2025年05月20日

【 2025.SS:M様のご注文 2/3 】






0mo.jpg




・・・・・柄のクッキリとした素敵なジャケットを着こなす G.クーパー氏。
明るめな色調と共に水玉のタイも相まって とても爽やかですね。






昨今のカジュアル化に伴いダークスーツの着用頻度が下がり、ジャケットのスタイルにシフトされる方々も少なくは無いでしょう。

着こなしについて 一定のマナーやルールさえ外れなければスーツの着こなしは至ってシンプルですから案外楽とも言えます。
 しかし、これがジャケットのスタイルになると コーデの幅もおおいに広がり、合わせるアイテム、色や柄、雰囲気などシーンによりセンスも必要になってくると言えるでしょう。

その分 装う楽しさはあるものの、、、、
ビジネススーツが当たり前であったお父様方の中には何をどう着れば、合わせれば良いのか戸惑ってしまう方もおられましょう。
 場数による慣れも必要でしょうし、失敗は成功の素ですから是非とも進んでチャレンジされてみて下さい。


衣・食・住 の『衣』も充実させる事が出来れば それだけ人生も楽しく豊かになる筈です。
少しでもお力添え出来るよう全力を尽くします!








 今週は多大なる御贔屓を頂戴しております M様のより
今期SS用に計3着ものご注文をお任せにて賜りました。

M様におかれましては既にダークスーツの類は季節問わずに沢山お持ちで御座います。
お仕事も第一線から退かれたとの事で、趣味の時間含め普段着の様に着用出来るTAILORED CLOTHING をご所望で御座います。
 手始めの一着目が仕立て上ったご納品の折、二着目の仮縫いを合わせて行えるようご足労も最小限にスケジュール致します。

手始めの一着目はスポーツスーツであり、様々に崩して着こなしを楽しむ事が出来ます。
生地のボリューム感から一番に着手し、既にご納品済みで御座います。



1mo.jpg




【 SUMMER DONEGAL:M様のご注文 】




では2着目は どんな生地で、どんなスタイルでご提案させて頂いたでしょうか。
早速ご紹介させて頂きたいと思います。


















2mo.jpg



・・・・・LAMOGE の生地より 落ち着きもあって上品な格子柄のJACKETINGをお勧めさせて頂きました。
ジェフさんが営んでおられた LAMOGE
氏は某大手生地メーカーに長く勤められ、独立されてからは家族でこじんまりと経営されていた小規模なマーチャントです。
 もう横の繋がりは広いですから幅広く魅力的な生地を展開され、ご提供して頂いておりました。
今はもう天に召され、ジェフさんの所からお世話になった生地を大切にお勧めさせて頂いております。

さて、今回はスーツではなく 単品(ODD)構成で組み上げた 3P をご提案させて頂きます。
この上着をベースに、中下自体も今回の計3着に対し 全てが有効活用出来るよう考えてのご提案となります。


 先ずは裁断ですが、スポンジング(地のし)しても歪みや斜行が治りきらない生地は多々御座います。
 直角・平行を整わせ、チャコで裁断線を引いたら表一枚のみ裁断。
下の生地に柄合わせして乗せたら一緒に改めて裁断、格子柄は時間が掛かりますが、裁断がズレていれば縫製での帳尻合わせにも限界がありますので慎重に!

ベースはクラシックな PICK&PICK、二重のウインドーペーン柄はブルーも使われ清涼感がありますね。


100% WOOL
240g



















3mo.jpg



・・・・・上着はやや明るめ、であれば下物は逆に濃い目のトーンで合わせるとコントラストも利いてシックリと落ち着きます。
 逆に上着が濃ければ下物は薄めのトーンである程度コントラストを意識します。
同時に 織りや素材感、そしてパワーバランス(ウエイト/生地のボリューム感)も加味するべき要因で御座います。

 上物と違って下物に関しては強度(耐久性)も必要ですね。
今回 上着に合わせたお勧め地は


CANONICO
100% WOOL(S‘110)
240g


上着に同じく綾織りで確りとしつつも軽量で同じ240g。
ミディアムグレー範疇でややダーク寄りな色味、とても合わせやすくライトトーンの上着を筆頭に、何かと必ず重宝出来るので持っているべき色味で御座います。


















