御座います。
 怒り肩傾向な所も個性ながら、実は体重の増減もそれなりに結構御座います。


そんなI様におかれまして、海外への赴任が決まり 年に数度の帰国タイミングで事を進める事になりました。




















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・・・・・ご多用の中、お時間を御捻出頂き仮縫いへとお越し頂きました。

今回のスーツはご注文時のご体型、採寸により新しく型紙を引き直し
新たな気持ちで新作に臨みます!

 ですが海外でのご生活です、なかなか慣れぬ環境と共に お食事もあまりご自身に合わぬとの事、、、
お会い出来る度にお痩せになりサイズダウンを図って参りました。
















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・・・・・バックスタイルは使わぬと尻ポケットを排除、高く上げられたフィッシュマウステイル(ハイバック仕様)のみ!


















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・・・・・ウエストコートはダブルブレストの衿付きをリクエストされました。
型紙を引いていても凄く大きいのでバランス取りがキモとなります!
 上手く調和し、とても素敵です!
















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・・・・・上着はピークドラペルを選ばれ、よりエレガントなスーツを演出です。
素敵な笑顔も頂戴し、新作のスーツへ期待感も高まります。

織柄が見えますでしょうか?
本当にお近くで見れば『おっ、、、』となるやつです!



また少し痩せられましたね、確りと補正を施しお身体に寄り添います。
修正を加えて いざFNISHへ進めて参ります。


「次のご帰国タイミングはいつ頃になりましょう⁉」

























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・・・・・ご帰国タイミングに合わせお仕立て上がり済み、御来店をお待ち致します。
期間も空きましたので また更にお痩せになられていたら、、、、。

 心配もありましたが、中仮縫い時より大きなご変化もなく ホッと致しました。

シンプルなバックにはアジャスターをリクエスト頂いております。
良いアクセントになりますね!

















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・・・・・シングルブレストのウエストコートは胸部から打合いが(釦により)定まります。
ダブルブレストの場合はデザイン上 腹部しか打ち合わないのでフィット感やホールド感でればシングルに軍配が上がります。
 ですが、ダブル特有な重厚感と共に 裾剣先の無い裾線はスパッと上半身と下半身を高い位置で分断します。
 脚長効果も高くスタイルをより良く魅せてくれるのです。

シングルの上着に合わせたダブルの中衣は まるでA.イーデン卿の様にエレガントで魅力的ですよね。



















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・・・・・背中のライニングはグレーにもとても合う深いボルドー。
ブラックとワインレッドで構成された交織裏地であり、光の加減で色味を変えます。

背中には背ベルトを付けられました。
当店でお付けされる御方は極少数派ですが、I様におかれましてはご体型変化も考慮されておられるのかも知れません。




















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・・・・・お〜〜っ、迫力と貫禄を感じずにはいられません!
ハンガーラックに掛けていると、I様以外の服は子供服のように見えますし、トルソーに着用させても当然ながらサイズが合わず全く確認出来ません!

一律サイズなハンガーに掛ければ上着のゴージラインは著しく低く落ちます。
ですが、首幅やお身体の厚みがあるのですから御本人様が着用されればご覧の様にクラシックな適正位置となります。


















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・・・・・この位まで近づくと生地の表情も感じられてくると思います。
小さなスワッチで見れば派手と敬遠される御方もおられますが、服になり着用してしまえば派手さなど微塵も感じられませんよね! と思いますが皆様におかれましては如何でしょうか。

スワッチ自体を見る時は ご自身から離して遠目で見てみる事も大切です!
あとは慣れもありますし、TAILORの助言などをご参考にされて下さい。

















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・・・・・バックはサイドベンツをお切りしております。
ゆったりテーパードなトラウザースのシルエット、裾幅はそれなに御座いますが
なにぶん足(靴)も大きいのですから全然太く見えませんね。

















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・・・・・I様にはお喜び頂けまして何よりで御座います。
これから冬の到来ですから このスーツも赴任先で活躍してくれる事でしょう。

カシミアが25%も入っているスーチングによる三つ揃いです、温かいという性能は折り紙付きです!

I様、この度も素敵なご注文を賜りまして誠に有難う御座いました。
お次に仕込まれたスーツも是非ご期待下さいませ。



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【 NEW OPENCOLLER SHIRTSA 】




・・・・・大変長らくお待たせ致しました。
ドレスシャツの受注リスタートから随分と準備期間で空いてしまいましたが
いよいよもって オープンカラーシャツも受注リスタートを切らせて頂きます。

本当は夏のシーズンに間に合わせたかったのですが、、、
秋冬でも是非ご堪能下さいませ。

シーズン問わず愛用できるシャンブレーやデニム地、オックスフォードからブラッシュドコットン(コットンフランネル)まで、ブレザーやツィードなどにも合わせ是非如何でしょうか。

ワークシャツの類などは大きな格子柄のウールなどでも良くオープンカラーで作られています。
作業前提であり タイも締めませんので台衿も無い方が楽ですからね。
機能・利便性重視に胸ポケットも両側に付け、長袖にてお楽しみに頂けます。

 皆様よりのお声掛けを是非お待ちしておりますので、どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。







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2025年10月07日

【 Joshue Ellis:AWお勧め到着! 】






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・・・・・先週は当BLOGにて、新作タイ 24th-COLLECTIONS をご紹介させて頂きました。

御贔屓にして頂いております顧客様方を筆頭に、本当に多くの方々より沢山の温かいご予約を賜りまして心よりの感謝を申し上げます。
既に初回ロット分の多くはお渡し済みとなり、多くの方々は今月半ばの後発入荷をお待ち頂きます。
(ご覧頂ける店頭用の現物タイは御座います。)

現在庫状況ですが、C / H / I / J の4種類がお陰様により既に品切れとなりました。
在庫があっても残り一本となる柄も御座いますので、気になる色柄が御座いましたら是非お気軽にお問い合わせ下さいませ。

これらは色柄により制作本数が違いますので一概に人気順に無くなる訳でも御座いません!
 毎度コレクションを楽しみにして下さる顧客様方に支えられ、この度も御好評を頂戴致しまして 誠に、誠に有難う御座います。



そろそろタイを締めて本格的に秋冬の装いへとシフトして参りましょう。
当店自慢のオリジナルタイを どうか引き続き 宜しくお願い申し上げます。






















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・・・・センターの紳士が明るいグレーのオーバーコートを着ています。
何て品のある佇まいなのでしょう、、、。

シングルのピークドラペル、胸ポケットは排除され サッパリとシンプルにまとめられています。
トータルで無彩色コーデと思いきや、実は靴のみ外してブラウンですね!

控えめで落ち着きもあり、クールで洗練されたイメージ与えてくれる明るいグレーは
とても知的で協調性にも優れた色味であり味わい深きオーバーコートに成り得ます。

















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・・・・・カジュアル化が進行する昨今、ダークトーンのオーバーコートはポジション的に欠かせぬながらも、敢えてもう少し軽快に幅広く合わせられる色目として キャメルと共に明るめなグレーは大変重宝も出来ますしお勧めなので御座います。


















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・・・・・イラストでは比翼フロントのシングルブレスト:ピークドラペルが続きましたが、ダブルブレストや比翼にしない貫通釦で更にスポーティーなポジションにする事も有りですね!
 バックには背ベルトをあしらわれても良いアクセントになる筈です。











・・・・・さて、急な思いがけぬ出会いが御座いまして 期中仕入れにて極上なカシミアを仕入れる事が出来ました。
今週は早速ご紹介させて頂きたいと思います。

 10月に入りましたが、H.S.ORDERでは旬の料理をまだまだ味わえますので冬服の仕込みには十分間に合います。
BESPOKEであれば時間は掛かってしまいますが、こんな素晴らしい生地とのご縁を大切にして頂けるのであれば 謹んで承らせて頂きます。


















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・・・・・SILVER GRAY のピュアカシミアです。
妖艶で艶やかな相貌は さざ波の様にうねりのあるリップルフィニッシュ。