4mo.jpg



・・・・・今回リクエスト頂きました計3着に伴うトラウザースは全て『吊り用』です。
ウエストコートも嗜まれますのでそれは当然ながらも、盛夏となれば流石にウエストコートを排除するとなった際にお手持ちのベルトレスな腰履きトラウザースに合わせることも考慮。

POST BOY STYLE のウエストコートは両刀使いですから これまた重宝出来るはずですね。


爽やかですね〜、上着の格子に使われているブルーを意識すると共に
やはりブルーは清涼感もあって涼し気ですよね。

















5mo.jpg




BATEMAN OGDEN



50% WOOL

25% COTTON

25% LINEN


ABOUT 290g



・・・・・3者混のライトウエイトは通気性の良い平織地。
素朴な顔立ちが魅力で色バリエーションも豊富に揃えられています。

SUMMER DONEGALにも正に合わせたくなる ODD WAISTCOAT ですよ!


6mo.jpg





















7mo.jpg



・・・・・渋くて本当に素敵です! お上品なM様らしさにマッチ致します。
上着は格子柄の主張もありますのでベーシックにまとめます。
ノッチドラペルは本返りの三つ釦、そして腰のみパッチポケットにして胸はウエルトポケットにしました。
 カジュアルに寄り過ぎず、小奇麗さを残したスタンスで御座います。

お気付きになられましたでしょうか、この日は一着目となるご納品兼 仮縫いですからインナーのコーデは SUMMER DONEGAL に同じで御座います。


8mo.jpg
















9mo.jpg



・・・・・もう何着もお仕立て頂いておりますから 当然型紙の精度も高い訳です。
しかし、人間ですから体型変化や生地による個性差などもありますので確りとチェック致します。

ご体型も維持されお変わりなく、安心して FINISH へと進行させて頂きます。
 今度御来店頂く折には これら二着目の最終確認、及び三着目の仮縫いを御用意させて頂きます。



10mo.jpg

























11mo.jpg



・・・・・さぁ、お仕立て上がりで御座います。
大変お待たせいたしました。

クラシックでベーシックなグレーの ODD TROUSERS は必需品です。
サッパリとしていて素敵ですね。

着用期間はかなり長くご愛用頂けると思いますが、それだけ寒い冬が短いといえます、、、。
















12mo.jpg



・・・・・ウエストコートの襟は後付けではなく、ジャケットのラペル同様にハ刺しを行って仕立てられる仕様です。

超高級なテーラードメーカーや工場さんでもウエストコートは大抵 接着芯仕立てなので、BESPOKEでなければフラシ芯仕立てのウエストコートを味わう事は難しいでしょう。

生地の薄さ・軽さや柔軟性が活きていますよね、使用されるスレキ含めた付属類も春夏用に薄地を使用し 全てにおいて薄くて軽くまとめ上げます。

釦は英国より取り寄せている マザーオブパール:CATS EYE釦 のロイヤルブルー、この釦は様々なODD WCにとカラーバリエーションが豊富なのです。
 貝釦は高騰激しく 大変高価で贅沢な釦となってしまいました。

ライニングはスモーキーなブルーグレー、交織で織られています。



13mo.jpg



















14mo.jpg



・・・・・M様、如何でしょうか。
とても軽くて着心地も軽快に感じられる事と思います。

モノトーンベースでお上品なジャケットスタイルであり、ちょっとしたミーティングなども含め幅広いシーンにて御愛用頂ける事と思います。

本当にお似合いですし、素敵で御座います!



15mo.jpg
















16mo.jpg



・・・・・ボタンを留めた時、左右の身頃打合いは
横柄だけでなく、縦柄の幅もそのまま繋がりつつ、ウエストラインは一番綺麗に見えるポジションで贅沢取りされています。
 ポケットは勿論、袖も柄合わせ、そこら中 柄合わせするので無地や縞と比べれば生地を多く使うのが格子です。

大量生産される格子柄では ここまで良いとこ取りされたマーキングで裁断出来ないでしょう。
 今はSNSにて様々な洋服が容易に見る事が出来るので、格子柄裁断のレイアウトを見比べてみるもの面白いかも知れませんね。
BESPOKEが贅沢なのは当然なのです!