シルバーグレー、和名では『銀鼠:ぎんねず』と呼ばれ、江戸時代には着物の色として流行した歴史があるそうです。

そんなシルバーグレーという色に対し、皆様はどんなイメージが浮かぶでしょうか。
















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SILVER FOX (銀狐)



・・・・・北極の一部を含め雪に覆われたツンドラのような亜寒帯、及び山岳地帯に生息しています。
故にその毛皮は高性能で密度も高く 激しい嵐の中でも体温を保つ事ができ、その色たるは保護色でもあるのですね。

シルバーフォックスの毛皮は銀(白)と黒のコントラストが美しく、ご存じのように高級毛皮として大変重宝されました。(毛皮に使われる多くは養殖されているそうです。)
こんなイメージもシルバーグレーの高貴な印象に繋がっているもかも知れません。


















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Joshua Ellis & Co.


100% PURE CASHMERE

(Ripple Finish)

500g




・・・・・カシミアと言えばココ、今期より同社のカシミアやキャメルは
同グループ内の STANDEVEN より展開される為 お値段は頗る上がり、もう出物など出て来なくなるとの事でした。

 ですが、実際にはキャメルも カシミアも、、、、、
そういう意味では嘘をお伝えしたようで心苦しく、ご紹介し辛くもあるのが正直な気持ちで御座います。

とは言え、純粋にこんな素晴らしい生地が特別な価格で手に入る機会を逃す術は御座いません。
有難くご縁を頂き、仕入れさせて頂いた次第で御座います。



















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・・・・・とにかく美しい生地です。
シットリとした最高の手触り、濡れているかのように見える妖艶で艶やかな表情。

ウエイトは軽過ぎず、重過ぎない 500g です。
オーバーコーティングの括りで見れば中・軽量級に属しますが、街中での普段使いであれば これが丁度良いのです。

もしエレガントなチェスターフィールドコートをお持ちだとしても、それはダークトーンですよね。

こんなにも素敵なシルバーグレーのカシミアですので
ビジネスウェアとしては勿論、タウンやカントリーまで幅広くお使い頂けます。
背ベルトを付けてみたりとデザインや仕様を考えてみるのも楽しくなって参りますね。

 今年の冬はかなり寒く強い冬になるとの事、楽しみでしかありません!
最高に暖かくて優しいカシミアのオーバーコートを是非如何でしょうか。
グレーのベルベットカラーをお付けしても素敵ですね〜、自分が欲しいです!

















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・・・・・C.グラント氏も明るいトーンなオーバーコート!
大きなバッグを持ってご旅行でしょうか、そんな場面ではダークコートは強過ぎますよね。
必ず重宝頂けるポジションとなるでしょう!


では次のご紹介に参ります。




















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Joshua Ellis & Co.


100% WORSTED CASHMERE


240g




・・・・・これまた凄い刺客が、、、、。

本能レベルで感じてしまう 正に暖かそうなラクダ色、キャメルカラーなピュア カシミアのジャケッティングです。

イギリスやイタリアなど欧州の生地メーカーでは『サマーカシミア』というポジションがあります。
 日本の高温多湿な夏では意味不明に感じてしまうもの当然です。
強いて言えば避暑地などで、、、。

日中は気温が高くても 湿度が低くければカラッとした暑さ、日が暮れれば急に気温も下がり 正に薄手な上着が欲しくなる、、、そんな時に最高な上着となるのがコチラです。

日本で考えれば春秋がメイン、冬の外出では温かさが心許無いからこそオーバーコートの重ね着が楽しめます。
 建物に入れば空調コントロールされているでしょうから むしろこの位で丁度良いとも言えるのです。


















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・・・・・静寂に包まれた美しき砂漠の景色を見ているかのようです。

先のコート地は綾織り地、こちらは通気性の良い平織なので逆にマットな表情となり、とても落ち着きがあります。

されど触ってみれば 薄くて軽く、正に天女の羽衣のような美しい服地です。

この生地を見た時の感動とは裏腹に、日本でご注文頂くのは難しいかも、、、
むしろこんなに薄地であればネクタイにしても相当ラグジュアリーで素晴らしいタイになるだろうとも思いました。