 M様、既にデビューされておられる事と思いますが
一着目とニ着目のミックスコーデも是非お楽しみ頂けましたら幸いで御座います。

三着目のお仕立て上がりも是非ご期待ください、これまた自信作です!


この度も素敵なご注文を頂戴致しまして、誠に有難う御座いました。
どこかへお出かけしたくなるような TAILORED CLOTHING を楽しんで頂けましたら何よりの幸いで御座います。
















・・・・・如何でしたでしょうか。
最近では少しずつ ODDアイテムで組み合わせた 都合3P を楽しまれる顧客様も増えて参りました。

テーラードが好きなのに職場環境的にスーツが着辛くなってこられた方々におかれましても、スーツに拘らずテーラードを御愛用くださいませ。
 ご提案はいくらでも御座いますのでお気軽にご相談くださいませ。


皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
 今週も最後までお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。









posted by 水落 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | クライアント様の洋服 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年05月06日

【 特別な周年記念生地、そして… 】




0rf.jpg





 皆様 こんにちは。
GWは如何お過ごしになられましたでしょうか。

昨日の5日には『立夏』を迎えましたが、同時に『こどもの日』でもあった訳ですね。
愚息も既に社会人ですし、昔と違って鯉のぼりを飾る家も見かけなったので、こどもの日を実感する事なく随分と過ぎ去っておりました。



 今週は半ば強引に 『こども』 というキーワードに絡めてお送りしようかと思います!
極上、且つスペシャルな生地を2種 ご紹介させて頂きますよ。



















1rf.jpg



William Halsted



・・・・・イングランドのウエストヨークシャー州 ブラッドフォードにて
1875年に創業された英国を代表するミルの一社です。

スタンレーミルズ ウィーヴァーズを買収し、1890年にはその社屋内に自社工場が建設されました。

同社のコレクションは幅広く、特にモヘアに関してはあまりにも有名であり
ここ無くして今の様なモヘア系生地の発展や展開は無かったかも知れません。
多くのマーチャントが同社に御世話になっている事は明白であり、様々な名作も生み出してきた陰の立役者でもある訳です。










2rf.jpg



・・・・・今の社屋にはレーベルが増えていますね。
スタンレーミルズの傘下に加わり、集結致しております。
中はどんな感じなのでしょうか。









3rf.jpg



・・・・・圧巻ですね、所狭しと沢山の織機が稼働しています。

この老舗ミルである William Halsted が今年で150周年を迎えました。
本当におめでたい限りであり、200周年目指して邁進して頂きたいです。

 そんな同社より、この150周年に因み極上の記念生地を織りあげたという話が飛び込んで参りました。
それは3月も月末近くの事です。

では、同社の公式インスタグラムより写真をお借り致します!



















4rf.jpg



・・・・・大きく 150 とアピールされていますね!
一体どんな生地を織りあげたのでしょうか、、、、。
因みに、W.HALSTEDの名称がゴールドの枠に収まっていますが、この枠はシャトルです。
 織機には経糸をセッティングし、このシャトル(緯糸)が右に 左にと経糸をくぐり、交互に飛び回りながら生地を織り成してゆきます。



4.5rf.jpg




5rf.jpg




それよりゴルフボールも作ったの⁉
配れますし良い宣伝になりそうですが、英国外の生地購入者には⁉























6rf.jpg



・・・・・4月1日 発売開始。
混無地の1色・1種のみ、一反限定で約20着分、日本国内分ではなく なんと世界で20着分です。

蓋を開けてみれば、発売開始 = 完売済み、、、
流石に世界で限定20着分では少なすぎると思いますよね。

お陰様により その限定を幸運にも入手する事が出来ました。

 後日談、流石にリクエストに対し供給量が少なすぎたのでしょう。
この限定生地の糸が少し余っていたので 本当に僅かですが追加生産が即決まりました。
今回は糸在庫の関係上 一桁着分です。
 ですが これも初回リクエスト者で回らなかった方へ行くばかりではないかと思われます。