 ですが、やはり上着としてお勧めさせて頂きたい!
軽く柔らかで 更にアンコン仕立てなどにしても活きるでしょう。

これ、着用したら絶対に、確実に口角が上がってしまうヤツですよ!
こんなにも贅沢な羽織もの、、、興味が湧きますよね。


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・・・・・キャメルカラーなカシミア生地、しかもウーステッドカシミアです。
フラノやツィードを始めコート地などの多くはウーレン(紡毛)が使われます。

ウーステッド(梳毛)はスーツ地などに使う細くて綺麗に引き揃えた糸なので
見た目は勿論、質感も変わって参ります。

カシミア山羊さん、一度 抱きついてみたいです(笑)。



















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・・・・・240gの平織、通気性の良さが伝わるでしょうか。
まったく凄い生地ですが、こんなにも贅沢なポジションの上着を是非如何でしょうか。
シンガポールなどではホテルやモール、タクシーなどでも冷房が凄く強くて むしろ寒いと聞きますが、、、
そういう所でも重宝出来ますね。


















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・・・・・キャメルカラーな上着、下物は鉄板のグレーから始めたいところ。
上着と違い下物はハリコシ含め生地の強度(耐久性)が必要となります。

お任せ下さい、良いのが丁度同じタイミングで手に入れました!















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・・・・・英国の頼りになるミル BOWER ROEBUCK より。











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BOWER ROEBUCK

Cavalry Twill


100% WOOL


420g




・・・・・ど真ん中、ミッドグレーのキャバルリーツイルです。
ハリコシのある丈夫な織り地はタフで皴にも強く、コテも効くのでクリーズラインも消え辛く、クセ取りによる美しい立体感をもお約束いたします。

420gありますので、程好い肉味を感じさせつつも地厚過ぎない頃合いです。
先のサマーカシミアからツィードまで、大いに何でもお合わせ下さい。
















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・・・・・やや霜降り感のある表情であり、ベタっとしたグレーソリッドとは違います。
独特の二重畝は綺麗にクリアカットされ、程好いツヤ感があるのもキャバルリーツイルたる特徴で御座います。



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・・・・・以上で御座います、如何でしたでしょうか。
最高のカシミアたちは上物に、頼りになるミッドグレーは下物に。
 勿論それぞれ単品でもお選びください。

特にODD TROUSERS(替えズボン)は何本あっても良いですね。
グレーはトーン違い、ウエイト違い、織り地違いでバリエーションを!




では極上で至高なカシミア含め、是非とも現物生地をご覧になり ご自身の目で見て、触って、纏って、そして感じにいらして下さいませ。

皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。







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2025年09月30日

【 Dittos.TIE 24th-COLLECTIONS 】





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・・・・・哀愁漂う あの名曲「愛のテーマ」 が聞こえてくるようです。
エレガントで威厳と共に色気さえ感じさせるダークスーツの着こなし。
装いのもたらす効果と意味を良く理解されている方々でもありましょう。

ピンク色のネクタイ、
皆様のワードローブには御座いますでしょうか。















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・・・・・色だけですが、、、極めてエレガントなドンへのオマージュも込めて。

今回の新作タイより。

白く見えるチーフ、実はかなり淡いサーモンピンクのコットンチーフと共に。














・・・・・10月を目前に 厳しかった夏の暑さもやっと陰りをみせ、少しずつ秋を感じられるようになって参りました。

ようやく衣替えの時期を迎えようという頃では御座いますが、皆様におかれましてはお変わり御座いませんでしょうか。
 季節の変わり目です、どうかご体調には十分にお気を付け下さいませ。


さて、やっと新作のタイをご紹介させて頂く事が出来ます。


此度で24度目の展開とはなりますが、また御世話になっていた工房さんが幕を閉じる事となり、新たな工房さんでお願いする運びとなりました。
 日本だけではありませんが、モノ作りの現場は高齢化や継承者、後継者不足によりどんどん無くなってきており、特にネクタイ製造は厳しさを増すばかりです。
新たな工房さんでの初コレクション、、、実は過去一の出来栄えで御座います!