 ではじっくりとご覧いただきましょう。














7rf.jpg



= 150周年記念生地 =


HOPSACK


53% Cashmere

47% Summer Kid Mohair


ABOUT 280g




8rf.jpg


9rf.jpg



・・・・・厳密な混率は 53:47 ですが、ほぼ半分ずつですね。
ミミ表記がザックリと50%なのはご愛敬です。

英国を代表する梳毛織物工場であると共に、同社ならではのモヘア織物への揺るぎない伝統を象徴するかのように最高品質のサマーキッドモヘアが使用されています。

同社のアイデンティティの中核を担う最高のモヘアには、同じく最高に贅沢なカシミアをチョイス。
この二つの高貴な繊維がブレンドされる事は稀であり、ハリコシ強く弾力性のあるモヘアに対し、柔軟性に富んだ最高の肌触りとやさしさ、これらが半分ずつで融合した時
どんなハーモニーが生まれるのでしょうか、、、という企画の流れです。

また、何故ホップサックなのか。
これは互いに最高級な獣毛は細い、細い糸で織れば生地も薄い。
 故に耐久性を加味し、平織地で通気性も良く 綾織りには無いマットな仕上がりでありつつも、その綾織りの様な耐久性を加えたという事だそうです。

色も1色展開のみ、あえて中庸的でベーシックなネイビー地は一番使いやすく
スーツで仕立てるも良し、ブレザーに仕立てるも良しと そんなバランスを見越したカラーが選択されました。
















10rf.jpg



・・・・・モヘアはアンゴラ山羊の毛であり、KIDですから まだまだ子供、毛は綺麗で細く、、、、されど採取量は当然少なく高級となります。
特に Summer Kid Mohair は最高級の位置付けとなります。








11rf.jpg



・・・・・とても不思議な生地です、、、、。
何も知らすに触った場合、モヘアの存在感がほぼありません。
せめて残るハリコシ感は強撚糸⁉ くらいのレベルであり、カシミアの存在感が強いと言えます。 が、柔軟過ぎない、、、え〜〜っ???

平織はマットにも関わらず じんわりと品のある光沢感があり、モヘア⁉ かな。
原毛(獣毛)は双方細い同士ですし、ホップサック感があまりありませんが
仮にホップサックではなく トロピカル調に織ったとすれば、 やはり耐久性に不安が残りますので流石に良く考えてあります。

ウエイトは300g弱、日本で言えば 3シーズンウエイトで一番使いやすいですね。











12rf.jpg



・・・・・これは凄いですよ、贅沢です、、、、。
勿論高級でもありますが、いち職人として仕立てる機会をくださった顧客様へ心よりの感謝を申し上げます。

順番が回りますまで 暫しお時間を頂戴致します。
ご期待くださいませ、私自身も大変楽しみで御座います。











13rf.jpg



・・・・・下記は同社の公式HPより 150周年記念生地のページです。
ご興味があれば是非ご覧板頂ければと思います!
本当に素晴らしいミルであり、これからも頼りにしております。
末永く英国らしい生地を織り続けて頂きたく、切に願うばかりです。

https://www.williamhalstead.co.uk/a-fabric-to-mark-150-years-of-william-halstead
A CLOTH TO MARK 150 YEARS OF WILLIAM HALSTED





















14rf.jpg



・・・・・さて、次の生地のご紹介へ参ります。
可憐な女性を囲む二人の紳士は共に素敵なジャケットをクリームのトラウザースで決めています。
ブレザーは紳士にとって欠かせぬアイテムでもあり、皆様のワードローブにもラインナップされておられるかも知れませんね。

しかし、これからご紹介する生地の様に こんなにも優しくて尊い生地でブレザーを誂え、優雅な贅沢を感じてみるのも一興でしょう。

















15rf.jpg



= Joshua Ellis =


BABY CAMEL




William Halstedより更に古い 1767年創業の超老舗。
カシミアやキャメル含め 高級な獣毛を扱う同社の製品は世界トップレベルである事に間違いはありません。
 当店でも大変お世話になっておりますが、ここ最近では随分と体制が変わりました。

お値段の高騰もそうなのですが、同社の生地は STAND EVEN を介して供給される事になり寂しくもありますが、そんな折にとても幸運な機会を頂けた次第で御座います。














16rf.jpg



・・・・・ラクダさんですよ、しかも子供(BABY)‼
カシミアもキャメルも、そしてアンゴラ山羊も羊も 全ての BABY にはそのクオリティと希少価値性が高く、別格の品質にウットリするばかり。
 その変わり高級ですが、それを知れば、触れば納得せざるを得ぬ程の説得力を持ち合わせています。


モヘアで触れましたが、子供ですから個体も小さく、採取できる時期、そして量と それは希少価値が高くなってしまいます。
 毛が細い分、触り心地は滑らかでシットリ、気持ちが良くて頬擦りしたくなるでしょう。















17rf.jpg



Joshua Ellis


100% BABY CAMEL

340g




・・・・・ジャケッティングです。
キャメル色ではないキャメル、珍しいですよね。
 ナチュラルなキャメル色でのベビーは定番であり STAND EVENのコレクションでも扱われていますが この色はラインナップされておりません。

カシミアは生地を始め ストールやセーターなど 多彩で様々に綺麗な色バリエーションが展開されております。
それはカシミアの特性の中で『染色性』に優れているという要素があり、美しく綺麗に染まるのですね。

反面 ラクダさんの毛はとても染色が難しく、、、頑固なのです。
故に一般的にはナチュラルなキャメル色が圧倒的に多いのですが、染める場合は強制的で強い色(黒や紺)であれば何とか という感じなのです。
 だからと言って繊維を痛めてまで染色している訳ではないのでご安心ください。
そんな品質では売り物になりませんからね。















18rf.jpg



・・・・・因みに、ラクダさんは ヒトコブ と フタコブ がいますがヒトコブラクダさんの毛は短く太いので、高級獣毛になり辛いのです。
また フタコブラクダは 夏には気温が45度まで上がり、冬では−30度まで下がるような激しい環境下に生息しており、ここまでの環境下ではヒトコブさんの方は生きてゆけないそうです。

激しく厳しい環境であるからこそ、身体を守る「毛」の性能が高いのです。
細くて長く、そして軽い。
 吸湿性が高くて現存繊維の中でも一番高いとの事、放湿力については羊毛をも上回ります。

BABYの繊維ですから毛も細いですしジャケット地なのですね。
ですが性能は頗る高いですから このウエイトでも暖かさは折り紙付きなのです!















19rf.jpg



・・・・・レアなネイビーのベビーキャメル、こんな素敵な生地で
優しい ODD JACKET を是非ご堪能下さいませ。

とても贅沢な気持ちで秋冬をお過ごし出来る事でしょう。


















・・・・・如何でしたでしょうか。
KIDにBABY、この子達でなければ成し得ぬ品質というレベルがあります。
それだけの価値があり、そんな魅力に満ちた獣毛で織られた素晴らしい生地たち。

是非 目の前で見て、触って、そして感じてください。
その魅力を纏ったときの高揚感と性能、そして満足度を想像して下さい。

皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
 では 今週も最後までお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。
















・・・・・誠に恐縮ながら、来週のBLOG更新はお休みとさせて頂きます。
次回は 6月20日(火)を予定しておりますので、どうか引き続き宜しくお願い申し上げます。






posted by 水落 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 生地について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年04月29日

【 D.B. 3P-SUITS:T様のご注文 】






1td.jpg



RUDOLPH VALENTINO




・・・・・サイレント映画時代のハリウッドで活躍したイタリア出身の俳優であり、絶世の美男でもあるR.ヴァレンティノ氏。
ご活躍された1920年代のエレガントなスタイルを様々に遺して下さっております。






2td.jpg



・・・・・全体的にシュッとシャープなサイジングにシルエット。
ウエストはかなり高めに設定されていますね。
この時代らしい美しきダブルブレスト、高いシェイプ位置に合わせ釦や腰のポケット位置も高め、ラペルは太過ぎず細過ぎずで鋭くシャープなカットです。