どの工房さんでもプロの技ですから高次元な品質である事は前提に、今回の工房さんは今までで一番 私の希望する品質で仕立てて下さる高度な技術をお持ちであり、仕立て上がりを心待ちにしておりました。

美しい仕上がりな分⁉ 対価は軽く倍以上でもあり、逆にそうで無ければ存続できない、もしくは現代における相場という事なのかも知れません。
日本の手仕事による価値はもっともっと高く評価してあげられるようでなければ衰退は一層拍車が掛かってしまうでしょう。

ネクタイというアイテムが活躍する場を減らしつつある昨今、紳士の装いには必要不可欠なアイテムでもあります。
皆様におかれましては応援も含めて美しく質の高い手作りのクラシックタイを締め、装いを存分にご堪能して頂けましたら何よりの幸いに御座います。


 では早速 素晴らしいコレクションをご覧頂きましょう。



















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DAVID EVANS & CO

(ADAMLEY)


Printed in ENGLAND



・・・・・150年以上の歴史を持つ同社のシルクプリント。
ナポリではあのE.MARINELLAも同社のプリント地は欠かせません。
この度は全12種も御座いますので、カテゴリー別にてご覧頂きましょう。














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・・・・・クラシックな小紋、そしてドット。
間違いなき、正に同社の真骨頂たるシリーズです。

膨大なアーカイブより抜粋の上、美味しい所だけ少しずつ!














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・・・・・これまた英国らしい、、、、クセのあるコッテリ感がそそります。
ボタニカルシリーズより、花柄、そしてペイズリーです。

見ているだけでワクワクしてしまいます。
それにしても素晴らしい!














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・・・・・残るはファンシーなシリーズ、トップバッターはプリント地での格子柄。
正にスポーティーなエッセンスと共に清涼感もありますね。















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・・・・・ローズピンクが本当に素敵、、、モチーフは何に見えますか⁉
エリザベス女王もこよなく愛したコーギー君であり、これまたピンクに合うパープルで。

このローズピンク、派手と思わず是非お試しください!
きっとお気に入りになる筈ですよ。














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・・・・・インパクト絶大でパンチ力も抜群な逸品、えぐいベースの色味は鮮やかな ピーコックブルー。
サイズ様々な彩あるモチーフがとても賑やかです。
 なんか一部モチーフはLVっぽい(笑)、村上隆さんの元気なアートにも通ずるようなパワーがありますね。

これまたマニアックでサイケな、、、、
こんなどこを探しても売っていないようなタイを激渋なクラシックスタイルに合わせて締めてしまう余裕と遊び心を持って頂きたいと選ばせて頂いております!















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・・・・・変わらぬ同社のネームはグリーン、そして四方手まつり縫いをご覧下さい。


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・・・・・これです、コレなのです。
手巻きロール・手まつり縫い始末はスカーフやチーフでお馴染みですね。
ネクタイも元祖は同じ、この始末による裏無し一重仕立てが望ましく 昔ながらにあるべき姿でもあります。

タイの工房さんでは効率優先含め 裏有りで縫い返す仕様が多い為、この様に手巻き、手縫い始末になれたところは少ないと言えます。
 故に手巻きというより 出来る限り細く畳んで手まつり縫い といった感じが多いのですね。
勿論それが悪い訳ではなく、手間や工程は同じです。
 ですがこの様に細くピリッと巻けると まるで爪楊枝が入っているようですね!
このウエルトな立体感と共にエッジにハリが出てとても美しく大剣を魅せてくれるのです。

これは本当に上手い! 思わず感激してしまった次第です。



【 全長 】  約135p

ハイライズなトラウザースに合わせ 比較的に短めです。
(バイアス裁断なので使用していれば多少は伸びます。)
一般的なレングスは150p前後であり、日本人には少々長めでしょう。
 高身長や首のお太い方は小剣側のレングス調整で大剣側重視に結んで下さい。



【 大剣 】 9.5p幅

日本国内では何故かいつまでも大剣幅の狭い物ばかり、、、
欧州では9.5p幅が標準的であり、日本でのインポートタイは敢えて大剣幅を細く指定の上 別注されているタイも御座います。
 ある程度はその時代の上着ラペル幅に連動していると調和がとれると言えますが、クラシックな上着のラペルは 大抵この位になります。

そして大剣の幅だけではなく、タイにもシルエットがありますので そんな所も含め 結んだときの美しさを最優先に。



【 芯地 】

天然素材に拘り、2種の芯地で構成させています。
結びやすさと程好いボリューム感は前提に、イタリアに良くあるタイよりは薄く感じられるでしょう。
 英国のVINTAGE TIEなどは驚くほどペラペラですね!

ドンの時代はさておき、今ではイタリアはほぼウエストコートを着用しないのでタイにはボリュウームが欲しい、ですがピタッとフィットさせるウエストコート内に そのボリュームは過剰です。

 シャツやタイ、ブレイシーズなどの周辺アイテムは上物(重衣料)に全て連動と調和が考えられているべきなのです。
だからこそ、、、
当店でも細々とシャツやタイ、ブレイシーズを企画・展開しているのですね!






また前置きが長くなりました、、、
では個別紹介に参りましょう。




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【 A 】



・・・・・美しき爽やかな アイスブルー。
品のある小さな小紋はゆったり密度、オレンジが効いていますね。


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【 B 】



・・・・・オリーブグリーン はもはや鉄板です。
日本人には馴染み薄なグリーン、小さなネクタイなら付き合いやすいでしょう。

御愛用経験者の方々は魅力を知っていますから トーンや柄違いでも集めたくなりますよね。


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【 C 】


・・・・・ボルドーも欠かせぬ色です。
赤いパワータイとは全く違い、品もあって落ち着いた中に静かなる情熱を感じさせてくれる事でしょう。

ネイビーやグレーには頗る合いますよね。


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【 D 】



・・・・・個人的には惹かれてやまぬ ダックブルー。
鴨の羽に由来する緑みがかった明るいブルーです。

この絶妙な中間色、誰もが進んで選ばぬ色、だからこそ魅力的で可能性に満ちている!
額(スーツなど上物)はクラシックでベーシック、だからこそ限られたVゾーンでささやかな個性と演出をお楽しみ下さい。


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【 E 】


・・・・・ネイビーベースに小さなドットタイ、ソリッドの次に手に入れるべきタイです。

一応ピンドット範疇ですね、これはエレガント度合いの高いタイでありビジネスシーンでも欠かせません。
 実は小さな捻りもありまして、、、ピンドットはライトパープルなのです!


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【 F 】



・・・・・ダークネイビー地に確りとした主張の有る小紋タイ。
花柄ベースですが、勲章の様にも見えますね。

勇ましく堂々としており、キリっとしてやる気に満ちたVゾーンをお約束致します。


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・・・・・次はボタニカルシリーズの登場です。

















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【 G 】



・・・・・歴史と伝統のあるクラシックなペイズリー柄。
この独特なデザイン、原形は草木であり花がモチーフです。

柄のサイズがとても大きくキャンバスに収まりませんね。
英国デザイナーはよくBIG柄にしますよね(笑)。

迫力もあり小さなVゾーンでは収まりきらぬスケール、そんな広き心内をもメッセージに込めたコーデもありでは⁉

こういうのが大好物でして!


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【 H 】



・・・・・正に欧州、イギリスらしさを感じさせてくれるタッチであり配色です。
これはビジネスというよりタウンやカントリーなスタイルに合わせたいですよね。

例えば今期お勧め地でご紹介した VINATAGE HIELD BROS:グラスグリーン のスーツなんて完璧なマッチングでしょう。
ツィードなどのカントリースタイルにも是非合わせて頂く為のタイです!
 なんか芸術家的な感じすら、、、。


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【 I 】



・・・・・先の色違いです。
トーンがブルー、ネイビー系でまとめられていますので こちらはシーンを選ばずに愛用出来ます。
 強いての拘りは、、、合わせるシャツはポプリンではなく刷毛目(END ON END)で!
その心は⁉ 店頭にて。


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・・・・・最後はファンシー系で締めくくりますよ。

















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【 J 】



・・・・・これ、別にファンシー枠ではありませんが 一般的には派手かと、、、。
ローズピンクとパープルの同系色な相性は抜群のセンス、英国好きな御方にはコーギー君の意味たるや 込められたコーデに自己満も!