釦の配列ですが 横幅のスタンス=打合い量であり、それなりに確りと重ねてあります。
特徴として高めな設定であるウエストシェイプにくる中段の釦に対し、グッと上下の釦位置を絞り込んで意図的にスタンスを狭くしています。
 故に視覚的効果により打合いは一層深く見え、奏でられたX字のシルエットの中心(各釦)に目がいくよう(まとまるよう)バランス構成されています。

もともとスタイル(体型)の良い氏ではありつつも、更にスーツの設計でもスタイルの良さが際立つカットが成されていますね、、、この辺りの時代の特徴でもあります。

トラウザースも細め、シャツはショートポイントが乙な感じでありキュっと小さく結びこまれたタイも印象的です。















・・・・・R.ヴァレンティノ氏の様な甘いマスクを持ち、とてもスリムなT様には大変な御贔屓を頂戴しており心よりの感謝をしております。 いつも本当に有難う御座います。

 そんなT様は氏のSTYLEが大変お好きで しばしばご注文のイメージソースにされ、ご相談を頂戴致しております。

そんなT様におかれまして、実はこの度 人生初のダブルブレストに挑戦したいとの事、
イメージは勿論 このエレガントなR.ヴァレンティノ氏です。



ダブルブレストはフィッティングがシングルよりもシビアであり、そういう意味でも なかなか既製服では展開し辛きデザインです。
ダブルブレスト、もともとは軍服由来であり 階級の高い軍人が着用しているのですから威厳や重厚感を感じさせる事も合点がいきますね。
 ただ、ご自身にはどうなのか、、、、
ダブルは良く恰幅が良い方が似合う などとも耳にした事もありますが、そんな事も全く関係ありません。
誂えであれば その方らしく、その方なりの美しきダブルブレストをデザインする事自体がTAILORの仕事でもあります!
 是非お任せ下さいませ、きっとお気に召して頂けるダブルのスーツをお仕立て致します。


「〇〇のように素敵なスーツを着こなしたい。」
とても純粋で素直なお気持ちであり、誰しもが考えた事があるでしょう。
 それが具現化し、自身で着用した時のファーストインパクトは必ずや良くも悪くも以降に引き継がれる事になるでしょう。
初ダブル、、、責任も重大です‼

氏とT様とでは体型含め様々に違いがあるのは当然です。
T様の為だけにデザイン・設計をし、美しきバランスを私なりに導き出してみせますので是非ご期待くださいませ。




3td.jpg



















4td.jpg




H.Lesser & Sons


MEDIUM WEIGHT

13oz


100% WOOL


CHARCOALGRAY

HERRINGBONE




・・・・・ストイックでエレガントなスーツ、、、いぶし銀なコチラをお選びくださりました。

間違いなきご選択であり、仕立て映えするであろう打ち込み具合、素朴で渋く ドライ目なタッチ。
名の如く英国では一番一般的なウエイトですが、日本では一応 秋冬地にカテゴライズされます。

それにしても H.Lesser のチャコールグレーは本当に美しくて素晴らしい。
















5td.jpg



・・・・・仮縫いが組み上がりました。
ハイウエストにシャープなラペル、釦配列やポケット位置も当然意識しつつも あくまでT様の為に設計されています。

このD.Bの端正な顔立ちはきっとT様にお似合いな事でしょう。
 御来店下さる日が楽しみです。



6td.jpg



















7td.jpg



・・・・・早速お越し頂きました。
フレンチブルーのEND ON END、ACORNよりお仕立て頂きましたシャツが素敵で御座います。
ハイバック仕様の IN-2 PLEATS、シルエットはシャープな感じでシルエット構成しております。
















8td.jpg



・・・・・人それぞれ 性格も顔立ちも違う様に、体型も全然違います。
それらは個性であり、良いも悪いもなく 認識し尊重してあげるだけです。
T様の個性は肩であり、とてもT様らしささえ感じさせてくれます。