これは是非お試し頂きたい、、、
日本男児、もっと色を楽しむべきです!


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【 K 】



・・・・・今回コレクションの中で一番スポーティーですね。
色味からどちらかと言えば春夏系を感じさせますが、今期お勧め地で言えば、、、
STANDEVEN:SUMMER DONEGAL のスーツにはベタですが抜群の相性です。

スポーツ=ブレザー(シングルブレスト)という事でブレザーにも!


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【 L 】



・・・・・今回コレクションの中で一番派手であり、一番売れなさそうでもありますね(笑)。
どんなシーンで、どんなコーデで合わせれば、、、、そんなお声が聞こえてきそうです(汗)。


こんなにもマニアックで個性強きタイこそ、自分のスタイルに落とし込む遣り甲斐を感じさせないでしょうか!
 確かにシーンを選ぶのは当然ながらも、大人の遊び心を失ってはなりません。

リネンのスーツに合わせるのであれば全然イケてる範疇ながら、
もし敢えてダークスーツで合わせるなれば シャツもダークトーンを選んでみて下さい。
  タイ以外はベーシックで控えめですからシャツを濃くすると更にタイが引き立ちますね。
タイを更に誇張させ主役に立ててしまう事で派手さに説得力と熟し加減が出つつ、そこから会話も生まれるかも知れません!
 目立つ、派手、であれば より目立たせてしまう事で手綱を引く、というパターンも。


装いをもっと楽しんで参りましょう!
世間では売っていない物こそ価値や面白みを見出すのです(笑)。
大人になれば 甘さや辛さだけではなく、渋味やエグ味さえも美味しく感じられるものです。


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・・・・・では個性強めなタイも含め 試着してみますよ!



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・・・・・如何でしたでしょうか、、、長かったですよね、お付き合い誠に有難う御座いました。


ネクタイは単なる小物アイテムであり、単体で見る楽しさもあります。
しかしコーディネートして自分自身で着こなす事こそ装いでもあり、そこに秘めたるメッセージさえ込められるのです。

 敢えて締められる真っ赤なパワータイがあれば、落ち着いたブルーのタイがもたらす意味と印象。
政治の世界では装いさえ戦略であり、それだけ周りの方々へ印象を与える事が出来ます。

ノータイが幅を利かす昨今、とても残念であり勿体無いとさえ思います。
スーツに限らず テーラードクロージングにネクタイは必要なアイテムでもあります。

当BLOGをご覧下さる多くの皆様は同感して下さるかも知れません。

魅力的な装いで かつ楽しんでおられれば周りの方々もハッピーな気持ちと共に良い刺激にもなりましょう。
衣食住の『衣』を存分に楽しまなければ人生勿体無いです。
 素敵な装いを魅力的なネクタイと共に、、、お仕立てになられたスーツやジャケットの可能性を見出し、活かして頂けましたら幸いで御座います。


 どうか此度のコレクションと共に、引き続き宜しくお願い申し上げます。


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● 今回の新作タイですが、種類も多く 分納となっております。
店頭では9/27デビューであり、お陰さ様により既に少し減っております。

次ロット(完納)のお仕立て上がり分は 10月中旬頃 との予定であり、初回ロット分の在庫が無くなり次第 次のロットをお待ち頂く可能性が御座います。
ご了承頂けます様 宜しくお願い申し上げます。











・・・・・御来店の難しい方々におかれましては 御発送も喜んでご対応させて頂きます。
お支払いはお振り込みか、オンラインでのクレジットカード決済も可能です。

どうかお気軽に電話でも、メールでも、HP問い合わせ などでご連絡頂ければと思います。

そんなに多くはお作りしておりませんので、「これは!」と思われるタイが御座いましたらご予約をお勧め申し上げます。

 では重ね重ね恐縮ながら 改めて宜しくお願い申し上げます。





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