ただし、最大公約数で設定される既製服では その個性たる全てを無視して参りますので合う人もいれば合わぬ人がいて当たり前です。

T様の為だけに設計していますからお身体に寄り添い、綺麗なシルエットを奏でます。


















9td.jpg



・・・・・とてもエレガントです!
T様のご期待感も更に膨らんだ事でしょう。
微調整を加えて仕上げへと進めて参ります。


















10td.jpg



・・・・・さて、仕立てあがり いよいよ最終FITTINGです。
喜んで頂けるでしょうか。















11td.jpg



・・・・・旧チャーチのコンサルはブックバインダー!
今はもう製法が変わってしまいましたが、やはり旧チャーチは独時の光沢と魅力がありますよね。














12td.jpg



・・・・・チャコールグレーにボルドーのタイはとても映えます。
エレガントなチャコールグレーはやはりホワイトシャツが似合いますよね。

ライニングはシルバーです、敢えてコントラスト強めながらも無彩色同士ですからドレッシーに調和致します。
皴なくピタッと決まっていると、ヴィスコース(裏地)の光沢感で金属みたいで西洋甲冑の如く!


13td.jpg


















14td.jpg



・・・・・T様の笑みがこぼれます!
とても素敵で格好良いです、本当にお似合いで御座います。


15td.jpg

















16td.jpg



・・・・・英国では昔からダブルブレスト用の釦サイズがあり、シングルより若干大き目なのです。
コート(ジャケット)用、そしてオーバーコート用とで それぞれに企画があります。

それは 打合い深き重厚感に対してのバランス(美意識)でしょう。
ブリティッシュならではです。

仮縫い時に釦を決めて頂きますが、結構多くの御方はダブル用のサイズをお選びになります。
やっぱりこのサイズ方がしっくりときて落ち着きがありますよね。

シャープなラペルも程好く、T様らしくもあります。

















17td.jpg



・・・・・キュっとコンパクトなアームホールこそ誂えならではであり、それが機能性を高めると共に シャープで美しい袖になります。
 R.ヴァレンティノ氏のように素敵で 大変お似合いであり、スーツのエイジングも楽しみですね。

とても喜んでもらえ、私も光栄な限りで御座います。
その素敵な笑顔に疲れも癒され、こちらこそ有難う御座いました。
この日は着替えず このままご帰宅されました。

御納品自体は4月の半ばでしたが、とても気に入ったとの事で既に何回も着て下さっているとの事、初のダブルにご満足頂けたようで何よりです。
 暑くなるギリギリまで是非ともご堪能下さいませ。


















・・・・・T様、最後に
こんなにも素敵なチャコールグレーの三つ揃いを誂えられたのです。
お仕事から式典、冠婚葬祭まで様々にご利用頂けますが
 もし宜しければ折角ですから ドレストラウザースを誂え足して
ダブルブレストの BLACK LOUNGE SUITS へバージョンアップもお勧めで御座います。


18td.jpg


19td.jpg




T様、この度も素敵なご注文を頂戴致しまして 誠に有難う御座いました。




















・・・・・如何でしたでしょうか。
今週の『初ダブル』 と言えば、先週デビューの当店別注スカーフにつきまして
何よりも私のお勧めにより 『今回でスカーフデビューしてみます!』 とのお客様も少なくなく本当に嬉しく思っております。
 店頭に来て下されば 実際に巻き方や洗濯などのメンテナンスなどもお話させて頂いております。

光栄なる沢山のリクエストをと頂戴致しまして、心よりのお礼を申し上げます。
ご自身様、そして奥様や彼女さんへ、そして時節柄 母の日へのプレゼントにも。
 喜んで頂けましたら何よりで御座います。


お陰様により、【C】 【D】 が既に完売となっております。
残り枚数の少ない柄もあり、是非この御機会に如何でしょうか。

http://dittos.seesaa.net/archives/20250422-1.html
【 Dittos. SCARF 】


慣れてしまえばネクタイと同じように 別の色柄が欲しくなるものであり
それだけ魅力を持ち合わせているという事です。
是非ネックウェアの一つとして スカーフもお楽しみ頂けましたら幸いです。

 何卒宜しくお願い申し上げます。



では今週も最後までお付き合頂きまして、誠に有難う御座いました。
 当店のゴールデンウィークは通常営業であり、火曜日の定休のみお休みを頂戴致します。

どうか素敵なGWをお過ごしくださいませ。
当店でも 皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。








posted by 水落 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | クライアント様の洋服 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする